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Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2012」で,日本代表チームが日本歴代最高位の世界第2位に入賞。帰国後報告会の模様をお届け
今年で10年めの開催となる本コンテストは,全世界180か国/35万人(2011年大会時点)という規模の予選参加者の中から選ばれた学生達が,「想像しよう。地球規模の難題がテクノロジの力で解決される,そんな未来を(Imagine a world where technology helps solve the toughest problems.)」というテーマのもと,Microsoftの技術を使ったさまざまなソフトウェアやゲームによってアイデアや技術力を競い合うというものだ。ソリューションの優位性はもちろん,多国籍の審査員に向けた英語でのプレゼンテーションや質疑応答の内容,実機を使ったデモンストレーション,市場におけるビジネス展開の可能性なども審査対象となる。
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「Imagine Cup」(マイクロソフト アカデミック ポータル)
会場ではまず,シドニーでの決勝大会の様子をまとめた10分ほどのダイジェスト映像が上映された。決勝大会では,数名の審査員の前で行うプレゼン/質疑応答や,ショーケースにおいての審査などが2日めから3日めにかけて行われ,最終的に6チームが決定。そして,4日めのファイナルラウンドにて,来場者に向けてのプレゼンテーションが行われ,順位が決定するのだ。ダイジェスト映像では,ファイナルラウンドに進出した各チームのソリューションなども紹介された。
「All Lights!〜可視光通信による省電力照明システム〜」/ Coccolo
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「Bloom*Block」/Team Blossom
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「BLUE FIELD」 / Esperanza
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映像上映後,出場した日本代表のメンバーの紹介が行われた。
まずはゲームデザイン部門に出場してトップ10入りを果たした,バンタンゲームアカデミーのチーム「Esperanza」。代表の前川佳嗣さんは,以下のようにコメントした。
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「今回私達はトップ10に入ることはできましたが,決勝ラウンドは逃してしまいました。ソリューション自体は世界に発表できるものでしたが,足らない部分もありました。ゲームの内容におけるユーザーインタフェースの部分をもう少し煮詰めないことには,世界に通用するゲームにはならないと思いました。それともう一つはプレゼンテーションです。Imagine Cupという場は世界中の社会問題に対するソリューションを発表する場ですので,プレゼンテーションを聞き終わった審査員や観客の方に感動や爽やかさが必要だったのではないかと思いました。その点で,Coccoloのみなさんの素晴らしいプレゼンテーションは,今後においてぜひ参考にさせていただきたいと思っています」
彼らはこのImagine Cup予選開始の時点で,すでに学校を卒業して社会人になっていたとのことで,追い込みの部分で時間を作ることができなかったことが反省材料になってしまったとのことだ。
次に紹介されたのは,Esperanzaと同じくゲームデザイン部門に出場し,日本代表としては6年ぶりとなるファイナルラウンド進出を果たし,トップ5に入賞した河合塾学園トライデントコンピュータ専門学校の「Team Blossom」だ。リーダーを務めた馬場翔太さんのコメントは,以下のとおり。
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「Imagine Cupという大会は,テクノロジーを活用して社会問題を解決するというテーマがありますが,僕達はそのようなテーマでゲーム開発を行ったことがこれまでなかったので,かなり手探りで試行錯誤しながら,なんとか決勝まで進むことができました。今回僕達が開発したBloom*Blockというゲームは,子供達が楽しめるようにグラフィックスに力を入れ,開発時には幼稚園などでテストプレイを行いました。このようなゲームはこれまで大会に出ていなかったことが評価されて,トップ5に入賞させていただいたのだと僕らは感じています」
最後に檀上に上がったのは,日本代表としては史上初の第2位という快挙を成し遂げた,東京工業高等専門学校のチーム「Coccolo」。現地映像の中でもとくに明るい振る舞いでプレゼンテーションをしていたリーダーの大川さんは,感極まりながら入賞への思いを語った。
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「デモブースが大き過ぎて舞台に乗らなかったり,電源が舞台上で使用できないなど,世界大会ならではのトラブルを抱えながらも賞を獲れたのは,全員が自分の担当することをやり遂げるチームワークがあったからだと思います。あとはひたすらお祭りを楽しもう! という気持ちを最初からファイナルまで忘れないようにつとめました。唯一思うのは,このメンバーで出場するのは今回が最初で最後なので,もっと早い頃から臨めればさらによかったなとも思いました。もちろん1位が取れなかったのは残念でしたが,これ以上できないという最高のプレゼンができましたので,悔いはありません。楽しかったです。ありがとうございました!」
さて,今回のImagine Cupには,Microsoftのテクノロジーや製品に感心のある学生向けのプログラム「Microsoft Student Partners(MSP)」より選抜された25名の学生による,MSP Social Media Teamのメンバーが現地に派遣され,会場から日本に向けて情報を発信した。報告会では,その中でもとくに際だっていた出場チームの様子が紹介された。
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続いて,本大会にソフトウェアデザイン部門の審査員として参加した,東京大学の中山浩太郎氏が登壇し,各種報告を行った。
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またその快挙については,感謝の気持ちも大きいです。というのは,今回のCoccoloさんの活躍を見て,ほかの学生さん達が“彼らのようになりたい”とチャレンジしてくれると感じるからです。学生ではない私でさえも,もっといろんなことにチャレンジしたいなと思ったほどの,いろんな人にインパクトを与える結果でした。
この快挙はぜひ次の世代へと伝えていただきたいですね。今回の授賞式でとくに存在感を出していたブラジルは,前に入賞したチームが次の世代をサポートすることを考えいます。今回の素晴らしい経験を次の世代の力に生かすことができれば,日本のITはもっと成長できると思います」
最後にマイクロソフト ディベロップメントの加治佐俊一氏より,本大会の総評が行われた。
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4月からの予選ラウンドで,研究者達からいろいろと言われてボロボロになりながら,それを上手く取り入れつつ,自分たちの良いところを壊さずに世界大会に反映させていて,勝ち上がっていくにつれて成長していくのが目に見えていました。これからもそういう面白い機会はたくさんあると思いますので,ぜひがんばっていただきたいですね。
もちろんみなさんの戦いぶりを見て,奮い立っている若者はたくさんいますので,そういった人達を我々マイクロソフトも一緒になってサポートしたいと考えています」
加治佐氏から日本代表チーム全員に感謝状が贈られ,今回の報告会は終了となった。来年の「Imagine Cup 2013」は,ロシアのサンクトペテルブルクにて開催が予定されている。
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「Imagine Cup」(マイクロソフト アカデミック ポータル)
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