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タケカワユキヒデ氏も登場! TANTRA正式サービスカンファレンス
2005/04/14 23:59
■TANTRAとA3に「フラグシップ」制作のシナリオイベントが

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントが国内展開するMMORPG「TANTRA」の「正式サービス開始プレスカンファレンス」が,本日(2005年4月14日)新宿で開催された。先刻「こちら」の記事で概要をお伝えした,正式サービスに伴う措置やその後の展開が,より詳しく語られると同時に,イメージソングを歌うタケカワユキヒデ氏も登場したカンファレンスの模様をお伝えしよう。

 会場となったのは,新宿は歌舞伎町にある「BUTTU TRICK-BAR 新宿」。インドモチーフの内装が凝らされ,座高(?)5mの大仏が鎮座ましましているという奇抜さで,つとに有名な店だ。大仏と"ガンダーラ"とTANTRA……取り合わせからしてベタベタな雰囲気の漂う催しではある。
 カンファレンスの冒頭ではガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長の森下一喜氏が登壇し,「ガンホーはデベロッパでもあるけれど,基本はパブリッシャ。リリースする作品1本1本を大切にしていきたい。昨年(2004年)12月にβテストを開始し,4か月が経過したTANTRAについては,企業理念である"挑戦と創造"に基づき,新しいスキームを導入します」と,本日の発表の口火を切った。



 次にマーケティング部第二企画グループ マネージャ 小島幸博氏が登壇,課金方法やガンホー内でのTANTRAの位置付け,今後の展望について説明した。「A3」関連のイベントでは,ときに奇抜な格好で来場者を驚かせる氏。「今日は仮装しておりませんが」と,それを逆手に取ったオープニングジョークを飛ばしつつ,本日の話題に入った。
 氏の説明によれば,TANTRAは「スタンダードでキャラクター性とコミュニケーションが特徴の「ラグナロクオンライン」,プレミアムサービスなど高級感と大人の雰囲気がウリの「A3」に続く,3本目のオンラインRPG」で,「プレミアムアイテムとオリエンタルな雰囲気,気軽・手軽でスピード感のある作品」と位置づけられる。そして,A3ともども今後は世界観を重視したイベントを展開していくという。

 その具体的な手段として今回明らかにされたのが,シナリオ制作/ゲーム企画会社フラグシップとのコラボレーションにより,A3とTANTRAで展開される新機軸のシナリオイベントである。フラグシップは,カプコンが1997年に設立し,コンシューマゲームの"バイオハザードシリーズ"や"鬼武者シリーズ"でなどのシナリオを手がけてきた会社だ。
 A3には,「A3ドラマティックレボリューション」と銘打って8本のシナリオが実装される。第1回イベントのタイトルは「悪魔に魅入られた子」,A3特有の"戦い"や"恐怖"をキーワードとしたシリアスな展開になるという。公開日は今のところ未定だ。
 同じくTANTRAでも「TANTRA 千夜一夜」と題して,第1回「戦乱の叙事詩「マハーバラタ」(仮)」を皮切りに8本のシナリオイベントが実装される。こちらは,TANTRAの持ち味である喜怒哀楽や,舞台劇さながらの長セリフを用いた"ラディカル"な展開(要するにマサラ映画風ということ?)にしていくという。こちらも公開時期は未定だが,続報を楽しみに待ちたいところだ。



■旅人はインドから日本へ。日本風マップ"Kathana III"

 引き続いてコンテンツ開発部第三開発グループ 田口敏之氏から,今後追加される「主神戦」や新マップの説明があった。すでにお伝えしたとおり,主神戦は宝玉「カーラ」の奪い合いになるのだが,スライドおよび説明によれば,カーラは持って運べるアイテムになっている。つまり,「Unreal Tournament」の"Bomming Run"のような,奪う,走る,奪い返すという感じの争いが,3陣営入り乱れて展開されるイメージのようだ。
 そして,全9個中5個のカーラを手にした陣営は,宙に浮かぶ「チャトランガ」に進める。チャトランガは5×5部屋で将棋盤のような構造になっており,各部屋には"神軍"や,王の居室を守る"玄武",そして見るからに強そうな"羅剛"(剛は当て字か。ラゴラ王阿修羅の意であろう)がいる。また,主神戦に敗れた陣営も,実は「数十分遅れでチャトランガに進入可能」なため,ここが「事実上,主神戦の決勝戦」(田口氏)になるという。

 前出の記事でちょっとだけ触れた,「流配地」での新クエスト,新マップ「始皇帝陵」,新システム"アシュラム戦"についても,スライドとともに説明が加えられた。
 まず,流配地での新クエストについては,5月に実装予定で「意外な人間関係が明らかになる,やり込み度の高い内容」(田口氏)になるとのこと。
 次に新マップの始皇帝陵について。これは名前からも分かるとおり中国風のマップ。絶大な権力を振るった「北斗星君」の地下墳墓という設定で,兵馬俑を思わせる石の兵士達が登場するという。対象となるキャラクターレベルは60以上,実装時期は6〜7月ごろの予定とのことだ。
 そして要塞戦だが,これはほかのゲームで言うところの"攻城戦"に該当し,アシュラム(ギルド)同士での争奪が行われる。インド,中国と来たところで,この要塞はペルシャ風のデザインになっており,独自のアイテムやそれを売る新デザインの販売NPCも登場するらしい。実装は8〜9月ごろが予定されているが,それと同時にアシュラム同士の同盟ルールも導入される。
 さらに先の話として,日本風マップのコードネーム"Kathana III"の話も飛び出した。秋から冬ごろの実装が計画されているとの話だったが,この計画の発表は本家韓国でもまだなされておらず,この場での説明が世界で初めての公表機会となったようだ。





 さて,これだけでもなかなかボリュームのある発表内容だが,さらにマーケティング部第二企画グループ 神埼 崇氏からは,TANTRAの今後のマーケティングプランの話があった。
 最初に出てきたのはアイテムの価格帯についてで,今回追加される40種類のアイテムは,「最低価格帯が20円,最高価格帯が2500円ほどになる予定」とのことだった。なお,個々のアイテムの価格については「現在Hanbitsoftと調整中のため,後日あらためて発表したい」という。
 その後しばし,「アシュラム紋章変更」「スキル・チャクラ初期化」,髪型や顔を変えられる「美容室」など主要なアイテムについての説明の後に,ネットカフェでのマーケティングとして"TANTRA神社移動説"なるプランが説明された。当サイトの「こちら」の記事でも紹介したTANTRA神社(実はガチャガチャ)だが,今後は「主神戦に合わせて,TANTRA神社があなたの街にやってくる」(神崎氏)とのことで,各地を巡回する予定らしい。

 さらにユニークなのがプレイチケットの形式だ。今回特別に計画されているのは,なんと「チケット付TANTRAカレー」。いや,インドだからってそこまで……という気もするが,正直これにはびっくりだ。ありきたりの表現で恐縮だが"よい意味での"ベタベタさと評すべきだろう。
 そして,同社の得意技であるキャンペーンガール戦術だが,今度はゲームに登場する(というか,プロモーションでも多用されている)部族「ラクシャサ」の服装をした"ラクシャサガール"がプロデュースされるという。まあ,ここはある意味予測の範疇である。



■ゴダイゴ最大のヒット曲が意外な形で復活

 さて,ゲームに関するひととおりの発表が終わった後は,いよいよタケカワユキヒデ氏の登場だ。「ガンダーラ」がTANTRAのイメージソングに,そして,「ガンダーラ 〜TANTRAバージョン」の制作が開始されるという話題については先刻の記事を見ていただくとして,壇上における神崎氏とのトークで語られた内容を,かいつまんで紹介しよう。

 壇上に現れるや,発表会中のプレス陣の神妙な表情を評して,「みなさん,クスリともしないんですね(笑)」と,軽妙な切り出しで語り始めるタケカワ氏。神崎氏が「開発の田口と打ち合わせたときに,イメージソングはガンダーラしかないと思いました」と水を向ければ,タケカワ氏は「僕もTANTARAしかないと思ってました」と,またも軽やかなトークで返す。
 そして,「昨今,宇宙や鉄道の話題では"銀河鉄道999",子供の話では"Beautiful Name",サルが出てくるたびに"Monky Magic"が使われるのは嬉しい話ですが,最大のヒット曲ガンダーラだけは使いどころがなかった」「テレビシリーズ"西遊記"のテーマ曲としては,違う主題の曲を4本作ったのですが,ガンダーラは旅の歌でもあり,この作品にピッタリですね」と,言われてみれば確かになるほどと思わせるトークを展開した。
 司会者が振った「TANTRAを実際にプレイしましたか?」という質問には,「ガンホーまで行ってやらせていただきました」「すぐ死んじゃうんだけど,面白い」との回答。どうも,ガンホー内部の人と一緒に,普通のプレイヤーとして参加したらしいのだが,裸同然のタケカワ氏のキャラを見て,ほかのプレイヤーが服をくれたり,キー操作をレクチャーしてくれたりしたのが面白かったとのこと。まあ,その人について行った先がけっこうな難所で,"すぐ死んじゃう"ことになったらしいのだが。そのプレイヤーも,まさか今話してる相手がタケカワユキヒデだとは,夢にも思わなかったに違いない。
 そして本日の発表内容,とくにインドから出て日本に到る展開については,タケカワ氏も「でかいっすねー」と感心することしきりだった。

 さて,「ガンダーラ 〜TANTRAバージョン」に関連して,会場でタケカワ氏の口から出た話題を。もともとのガンダーラについては「歌い方はオリエンタルだが,サウンドとしてはカリフォルニア,もしくはロス風だった」そうで,「今度はもうちょっとオリエンタルに,東洋の音程楽器一つとパーカッションを組み合わせる予定」とのことだった。そして「日本語版,英語版はもともと作る予定でしたが,T's COMPANY版として,娘がボーカルを担当するバージョンも作っちゃおうか」と,TANTRAのプレイヤーおよびタケカワ氏のファンには楽しみな発言も飛び出した。

 正式サービスの日程も固まって,にわかに活気を帯びてきたTANTRAの話題だが,さすがはガンホー,相変わらず飛び道具込みのプロモーションに抜かりはない。あとはそれに見合う形で,本日発表された数々のアップグレード内容が順調に実装されていくことを願ってやまない。(text by Guevarista,Photo by kiki)

「TANTRA」
 →公式サイトは「こちら」
 →紹介ページは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.04/20050414235905detail.html