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[BlizzCon 2008]伝統のゲームプレイを受け継ぐ「StarCraft II」インプレッション
さて,そんなStarCraft IIは,BlizzCon会場でも「Diablo III」や「World of Warcraft: Wrath of the Lich King」のデモに負けないくらいの大人気だった。前作は,韓国や東欧などで10年近く人気を持続しており,続編の登場が熱望されているが,アメリカ本土でも,楽しみに待っているプレイヤーは少なくないようだ。
今回会場で展示されていたデモ版では,Terrans,Zerg,Protossが使える対戦モード,Terransのシングルキャンペーンがプレイできたので,そのインプレッションをお伝えしよう。
Terransの主人公は,少し落ちぶれた感のあるジム・レイナー(右)。旧友タイカスやケリガンなど,今回はストーリーにからんでくるキャラクターは,各種族まんべんなく登場する |
レイナーはSarah Kerrigan(サラ・ケリガン)をZerg軍との戦いで失ったことを自戒しており,惑星Mar Saraの古ぼけた酒場に入り浸っている。そこへ,マリーンスーツに身を包んだ新キャラクターTychus Findlay(タイカス・フィンドレー)という旧友が登場し,Terran Dominionから異星人のアーティファクトを略奪するというフィンドレーの仕事に力を貸すことになるのだ。
今回,シングルプレイモードで遊べたのはほんの序盤だけだが,対戦モードと合わせたプレイフィールを率直に書くと,「前作そのまんま」という言葉になる。確かに,「Warcraft 3」エンジンの改良型と思われる3Dグラフィックスは非常に綺麗で,重さがまったく感じられないほどスムースに動作している。最近のRTSに多い,斬新なグラフィックスを前面に押し出す,という手法は取られていない。だが,その分多くのプレイヤーにも楽しんでもらおうという配慮が伺える。
セッションで公開されたStarCraft IIのマップ。ミッションは,比較的オープンエンドなタイプになるようだ |
StarCraft IIにおける生産と開発は,テックツリーではなく“テク・パーチェス”という新しいコンセプトになる |
もちろん「そのまんま」であることは悪いことではない。StarCraftは1998年にリリースされたときに,ユニット同士のバランスが評価された。RTSで対戦といえば,StarCraftが代表作になっているだけに,些細な変更をしただけで,古くからのファンには「悪変だ」と言われかねない。
実際のところ,筆者は「StarCraft: Brood War」がリリースされてからほとんど遊んでおらず,StarCraftに触れるのは本当に久しぶりだった。だが,3DグラフィックスのStarCraft IIをプレイしていても,2Dグラフィックス時代の記憶がダブってくるほどゲームプレイに差はなかったのだ。前作の戦術も通用するようで,筆者の覚えていた「Protossのキャリアー攻勢」という戦法を取り,隣のプレイヤーに数機のCarrierを突っ込ませて試したところ,あっさりと攻略に成功してしまったほどだ。
唯一,前作と変わっていると感じた部分は,グルーピングなどの操作感で,一度に多くのユニットを操作するのが快適になっていた。
このように,StarCraft IIのゲームプレイは悪く言えば,「変わり映えしない」なのだが,良い言い方で表現すると「昔ながらの絶妙の感覚」なのである。従来のStarCraftファン達は,大きな変化を求めていないだろうし,その意味でStarCraft IIは安定しているといえるだろう。ゲームプレイに関する部分に大きな変更を加えず,ムービーなどで新しさを発揮する,というBlizzard Entertainmentの選択は,そういう部分に根差していると考えるのが妥当だろう。
StarCraft IIを3分割する理由の一つに,「一つに詰め込むことで開発を延期したくない」というものがあった。つまり,分割は当初の発売予定日に合わせるための策でもあるのだ。少なくとも,最初にリリースされる「Terrans: Wings of Liberty」の開発は,順調に進んでいると考えていいだろう。綺麗なグラフィックスで大画面でもスムースに楽しめるStarCraftが,いよいよ遊べるときが来るのだ。
「StarCraft II」公式サイト
- 関連タイトル:
StarCraft II: Wings of Liberty
- 関連タイトル:
StarCraft II: Wings of Liberty
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(C)2007 Blizzard Entertainment. All rights reserved.
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