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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第278回「ソフトはハードを超えられない」
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印刷2014/05/08 18:30

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第278回「ソフトはハードを超えられない」

画像集#001のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第278回「ソフトはハードを超えられない」

著者近影
画像集#002のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第278回「ソフトはハードを超えられない」
 “クリームダウン”という現象をご存じかしら?
 これは熱い紅茶などが徐々に冷えていく過程で,白く濁ってしまう現象のこと。紅茶を飲む人なら,経験したことあるでしょ。これは,茶葉に含まれたタンニンという成分とカフェインが結合して,結晶化することが原因なんですって。成分や味には影響ないみたいなんだけど,見た目が悪くなるから,好まれる現象ではないのね。
 で,このクリームダウンを避けるにはどうすればいいかというと,氷などを入れればいいらしいのね。一気に冷やせば,結晶化する時間が減って濁りにくくなるんですって。また,砂糖を入れて飲む人であれば,熱いうちに砂糖を入れてしまえばタンニンとカフェインの結合を抑えることができるらしいわ。
 まとめると,紅茶を飲むときに白く濁った状態で飲みたくなければ,砂糖を入れてかき混ぜたあとに氷を入れれば良いという,そういう話ね。
 どうして突然,こんな話をしたかというと,今回の連載ではゴールデンウィークで東北巡業に出ていたりで,原稿を書いているのが掲載日の前日なわけ。これはもう,特定のゲイムについて語ることを諦めたほうが良いだろう,と。つまり今回は「お茶を濁しますよ」っていう,私からの遠回しのメッセージなわけね。あ,でも連載をクリームダウンしても成分に支障はないんでご心配なく。

 さて。今回は開き直って,ゲイムを通じて世の中に対して思っていることを,これ見よがしにブチ込んでいきましょうかね。いわゆる持論ってやつ。まあ,厳密には“ゲイムを通じて”ってわけじゃなくて,“ゲイムになぞらえて考えたら一番分かりやすい”って感じなんだけど。
 これすなわち“世の中,ソフトはハードを超えられない”という点について。どういうことかというと……まあ,そのまんまよね。ソフトはハードを超えられない。例えば,自分のことで考えてちょうだい。あなたは何に所属していますか? 会社でもいい,学校でもいい,なんなら家族でもいい。何らかのグループに所属しているでしょ? あなたはその枠を超えることが出来ないって話なのよ。
 ピンと来ない? なら,具体的に私の例で述べましょうか。私はプロレスラーです。で,DDTというプロレス団体に所属しています。この場合,DDTというプロレス団体がハード,男色ディーノというゲイレスラーがソフトです。私というソフトが優良でどれだけ有名になっても,プロレス活動においてDDTというハードを超えることはありません。
 このことを説明するのに一番例えやすいのが,ゲイムなのね。例えば,国民的ソフトがめちゃくちゃ売れたとしましょう。でも,基本的にハードの普及台数以上にそのソフトが売れることはない。ハードがないのにソフトだけ持っていても仕方がないでしょ? そういうことなの。ハードが分母でソフトが分子。もちろん,ソフトがハードを引っ張る,ということはあるわよ。ヤりたいゲイムがあるからハードごと買う。こういったケースもある。それでも,ソフトがハードを超えることはないわ。
 ここまではいいのよ。ゲイムで例えるとイメージしやすいから。でもね,問題は人間でもそうだってところ。さっきも例に出したけど,私というプロレスラーがソフトでDDTという団体がハード。この考え方を意識していない人が,案外多いんじゃないかと感じているのよ。
 もちろん,これはあくまで私の考え方だから絶対的に正しいと言い切れるわけではない。でも,私は世の中,この“ハード>ソフト論”で成り立っていると思っているわ。

 だから例えば,転職を考えている社会人は,一度,自分がソフトだと考えてみてはいかがかしら。あなたはどういったソフトですか?
 プロレスでいうとね,今までの歴史で団体から独立する人がすごく多かったの。で,新しい団体を立ち上げて,そこからまた人が独立して……の繰り返し。これも,要するにソフトが独立して自分というソフト専用のハードを新しく立ち上げたようなものなの。だから,プロレス団体は存続が難しいの。だって,独立したソフトありきのハードだから。
 まあ,プロレスは特殊な例だとも思うわ。選手がそのままソフトであり,商品だから。普通の会社って,社員というソフトを使って商品を作ったり売ったりするわけで,ソフトがそのまま商品ではない。ワンクッションはさんでるわけね。だから,自分が何をするソフトか,何ができるソフトなのかを自分で把握するところからが,ソフトとしての価値を上げるスタートなんじゃないかしら。
 就職や転職活動でもそうなんじゃないかって気がするのよ。自分がどういうソフトになれるのかをハードに説明する。そういう場なんじゃないかしら。私,あんまり就職活動ってしたことがないから分かんないけど。ちなみに,コーエーとテクモ,合併する前にそれぞれ受けてそれぞれ落ちたわ。後日,その2社が合併するという。

 ……話をソフト&ハード論に戻すけど,会社員は多かれ少なかれ自分が所属する会社に対する不満があると思うのよ。でも,よく考えてみて。ハードはハードの事情があるからね。ハードのシステムは変えられないのか。本当にあなたというソフトを生かせてないのか。一考の余地はあると思うの。
 まあ,辞めるときって単純に人間関係とか労働条件とかそういう理由もあるとは思うんだけど,それでもあなたはソフトなの。ソフトがあるからハードがあるわけではなく,ハードにとってのベストを第一に考える必要があるわ。あ,あくまで仕事の場合は,よ。人生,仕事だけではないからね。
 とはいえ,趣味にせよ何にせよ集団というものは存在して,集団がある以上はソフト&ハードで成り立っていると私は思ってるから,結局はこの論からは逃れられないんだけどね。
 例えばスポーツだってそう。劇団だってそう。コンサートだってそう。一人のために集団があるわけではない。個人種目でも同じ。自分を取り巻く環境は必ずあるでしょ? 仮に一人で全部をヤっているとしても,それはそれでハードとソフトが一緒になっているゲイムウォッチとかたまごっちのようなもの。その場合でも,ソフト=ハードなわけで,決してソフトがハードを超えることはないわ。だから,ソフトはハードを超えられない,という持論が揺らぐことはないってわけ。

 とまあ,ここまではソフトからの視点。一方,ハードにはハードとしての在り方というものがあるのね。例えば,私はゲイレスラーという,まあ言ってしまえば特殊なソフトなわけで,それを良しとしているDDTはなかなか幅の広いハードと言ってもいいんじゃないかしら。それは,ゲイレスラーに連載を持たせている4Gamerというハードにも同じことは言えるんだけど。
 ただしそれも,ハードがソフトを生かしているわけであって,ソフトそのものだけが優良なわけではない。小難しく言えば,ゲイレスラーというソフトを商品にするためのソフトもまた,私自身とは別の場所で機能している。そしてその作業もまた,まさしくハードの内部で行われているのよ。
 結局,お客さんに対して,魅力的な商品を作ることが会社の目的であり役割なわけね。そして,売るべき商品を作るのが社員という名のソフトで,ソフトが魅力的な商品を作る環境を整えるのがハードの正しいあり方だと私は思うの。
 ハードが拡大しないとソフトも充実しない。そして,ハードを拡大するためにはソフトが機能する必要がある。だから,優れたハードは,そのハードのコンセプトに合ったソフトを持っている,もしくはコンセプトに沿うようにソフトをうまく管理するの。ソフトはハードのためにハードの機能を利用し,ハードはソフトを生かすために性能を上げる。これがうまくかみ合う組織が理想なんじゃないかしらね。
 ソフトがソフトのことだけを考えてソフトのために勝手に暴走したり,ハードがハードの都合だけでソフトを酷使したりしていると,商品に不具合が生じる。そして,商売に重要な,顧客の信用を失う。結果,商品が売れなくなる。そうならないためにも“ソフトはハードを超えられない”ということを,ソフト側もハード側も認識しておくといいんじゃないかなーと私は思うわけであります。

 どうですか,この見事なお茶の濁しっぷりは。最終的には,ゲイムに関係あるようなないような。そこら辺の不透明感もまさにクリームダウン。でもまあ繰り返すけど,ソフトとハードの関係に関してはゲイムが一番スムーズにイメージできるわけで,実際私もゲイムをヤる立場じゃなかったらこのような考えに及んでなかったのは事実。
 そういう意味では,今回書き綴ってきたことは,ゲイムが私に教えてくれたことだと言っても,過言ではないわ。いやー,ゲイムって本当に素晴らしいですね。

 氷を入れて,砂糖も入れて,ヤったゲイムを紹介するような,シンプルで澄んだ通常営業のゲイムヒヒョーは,また来週から。ではまた!

今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「龍が如く 維新!
PlayStation 3:「魔都紅色幽撃隊
PlayStation Vita:「Winning Post 8
PSP:「サモンナイト5
Wii U:「The Wonderful 101
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
ニンテンドー3DS:「マリオゴルフ ワールドツアー
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
東北三連戦の疲れが抜けず,ぐったりしているディーノ選手。しかしこの週末も試合の予定はぎっしりです。まず明日(5月9日)は,DDTプロレスの新宿FACE大会「新宿May9ドラマ」に,5月11日には札幌テイセンホール大会「札幌ワンマッチスペシャル!〜風の巻〜」および「Road to Ryogoku in SAPPORO〜ドラマティック・ドリーム・時計台〜」に出場します。そして5月12日には,さざんぴあ博多 多目的ホールで開催される「プロレスショップ博多 赤の魂オープン二周年記念興行」にも出場予定。ちなみにこの連日の試合で負け越した場合,ディーノ選手は人間ドックに入るのだそうです。勝ち越しても行くべきだと思いますが。
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