カリスマゲームクリエイター・ジンジャーお兄ちゃん
衝撃のデビューからはや1週間,「
インディーズゲームの小部屋」の第101回は,ゲーム制作サークルcircumflexの
「打撃戦艦アルテミス」を紹介しよう。本作は,月の独立をめぐって月と地球との間で繰り広げられる星間戦争,「月独立戦争」を描いたSFストラテジーゲームだ。プレイヤーは月独立軍に参加する艦隊司令部専従参謀・ユーリの視点から,数々のミッションを戦い抜いていく。
ユーリが乗艦するのは,最新鋭の技術を投入して建造された新型戦艦アルテミス。このアルテミスを旗艦とする艦隊,通称「アルテミス打撃群」を指揮して地球側の艦隊と艦隊戦を行い,月の解放を目指すのがゲームの目的だ。“打撃戦艦”って何だろうと思った人も,別に戦艦同士がグーで殴りあうわけじゃないので安心してほしい。
アルテミスとアルテミス打撃群の本来の目的は,実戦の中での新型戦艦のデータ収集ともう一つ,“軍の広告塔”になること。そのため実質的な戦果はあまり期待されておらず,アルテミスのクルーはユーリの直属の上司である艦隊司令レイシア以下,艦長やブリッジ要員も含めて若い女性が非常に多いという,どこぞの編集部とは正反対の羨ましい職場環境になっている。そんなアルテミスだが,有言実行のレイシア司令のもとで戦果を示し,次第に月独立戦争の中心的存在になっていくというのはある種のお約束だ。
主なゲームモードは,月独立戦争の本編を描いた
「ストーリーモード」と,それとは別に模擬戦を戦っていく,ステージクリア型の
「フリープレイモード」の二つ。どちらのモードでも,“アドベンチャーパート”と“シミュレーションパート”を交互に繰り返しながらゲームを進めていく。
本作の大きな特徴は,ターン制ストラテジーでもRTSでもない,いわゆる
“プロット入力&同時ターン制”を採用している点にある。これは,「コンバットミッション」シリーズなどでも採用されているシステムだが,簡単に説明しておくと,敵軍の動きを予測しつつ自軍ユニットの行動を事前に設定しておき,敵味方同時に予約された行動を実行するというものだ。
戦闘では,長いコマンドを与え,それを完遂すると,より多くの「指揮ボーナス」が得られ,このポイントを消費することで戦いを有利に進められる「オペレーション」が実行できる。オペレーションには,ミサイルによるマップ外からの支援攻撃や,戦艦の回頭や攻撃に必要な準備時間をすべて省いて機動性を上げるものなどがあり,ここぞというときに使うことで一気に形勢逆転を狙うこともできる。
しかし当然ながら,長い命令を予約して予測を誤ってしまうと,攻撃目標とすれ違ってしまったり,敵に包囲されてしまったりと,たちまち不利な戦況に追い込まれてしまう。敵との距離がつまってきたら,短い命令で小まめに陣形を整えるようにしよう。戦闘終了後には,敵の撃破数や味方の損害をもとに戦闘評価が行われ,それに応じてクレジット(お金)が支給される。このクレジットで新たな戦艦を購入し,次のミッションに挑むのだ。
じっくり考えて作戦を立てられるターン制と,敵味方が一斉に行動することで予想外の戦況が展開されることもあるRTS,両方の特徴を兼ね備えているのがプロット入力&同時ターン制の良さであり,本作でもその醍醐味をたっぷりと味わえる。ターン制ストラテジーやRTSに慣れ親しんでいると,初めのうちは勝手の違いに戸惑うかもしれないが,何度か戦って負けるうちに,どう動けばいいのか分かるようになるはず。プロット入力&同時ターン制は未体験というストラテジーファンにもオススメの一本だ。本作の製品版は1470円(税込)にて発売中なので,興味を持った人はぜひどうぞ。
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