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ファイル共有ソフトによる違法アップロードに対し,ゲームメーカーから賠償請求
著作権法違反の取り締まりでは,検挙されると,まず刑事罰での訴訟が行われ,刑が確定すると民事での訴訟が行われる。刑事での罰金や懲役(種別によって異なるが10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金など)とは別に,著作権者に対しての損害賠償が必要となるわけだ。これはある意味普通の流れなのだが,今回,ことさらに発表が行われたのは,これまでは民事責任の追及までは行っていなかったということらしい。ファイル共有ソフトの使用者数などは減少傾向にあるものの,刑事罰だけでは抑制効果が薄いと見たメーカーが損害賠償請求に踏み切ったということのようだ。
今回損害賠償が行われたのが,どの案件かは不明だが,2010年度に発生したShareを使ったゲームソフト違法配信では,任天堂やコーエーテクモゲームスなどが被害を受けた事件があり,2009年度では「ドラゴンクエストIX」などを含む3社16タイトルのニンテンドーDSソフトを無断配信していた事件などがあったほか,何度か一斉取り締まりが行われており,ゲームソフト配信もいくつか検挙されている。不特定多数への配信とはいっても,配信数などは把握されているようで,例えば2009年のニンテンドーDSソフトの事件では,市場価格で1157万5600円相当のダウンロードが行われていたことが明らかになっており,損害賠償額も(この件について賠償請求ならば)それなりの額になるものと思われる。
最近ではファイル共有ソフトShare以外にもBitTorrent,MEGAUPLOADなどを使った事案での検挙も行われており,違法配信に対する取り締まりは厳しさを増している。くれぐれも違法配信に手を出さないようにしよう。
ACCS発表資料
http://www2.accsjp.or.jp/activities/2011/news12.php- この記事のURL: