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[TAF2012]今年はアニメ映画隆盛の年? 「グスコーブドリの伝記」など,会場で見かけた注目作を中心にブースをレポート
本稿では,ブースで展開されている作品のなかで,とくに気になった新作を中心にレポートしていく。並べてみるとなかなか硬派な作品が集まったが,会場には現在放映されているテレビシリーズ関連の出展や,物販もあるので,そのあたりが目当ての人もご心配なく。
ただし,都条例の改正問題の影響で,出版社関連のキャラクターコンテンツはあまり出展されていない。その影響もあって,パブリックデー初日の一般来場者は3万1391人と前回比約62%に減少した(TAF2012実行委員会公式発表による)。
一方,ビジネスデーの来場者数は,初日が前回比94.85%,2日めが前回比88.92%とパブリックデーほどの落ち込みは見られなかった。TAFの海外戦略が功を奏してか海外からの来場者が初日で前回比約116%,2日めで前回比約141%と増加しているのが落ち込みを押さえた要因だが,一方で報道関係の来場者はビジネスデー2日間をとおして前回比40%前半程度と大きく減少している。
グスコーブドリの伝記
http://wwws.warnerbros.co.jp/budori/手塚プロダクションのブースで推されていたのは7月7日に全国ロードショーとなる映画「グスコーブドリの伝記」。宮沢賢治の原作を,「銀河鉄道の夜」(1985)のスタッフが80年の時を経て映画化する。
作品の舞台となる“イーハトーヴ”は,宮沢賢治が愛した故郷,岩手をエスペラント語風にした地名だという。ここで,冷害によって家族を失ったブドリが,生きるために働き,そして成長していく姿を描く。
LUPIN the Third 峰不二子という女
http://fujiko.tv/誕生から今年で41年めを迎える「ルパン三世」の新テレビシリーズ「LUPIN the Third 峰不二子という女」が,いよいよ4月に始まる。「ルパン三世PART III」から実に27年ぶりの新シリーズでは,ルパン史上初の女性監督山本沙代氏などが選んだ,エロスとハードに溢れた“キケン”な「ルパン三世」の世界が描かれるという。
シリーズ構成を務める岡田麿里氏といった近年活躍するスタッフが集まるのも,アニメファンには驚きがあるかもしれない。交代が話題となった浪川大輔さん(石川五ェ門)や沢城みゆきさん(峰不二子),山寺宏一さん(銭形警部)といった新規声優陣の活躍にも期待が集まる。
虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜
http://www.nijiirohotaru.com/東映アニメーションブースの中に印象的な特設コーナーができていたのが,5月19日に全国ロードショーとなる映画「虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜」だ。岩手県出身の小説家,森久 司氏の原作を,2006年までアニメ「ワンピース」のシリーズディレクターとして活躍した宇田鋼之助氏が監督となってアニメ化する。
日本の原風景ともいえるアニメーションならではの自然の描写,そして生き生きとした少年少女達を通して描かれる人と人の絆が,本作の大きな魅力だ。
コクリコ坂から/夜のとばりの物語
http://kokurikozaka.jp/index.html/http://www.ghibli-museum.jp/yorutoba/ジブリブースは正面で「コクリコ坂から」,側面で仏ミッシェル・オスロ監督の新作「夜のとばりの物語」を強く推している。これらの作品の紹介もあるが,ブースの中には,アカデミー賞短編アニメーション部門の受賞歴もあるアニメーション作家フレデリック・バック氏や,ディズニー・スタジオで活躍したアーティストメアリー・ブレア氏の作品展,そして歴代ジブリ作品の展示が行われている。
東北アニメ DE エール
TAF2012実行委員会による東日本大震災復興支援プロジェクトの特設ブース。TAF2012のテーマとなる震災復興支援を象徴するこのブースでは,アニメに関連する東北地方の展示物や,日本全国のアニメにゆかりのある施設の紹介が行われている。また,漫画家・石ノ森章太郎氏の協力を経て,漫画を街づくりに取り入れていた石巻の被害状況などを通して,震災の影響と復興に関する取り組みを伝えている。
AKB0048
http://akb0048.jp/4月29日よりTVKなどで放送される「AKB0048」が展示されているのはサテライトブース。現在放映中の「モーレツ宇宙海賊」などとともにブース内でプッシュされている。実は,筆者はここで初めてあらすじを目にしたのだが,“芸能禁止”の時代とか,未来の秋葉原とか,“非合法アイドル”とか,かなり気になるワードが飛び交っていた。ちなみに,あらすじは公式サイトでも確認できる。
そのほか
東京国際アニメフェア2012公式サイト
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