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5分で覚えて一晩遊べる。麻雀の読み合いが凝縮された新作テーブルゲーム「すずめ雀」を体験してきた
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印刷2018/05/02 12:00

プレイレポート

5分で覚えて一晩遊べる。麻雀の読み合いが凝縮された新作テーブルゲーム「すずめ雀」を体験してきた

 アナログゲームの製作販売を行うすごろくやは,新作テーブルゲーム「すずめ雀」を2018年5月5日に発売する。それに先立って,すずめ雀を先行体験できるメディア向け体験会が,ゲームスペース「す箱」にて実施された。

 今回の体験会には本作の開発者である,丸田康司氏篠崎高広氏が登場。本稿では,主題である“ミニマル麻雀”こと「すずめ雀」のゲーム内容を紹介しつつ,両氏によって語られた開発裏話の内容をお伝えしていく。

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会場となったボードゲームスペース「す箱」
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すずめ雀:対象年齢6歳〜, プレイ人数2〜5人, 所要時間30〜40分

 さて,読者の皆さんは「麻雀」というゲームにどういった印象をお持ちだろうか。現在でも多くのファンを持ち,それを題材にした漫画やゲームも多数存在する麻雀は,国内において囲碁や将棋に次ぐ知名度を持つテーブルゲームと言えるだろう。

 しかし,そのルールはほかのテーブルゲームと比較して難解な部類に入る。華麗に牌を操るキャラクターにあこがれてルールを読んだものの,大量の役と専門用語の前に挫折した人は少なくないだろう。……何を隠そう,筆者もそのクチだ。

 本作「すずめ雀」は,そんな麻雀の難しい部分を綺麗に削ぎ落とし,役を作り上げる喜びと,捨て牌を選ぶ読み合いを抽出した作品だという。果たして本作は,いかにして麻雀の“ミニマル化”を果たしているのだろうか。

ゲームルールの解説は,すごろくや代表取締役の丸田康司氏が担当
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 さっそくルールを解説していこう。ゲームの目的は麻雀と同じで,牌を引いたり捨てたりしながら役を作って得点を獲得していくことになる。すべてのプレイヤーが親(最初の手番を行うプレイヤー)を4回経たのち,もっとも得点の多いプレイヤーが勝利する。ちなみにプレイ人数は2人〜5人だ。

 麻雀との大きな違いは,役作りをする手牌の数である。14枚の手牌で役を作る麻雀に対し,この「すずめ雀」で使う手牌はたったの5枚。これに,手番ごとに1枚ずつ引ける牌や,ほかのプレイヤーが捨てた牌1枚を加え,3枚2組の役を完成させればアガリ(相手の捨てた牌を使った場合は「ロン」)を宣言して得点を得られる。

 また,通常の麻雀にある「ポン」「チー」「カン」「リーチ」といったルールは存在しない。残り最後の1枚でアガリ,という段階までは手牌の中で役を作ることだけに集中する。

手牌はたったの5枚。手番ごとに牌を1枚引き,1枚を捨てる流れを繰り返しながら役を完成させていく。役の完成まで残り1枚になったら,ほかのプレイヤーが捨てた牌を利用してロンを宣言できる
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プレイヤーの初期所持得点は50点。自分で引いた牌でアガリを迎えたときは,各プレイヤーから得点を人数で割った数(端数切り上げ)を受け取り,捨て牌を利用(ロン)した場合は牌を捨てたプレイヤーから得点を受け取る。なお,複数プレイヤーから同時にロンされたときは,牌を捨てたプレイヤーが両方の得点を支払わなければならない
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それぞれの牌には“赤牌”と呼ばれる赤一色で塗られた牌も存在し,こちらは役完成時に持っているだけで追加の1点として計算される(字牌の「中」は赤牌としてカウントされる)
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現在のゲーム進行状況を表示するタイル。「東」から始まり,手番が一周するごとに方角を切り替える。「北」の表示で全員の手番が終わったらゲーム終了だ
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 牌の種類も非常に少なく,竹の本数で1〜9の数字を表す“索子(ソーズ)”と,文字が書かれた2種類の字牌(中,發)の合計11種類しか存在しないため,役を作るのはかなり簡単だ。役自体の種類も麻雀に比べて少なく,点数も(役満以外は)1ケタの足し算で済む。以下に役と点数に関するルールをまとめたので,参考にしてほしい。

●アガリのルール
 ツモ牌を含めた6枚の手牌の中で「必須役」を2枚作り,その上でボーナス役などを含めた合計点数が5以上でなければアガリを宣言できない。ほかのプレイヤーが捨てた牌を使えるのは“その牌を使えばアガリになるとき”だけ。

●必須役:必ず2組作らなければいけない役
名前 役の作り方 点数
連番 3枚の牌が連番になっている 1点
同じ 同じ牌を3枚持っている 2点

●ボーナス役:追加得点が得られる役
名前 役の作り方 点数
赤牌 赤牌を含む 各1点
ドラ 「宝牌」の表示牌を含む 各1点
タンヤオ 2〜8の牌だけで構成されている 1点
チャンタ 1,9,字牌が3枚セットの両方に含まれている 2点
※役満と併用不可,同時に発生した場合は役満が優先される

●役満:条件が厳しい高得点役
名前 役の作り方 点数
オールグリーン 緑色の牌だけで構成されている 10点
チンヤオ 1,9,字牌のみで構成されている 15点
スーパーレッド 赤牌だけで構成されている 20点
※ボーナス役と併用不可,同時に発生した場合は役満が優先される

●特殊:親ボーナス +2点
 親(最初に牌を引くプレイヤー)がアガリに成功した場合,ボーナス得点として2点が与えられる。この2点はアガリ後に計算されるため,アガリの条件である「5点以上」の計算に含むことができない。麻雀とは異なり,親ボーナスを得た場合も親は通常通り移動する


ゲーム開始前に,親を示すタイルの上にランダムな牌を1つ表示する。この牌は「ドラ」と呼ばれ,ドラのと同じ牌は1枚持っているだけで1点として計算され,画像の場合は「發」1枚ごとに1点となる
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 注意点として,ほかのプレイヤーが捨てた牌を使えば役を完成させられる場合でも,その牌を自分が捨てていた場合はアガリを宣言できない。この点は通常の麻雀と同様だが,それ以上の制限は存在しないのでご安心を。


厳選された牌による見通しの良い情報と「アガリ5点以上縛り」が熱い読み合いを生み出す


 本作のポスターに書かれた謳い文句“説明5分”の通り,ほんの数分の説明ですぐに実プレイが始まった。正直なところ「これで麻雀が成立するのか」と思いながらのゲームスタートとなったわけだが,その考えはすぐに覆されることになる。

すべての牌は卓の中央で混ぜられ,そこから牌を引く形になる。整列させて山を作る必要はなく,どこから取ってもOKだ
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 必須役の2セットはほんの数手番でパパッと完成するのだが,ここで「役の合計点数が5以上」というアガリ条件が効いてくる。例えば,3枚の連番を2セット揃えたとしても,ボーナス役がなければ合計点数は2点なのでアガリを宣言できない。
 すると,手近な基本役を切り崩してドラを探してみたり,赤牌を中心に牌の並びを変えてみたりと,いろいろと工夫をする必要が出てくる。そうこうしていると手番が進み,ほかのプレイヤーの動向が見えてくるのだ。

例えばこの写真の場合,手前の筆者は誰かが「2」の牌を捨てればアガリとなる。しかし,筆者は赤牌も含めて「9,6,5」の牌を捨てており,一度も捨てていない4以下の数字は周囲に警戒されてしまっている。この「あと一歩」が思うように進まないのだ
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 また,2種類の字牌「中」と「發」もゲームに深みを与えている。字牌には数字が存在せず,同じ字牌を3つ揃えなければ基本役が完成しないのだが,これらの牌は役満につながるカギとして機能している。
 序盤に字牌を捨てていない場合,中盤以降に字牌を捨てる緊張感は相当なものだ。単に高得点を狙うだけでなく,意図して字牌を手元に残すことで相手にプレッシャーをかけるなど,ピーキーながら使い道の多い牌と言えるだろう。

 本作では使用する牌の種類が非常に少ないため,こうした“読み”の見通しが良くなるように設計されている。その結果として,序盤から熱い読み合いが展開されるのだ。

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 ゲーム全体のテンポも良く,勝とうが負けようがすぐ次が始まるのも嬉しいところ。残念ながら今回の体験プレイはゲーム中に時間切れとなってしまったが,時間があったら誰かが「もう1回やりましょう」と言い出していたに違いない。

 要素が大幅に絞られている本作だが,麻雀で得られる面白い部分はキッチリと残されている。「麻雀を遊んでみたいけど難しそう」という人は,まず「すずめ雀」から挑戦してみよう。

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 実プレイの後には,丸田康司氏と篠崎高広氏による開発裏話も語られた。

 丸田氏によると,2014年ごろに篠崎氏が索子(竹で数字を表す牌)に焦点をあてたカードゲーム「SUPER ALL GREEN」をすごろくやに商材として持ち込み,改良を重ねて「ALL GREEN」として発売したのが本作を制作するきっかけになったそうだ。
 その後,丸田氏の提案によって“牌ベース版 ALL GREEN”の製作プロジェクトがスタートし,2年の歳月をかけて製作されたのが本作「すずめ雀」だという。

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すごろくや代表取締役の丸田康司氏
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ボードゲーム制作スタジオ「しのうじょう」の代表,篠崎高広氏

篠崎氏は以前にも,ヤオ九牌(1,9,字牌)のみで構成された麻雀カードゲーム「ヤオチュー!」や,ダイス麻雀ゲーム「菊花賽」など,麻雀をテーマにしたカードゲームを複数リリースしている
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 開発の初期段階ではプレイヤーが持つ牌の数が現在より1枚少なく,必須役1組+アタマ(同じ牌2枚)の構成でアガリが可能になる仕組みだったほか,現在のようなアガリ条件(5点縛り)も存在せず,現在よりもシンプルな構造だったようだ。

 丸田氏はこういった調整に関して「ゲームとしてのシンプルさと,麻雀としての読み合い要素のバランス取りは一番悩んだ部分です」とコメント。より複雑な要素の追加に関しては「夜通し遊べる考え甲斐のあるゲーム」として完成させるため,慎重に検討を重ねて取捨選択されたものだという。

手牌の数が増えた後は,色々な役の実装が検討されていたようだ
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 トークに続いて,今後の展開についても少し語られた。本作は5月5日,6日に行われるアナログゲーム販売イベント「ゲームマーケット2018春」にて販売が開始されるが,イベント販売時にはショッパーが数量限定でプレゼントされる。確実に手に入れたい人は,早めにブースに足を運ぼう。

 それに加えて,カラーユニバーサルデザイン(色覚障害者向けカラー)を採用した「すずめ雀」用シールの発売情報も明らかにされた。ゲームプレイに必要な人はもちろん,ゲーム会に本作を持ち込む予定のある人は,こういった商品もチェックしておこう。

カラーユニバーサルデザインを採用した「すずめ雀」用シール
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ゲームマーケット2018春で配られる「すずめ雀」限定ショッパー
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 本作の発売後には,日本各地のゲームショップやゲームカフェなどに試遊用のサンプル品が配布される。配布店舗は後日公開されるので,実際にプレイしてみてから購入を決めたい人は,こちらを活用するのがオススメだ。

 さらに,今後は配布したゲームを活用した店舗大会や,各店舗の優勝者を集めた「すずめ雀全国大会」なども実施予定とのこと。腕に覚えのある人は,すごろくやの公式Twitterなどをチェックしつつ,今後の発表を待とう。

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すごろくや 公式サイト


すごろくや「すずめ雀」紹介ページ

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