ニュース
[GDC#06]アラード氏の基調講演で公表された次世代Xboxの新事実
2005/03/10 22:05
りMicrosoft社のチーフXNAアーキテクト,ジェイ・アラード氏
■Xbox 2が求める"HDの時代"

 Microsoft社のチーフXNAアーキテクト兼コーポレイト副社長ジェイ・アラード(J Allard)氏は,「Vision the Future of Games:Unlocking the Opportunity」(ゲームの未来を予測:チャンスのロックを解除する)と題して基調講演を行った。未来の予測とはいえ,非常に近いうちに発表されるはずの次世代ゲーム機「Xbox 2」のことを示唆しているのは,誰の目にも明らかだろう。

 アラード氏が持ち出してきた標語は,「The HD Era」(HDの時代)というもの。HDは,Xbox 2で標準装備されるはずの16対9に合わせた高解像度画像のことと思いきや,どうやらそれだけではないようだ。アラード氏は,「"HDの時代"には,プラットフォームがプロセッサよりも大きな存在となります。新しい技術とコンシューマの力が一緒になり,我々がよく知っている古い体質のゲーム業界を揺るがせ,大変革をもたらすようなゲーム開発のスター達が登場することになります」と語る。そのうえで,「オンラインは贅沢品ではなく必需品」「ワイヤレス」「マルチプラットフォーム」「パーソナルエンターテイメント」「ディスクとオンデマンド(販売)」,そして「コミュニティの形成」といった次世代機の特徴を述べた。
メディアプレイヤーを基にしたと思われるXbox Guideの基本スタイル
■Xbox 2のオンラインモードを特徴付ける新型UI機能

 これらの発表上でお披露目されたのが,次世代Xbox Live!におけるさまざまなUI(ユーザーインタフェース)機能「Xbox Guide」の存在である。
 Xbox Guideの一つは,「ゲームカード」という新しいコンセプト。これは,Xbox Live!をプレイするうえで必要となるオンライン名刺,もしくはベースボールカードのようなもので,プレイヤーのハンドル名やゲームプレイのプロフィールといった情報が用意される。インストールされているソフトのリストや,個々のオンラインゲームの対戦成績,そして五つ星で表された熟練度のレベルなどが表示されるようになっていて,写真(もしくはキャラクター画像)もアップすることができるようだ。これで同じレベルの対戦相手も見つけやすくなるだろうし,よりパーソナライズされたゲームが楽しめるのである。

 そして,「マーケットプレイス」機能は,ゲームで使用できるアイテムやマップなどのコンテンツを実際に購入できるというシステムのことらしい。レーシングゲームの場合なら,スキンテクスチャはもちろんのこと,タイヤからマフラーまでのパーツを,「マイクロ・トランスアクション」という仕組みで,99セントから数ドル程度で購入可能となる。

左上のブロックがGameCardにあたる部分。プレイヤーのプロファイルをこのように公開する


 また,「カスタム・プレイリスト」は,ゲームで音楽をライセンスしなくても,プレイヤー自身が好きな曲を自由に聞けるような,オンラインのジュークボックスともいえる機能となる。

 今回のデモでは,これら新しいUI機能は現行バージョンのXbox Live!に上乗せされる形で紹介されたものの,Xbox Guideの可能性を知るには十分なものだっただろう。Xbox Live!は,現在でも月に15%という勢いで利用者が増えているということで,Microsoftは次世代Xboxでのコンシューマ向けサービスの進化を計っている。今後もコンシューマ機におけるオンラインゲームの拡充は止まりそうにない。



■Xbox 2の正式発表はE3で!

 気になるXbox 2のハードウェアだが,アラード氏は「今日は何も見せないよ。E3までのお楽しみさ」と,何かしらの公開を期待していた観客に水を差したが,とりあえず「2005年5月」には,大々的に発表されるのは間違いなさそうだ。プロトタイプは,すでに3年前からMicrosoft,IBM,ATIの3社合わせて技術者約1000人という態勢で洗練させてきたとアラード氏は語る。すでに3000個の開発キットを各開発会社に発送しているそうで,多くのサポートを得ているようだ。
 開発の流れやマネージメントを簡単に処理できる「XNA Studio」は,2006年3月の配付を目標にしているという。


■Xbox 2をサポートする開発者

 "HDの時代のソフトに期待する"という,ビデオで登場した開発者の中に,ウィル・ライト氏の顔があったのは印象的。ほかにも,Blizzard Entertainment社も参入するものと思われる

 それ以上に興味深いのが,映画「エイリアン」「ターミネーター」「タイタニック」などでお馴染みのジェームス・キャメロン監督が登場していたことだ。彼は,ビデオのコメントの中で「私の次のプロジェクトについて少しだけお話ししますと,モーションピクチャーとメジャーゲームの開発を同時に行い,それぞれが同じ世界で同じキャラクターを共有できるようなものに仕立てたい」と語っている。「プレイヤーがゲーム世界に入っていくと,映像を見ているほかの人の知るところとなる……。いま我々がやっているクールなことを全部明かしたくないので,今日はここでやめておきますね」と続ける。これまでのゲームの定義をまったく変えてしまうような,そんな空想がかき立てられるコメントだった。

 アラード氏は,HDの時代にはゲームの市場がメインストリームに確実に浸透し,「2000万本を販売するプラチナソフトの誕生も夢ではない」と話す。ゲームが我々の生活の一部となる時代は,果たして本当にやってくるのだろうか?(奥谷海人)

「GDC 2005」
 →記事一覧は「こちら」
 →公式サイトは「こちら」


【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.03/20050310220533detail.html