お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名

LINEで4Gamerアカウントを登録
Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2012/07/13 13:42

ニュース

Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け

 Microsoftが主催する,学生向け技術コンテスト「Imagine Cup(イマジンカップ) 2012」の世界大会が,オーストラリアのシドニーにて,2012年7月6日から12日にかけて開催された。

 今年で10年めの開催となる本コンテストは,全世界180か国/35万人(2011年大会時点)という規模の予選参加者の中から選ばれた学生達が,「想像しよう。地球規模の難題がテクノロジの力で解決される,そんな未来を(Imagine a world where technology helps solve the toughest problems.)」というテーマのもと,Microsoftの技術を使ったさまざまなソフトウェアやゲームによってアイデアや技術力を競い合うというものだ。ソリューションの優位性はもちろん,多国籍の審査員に向けた英語でのプレゼンテーションや質疑応答の内容,実機を使ったデモンストレーション,市場におけるビジネス展開の可能性なども審査対象となる。

会場には,報告会の当日朝方に帰国したばかりの日本代表3チームのメンバーが,報告会に向けて待機していた
画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け
 この大会において,日本代表の3チームが,各部門でトップ10以内に入る好成績を収め,そのうち東京工業高等専門学校のチーム「Coccolo(コッコロ)」が,ソフトウェアデザイン部門の出場72チーム中,第2位に輝いた。これは,日本の歴代代表チームの中で最高成績となる快挙だ。今回,12日に帰国した入賞チームのメンバーが,その足で東京の日本マイクロソフト本社に集合し,帰国後報告会を行った。

「Imagine Cup」(マイクロソフト アカデミック ポータル)


 会場ではまず,シドニーでの決勝大会の様子をまとめた10分ほどのダイジェスト映像が上映された。決勝大会では,数名の審査員の前で行うプレゼン/質疑応答や,ショーケースにおいての審査などが2日めから3日めにかけて行われ,最終的に6チームが決定。そして,4日めのファイナルラウンドにて,来場者に向けてのプレゼンテーションが行われ,順位が決定するのだ。ダイジェスト映像では,ファイナルラウンドに進出した各チームのソリューションなども紹介された。

「All Lights!〜可視光通信による省電力照明システム〜」/ Coccolo


画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け
ソフトウェアデザイン部門に出場したチーム「Coccolo」による「All Lights!〜可視光通信による省電力照明システム〜」。2011年より続く日本の電力不安を解消するために,日の当たる窓際やテレビ前といった照明が不要な明るいエリアを自動的に判断して明度を調整するLED照明機器群のソリューションだ
画像ギャラリー No.004のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け


「Bloom*Block」/Team Blossom


ゲームデザイン部門に出場した「Team Blossom」による「Bloom*Block」。これは,幼い世代に自然保護の大切さを教える環境教育を目指したゲームで,ステージ上に配置されたブロックを操作し,画面に花を咲かせていくことで自然を取り戻すという内容だ。本作の過去のバージョンがXbox LIVEのインディーズゲームとして配信されているので,知っている人もいるかもしれない
画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け

画像ギャラリー No.006のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け 画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け 画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け
画像ギャラリー No.009のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け 画像ギャラリー No.010のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け 画像ギャラリー No.011のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け


「BLUE FIELD」 / Esperanza


同じくゲームデザイン部門に出場したチーム「Esperanza」による「BLUE FIELD」。東北地方太平洋沖地震のがれき処理作業をモチーフにしたアクションRPGで,処理に携わるさまざまな役割のキャラクターを操作して作業の完遂を目指すという内容。世界の人に復興問題の重要さを伝えることを目的としている
画像ギャラリー No.012のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け

画像ギャラリー No.013のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け 画像ギャラリー No.014のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け 画像ギャラリー No.015のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け
画像ギャラリー No.016のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け 画像ギャラリー No.017のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け 画像ギャラリー No.018のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け

Coccoloのメンバーはファイナルラウンドで,ブースの一部をステージ上に持ち込んでプレゼンを行った。このプレゼンは最終審査に残った6チームの中で,会場から最も賞賛を受けたという
画像ギャラリー No.019のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け


 映像上映後,出場した日本代表のメンバーの紹介が行われた。
 まずはゲームデザイン部門に出場してトップ10入りを果たした,バンタンゲームアカデミーのチーム「Esperanza」。代表の前川佳嗣さんは,以下のようにコメントした。

左から,英語担当の野村俊太さん,プランナー兼アートディレクターの佐藤一美さん,プログラマーの前川佳嗣さん。チーム名の由来は,今回ゲームのテーマにした日本の復興における「希望」をスペイン語で表したもの
画像ギャラリー No.020のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け

 「今回私達はトップ10に入ることはできましたが,決勝ラウンドは逃してしまいました。ソリューション自体は世界に発表できるものでしたが,足らない部分もありました。ゲームの内容におけるユーザーインタフェースの部分をもう少し煮詰めないことには,世界に通用するゲームにはならないと思いました。それともう一つはプレゼンテーションです。Imagine Cupという場は世界中の社会問題に対するソリューションを発表する場ですので,プレゼンテーションを聞き終わった審査員や観客の方に感動や爽やかさが必要だったのではないかと思いました。その点で,Coccoloのみなさんの素晴らしいプレゼンテーションは,今後においてぜひ参考にさせていただきたいと思っています」

 彼らはこのImagine Cup予選開始の時点で,すでに学校を卒業して社会人になっていたとのことで,追い込みの部分で時間を作ることができなかったことが反省材料になってしまったとのことだ。


 次に紹介されたのは,Esperanzaと同じくゲームデザイン部門に出場し,日本代表としては6年ぶりとなるファイナルラウンド進出を果たし,トップ5に入賞した河合塾学園トライデントコンピュータ専門学校の「Team Blossom」だ。リーダーを務めた馬場翔太さんのコメントは,以下のとおり。

左から,デザイナーの野中志帆さん,内木穂乃香さん,リーダー兼プログラマーの馬場翔太さん。チーム名は,発表したゲームが“花を咲かせる”という内容なので,日本を代表する花である桜から名付けたとのこと
画像ギャラリー No.021のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け

 「Imagine Cupという大会は,テクノロジーを活用して社会問題を解決するというテーマがありますが,僕達はそのようなテーマでゲーム開発を行ったことがこれまでなかったので,かなり手探りで試行錯誤しながら,なんとか決勝まで進むことができました。今回僕達が開発したBloom*Blockというゲームは,子供達が楽しめるようにグラフィックスに力を入れ,開発時には幼稚園などでテストプレイを行いました。このようなゲームはこれまで大会に出ていなかったことが評価されて,トップ5に入賞させていただいたのだと僕らは感じています」


 最後に檀上に上がったのは,日本代表としては史上初の第2位という快挙を成し遂げた,東京工業高等専門学校のチーム「Coccolo」。現地映像の中でもとくに明るい振る舞いでプレゼンテーションをしていたリーダーの大川さんは,感極まりながら入賞への思いを語った。

左から,英語担当のTan Tun Jieさん,開発担当の田畑愛美さんと赤松駿一さん,リーダーの大川水緒さん。チーム名はかつて開発したソリューションに登場するキャラクター“心”とかけたコッコロという名前が由来とのことだ
画像ギャラリー No.022のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け

 「デモブースが大き過ぎて舞台に乗らなかったり,電源が舞台上で使用できないなど,世界大会ならではのトラブルを抱えながらも賞を獲れたのは,全員が自分の担当することをやり遂げるチームワークがあったからだと思います。あとはひたすらお祭りを楽しもう! という気持ちを最初からファイナルまで忘れないようにつとめました。唯一思うのは,このメンバーで出場するのは今回が最初で最後なので,もっと早い頃から臨めればさらによかったなとも思いました。もちろん1位が取れなかったのは残念でしたが,これ以上できないという最高のプレゼンができましたので,悔いはありません。楽しかったです。ありがとうございました!」


 さて,今回のImagine Cupには,Microsoftのテクノロジーや製品に感心のある学生向けのプログラム「Microsoft Student Partners(MSP)」より選抜された25名の学生による,MSP Social Media Teamのメンバーが現地に派遣され,会場から日本に向けて情報を発信した。報告会では,その中でもとくに際だっていた出場チームの様子が紹介された。

ポルトガル代表チームが発表したソリューション「wi-GO」。車いすのチームメンバーが,ショッピングセンターなどでカートを押すのが不便ということで開発した,Xbox 360のKinectを使って操作するカートだ
画像ギャラリー No.023のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け

Coccoloを抑えてソフトウェアデザイン部門で優勝したウクライナ代表のソリューション「Enable Talk」。これは,聴覚障害のあるアスリートがコミュニケーションを取るために,Windows 8とWindows Phoneを使って,手話を音声に変換するソリューションだ
画像ギャラリー No.024のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け

メトロスタイルアプリのチャレンジ部門に出場した韓国代表のソリューション「HAPENUT」は,栄養価の高いピーナッツを栽培するアプリ。メンバーが「飢えた子供が泥ダンゴを食べている写真」に衝撃を受け,飢餓をなくしたいという気持ちから開発されたのだという
画像ギャラリー No.025のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け


 続いて,本大会にソフトウェアデザイン部門の審査員として参加した,東京大学の中山浩太郎氏が登壇し,各種報告を行った。

東京大学 知の構造化センター 特任教授 中山浩太郎氏。かつてImagine Cupにも参加した,今回の出場者達の先輩でもある
画像ギャラリー No.026のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け
 「Imagine Cupは,毎年レベルが上がっていて,私が参加したときよりも参加国も増えています。とくに今年は,昨年までの組み込み開発部門がソフトウェアデザイン部門に統合されたこともあり,私がジャッジした中ではここ数年でも最も激しい戦いのように感じました。その中で,今回のCoccoloさんの2位という快挙は,言葉では伝えられないほどすごいことを達成されたと思います。
 またその快挙については,感謝の気持ちも大きいです。というのは,今回のCoccoloさんの活躍を見て,ほかの学生さん達が“彼らのようになりたい”とチャレンジしてくれると感じるからです。学生ではない私でさえも,もっといろんなことにチャレンジしたいなと思ったほどの,いろんな人にインパクトを与える結果でした。
 この快挙はぜひ次の世代へと伝えていただきたいですね。今回の授賞式でとくに存在感を出していたブラジルは,前に入賞したチームが次の世代をサポートすることを考えいます。今回の素晴らしい経験を次の世代の力に生かすことができれば,日本のITはもっと成長できると思います」



 最後にマイクロソフト ディベロップメントの加治佐俊一氏より,本大会の総評が行われた。

マイクロソフト ディベロップメント 代表取締役社長 兼 日本マイクロソフト 業務執行役員 最高技術責任者 加治佐俊一氏
画像ギャラリー No.027のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け
 「毎年競争が激しくなる大会で,素晴らしい成績を残したみなさんの活躍は,日本全体に希望や自信を与えてくれたのではないかと思います。Imagine Cupはビル・ゲイツが“テクノロジーで世界を変える”場を提供したものですが,スティーブ・バルマーは“そのためにはアイデア・パッション・ねばり強さという3つの要素が必要だ”と言っています。入賞したチームはそれらを実行するとともに,周りのサポートを上手く取り入れていたのが,見ていて非常に面白かったです。
 4月からの予選ラウンドで,研究者達からいろいろと言われてボロボロになりながら,それを上手く取り入れつつ,自分たちの良いところを壊さずに世界大会に反映させていて,勝ち上がっていくにつれて成長していくのが目に見えていました。これからもそういう面白い機会はたくさんあると思いますので,ぜひがんばっていただきたいですね。
 もちろんみなさんの戦いぶりを見て,奮い立っている若者はたくさんいますので,そういった人達を我々マイクロソフトも一緒になってサポートしたいと考えています」


 加治佐氏から日本代表チーム全員に感謝状が贈られ,今回の報告会は終了となった。来年の「Imagine Cup 2013」は,ロシアのサンクトペテルブルクにて開催が予定されている。

画像ギャラリー No.028のサムネイル画像 / Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け

「Imagine Cup」(マイクロソフト アカデミック ポータル)

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:12月13日〜12月14日