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「なつゲー」,高橋名人を招いて初のオフラインイベント
2005/04/05 23:44
 先日「こちら」に記事を掲載した「プロジェクトEGG」の事業譲渡発表に続き,2005年4月2日の14時からNecca秋葉原店にて,「なつゲー」初のプライベートイベント「なつゲー感謝祭Featuring 高橋名人」が開催された。映画上映ならびにハイスコア競争,そして高橋名人のトークが魅力の催しだったが,当日の様子をお伝えしよう。
 本イベントのまさに中核となる高橋名人は,開会の挨拶もそこそこに登場し,一通りの紹介が行われた。本名は高橋利幸,1957年5月23日生まれ,1982年8月にハドソン入社……といった基本プロフィールから,1986年ごろをピークとするテレビ番組/映画の出演履歴が読み上げられ,合間では本人によるエピソード解説が入る。
 いわく,「趣味のバイクツーリングは,危険だからということで会社から禁止令が出た」「週末はイベントで忙しかったため,休みは毎週水曜日,それも"おはようスタジオ"の収録を終えて,朝食を済ませてから休みに入った」「休みはもっぱら東京ディズニーランドで過ごし,年に50回以上足を運んだため,攻略本が書けそうなほど詳しくなった」といった具合だ。

 ややベタ気味のトークが一段落したところで,本日の目玉の一つ,映画「GAME KING 高橋名人 vs. 毛利名人 激突!大決戦」の上映が始まる。当初サウンドケーブルが接続されておらず,上映を開始したものの音声が出ないなどというハプニングも生じたが,その間を難なくもたせる高橋名人のトークは,さすがにエンドユーザーイベントのベテランという貫禄を見せた。

 撮影禁止だったため映像をお見せできないのが残念だが,この作品は当時27歳の"野生児"高橋名人に,若干19歳の"天才"毛利(公信)名人が「スターソルジャー」で挑むという仕立ての子供向け映画だ。冒頭の特訓(!)シーンでは,高橋名人が丸太切りロッククライミング,果ては指でスイカを割るという離れ業(いや,もちろん演出だが)を見せる。いっぽう毛利名人はスポーツジムでのバタフライや自転車漕ぎなどクールなトレーニングが中心となるものの,いずれにせよシューティングゲームとどんな関わりがあるやら
 試合は5ラウンドにわたる時間制限つきハイスコア勝負で,スクリーンには両名人のプレイを見せる画面が並び,競馬やプロレスのように,「終わりなき悪夢」やら「爽やかでさえあるではないか」やらといった,大げさなフレーズを多用した実況音声が入る。
 ちなみにラウンドごとの勝敗数は,3対2で毛利名人の勝ち。いっぽう累計得点は高橋名人の勝ちという,まことにお約束の展開。高橋名人いわく「いやー大人の結末でしたね」だそうだ。
 上映終了後,高橋名人は当時を振り返って,「一発撮りの3日前にマスター版を渡された」「この撮影中に明らかになったバグは製品ではもちろんきちんと修正された」「プレイは真剣勝負だったが,撮影現場では相手のプレイはいっさい見えず,実況で言われている駆け引きはさすがにフィクション」などと,撮影時のエピソードを披露した。



 その後フリープレイ/休憩の時間を挟んで,イベントの後半はスターソルジャーを使ったゲームイベント「プチキャラバン」。これは,当時ハドソンが全国を縦断して開催していたキャラバンイベントの決勝戦を模したもので,5分間でどれだけのスコアが出せるかを競うというもの。フリープレイの間に配布された整理券に従って8人ずつ2回行われ,それぞれの回のベスト3には高橋名人のサイン入り色紙が贈られる。
 連射機能なしのゲームパッドが足りない,5分以内にゲームオーバーになったときの対応を決めていないなど,手作りイベントらしいハプニングを挟みつつも無事2回を終え,入賞者はそれぞれ壇上に呼ばれて年齢やゲーム歴についての簡単なやりとりの後,色紙を受け取った。入賞者は,また,来場者(24席)全体でもそう見えたが,20代後半がメインであり,ごく少人数20代前半を含むという感じだった。つまり,高橋名人が最も活躍していた時期に小学生だったという,まさにファミコン世代だ。

 イベントの最後に告知があり,高橋名人が名人に就任(?)して20周年に当たる今年,鹿児島から大阪へと各地を回ってディナーショウを開く予定であるとのお知らせが。それはそれでなかなかいい話だが,我々PCゲーマーの直接関係する「なつゲー」の今後についても,告知がなされた。
 3月末にβテストに追加された「究極ハリキリ甲子園」に続く次の一手は,「いっき」の協力プレイモードと「10ヤードファイト」の対戦プレイモードで,どちらも4月中旬ごろにβテストに入る予定だという。
 会場で確認したところによれば,ユーザー登録数が15万人を突破し,「今後,月に2〜3タイトルを追加していく予定」(ガイアックス コミュニティ事業部 須佐宇司氏)も立っているというなつゲー。高橋名人による"試技"が見られなかったのは少々残念だが,そもそもこのイベント自体,なつゲーの掲示板に寄せられた意見を汲む形で開催に漕ぎ着けたものだという。
 そうした意味ではなつゲーが,レトロゲーム+コミュニティという特質を生かした企画に邁進していることを,明確にアピールしたイベントだったといえよう。(Guevarista)

「なつゲー」
 →公式サイトは「こちら」
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http://www.4gamer.net/news/history/2005.04/20050405234423detail.html