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Nintendo Switchが大賞/総務大臣賞,ドラゴンクエストシリーズが功労賞を受賞した第23回AMDアワード授賞式をレポート
AMDアワードは,デジタルコンテンツを日本のコンテンツ産業発展の中核的存在として捉え,制作者の立場から,デジタルメディアの質的向上ならびに人材育成を目的として制定されたもの。
今回は,2017年1月1日から12月31日の間に,日本国内で発売/発表されたデジタルコンテンツおよびサービスの中から,「大賞/総務大臣賞」「AMD 理事長賞」「年間コンテンツ賞『優秀賞』」「20周年記念特別賞」「20周年記念ソーシャルインパクト賞」「江並直美賞(新人賞)」「リージョナル賞」「先端科学技術賞」「功労賞」の受賞作品/受賞者が選出された。
このうち,「大賞/総務大臣賞」「AMD 理事長賞」以外の受賞作品/受賞者は3月1日に発表されている。詳細は以下のリンクにあるとおりだ。
デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー‘17/第23回AMDアワード
年間コンテンツ賞「優秀賞」の授賞作品10作品が決定(PDFファイル)
今回,大賞/総務大臣賞を獲得したのは,Nintendo Switchだ。Nintendo Switch総合プロデューサーの小泉歓晃氏は,Nintendo Switchについて「人々の生活が多様化し,忙しくなった世の中でゲーム機はどうあるべきか,我々は何を変えられるのかを考えた」とし,「24時間,いつでもどこでも誰とでも,というテーマでやってきたが,この1年で非常に多くの方に受け入れていただけた」と語った。
また任天堂 取締役常務執行役員 企画制作本部長 高橋伸也氏は,Nintendo SwitchのJoy-Conに言及し,「用意したギミックをどう生かすか,社内のソフトチームとハードチームが共同で考えた。これこそが任天堂の強みであり,皆さんに喜んでいただけた大きな理由の一つだと思います」と分析していた。
大賞/総務大臣賞の表彰のために登壇した野田聖子総務大臣は,Nintendo Switchについて「家庭用ゲーム機でありながら,タブレット端末のように携帯できるため,プレイする場所やプレイスタイルの幅を広げ,いつでもどこでも楽しめるハードとして新たなゲーム体験を提供するもの」と評した。
さらに子ども達の創意工夫を刺激する「Nintendo Labo」にも言及し,「今後IoTやAIの活用が日常において当り前になる時代には,創意工夫によって育まれる想像力や論理的思考が重要になる。総務省も文部科学省と連携し,プログラミング教育を推進し,IoT/AI時代に活躍する人材を育成していきたい」と語った。
功労賞には,スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」シリーズが選出された。登壇した「ドラゴンクエスト」の生みの親・堀井雄二氏は,「『ドラゴンクエストIII』で社会現象と呼ばれるまでになり,その次,そのまた次を期待され,何となく作ってきてかれこれ30年以上。支えてくださったスタッフやファンの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」とし,「30年という歴史に賞をいただけるのは本当に嬉しいです。頑張ってきたかいがありました」と喜びを表した。
優秀賞に選出された「VR ZONE SHINJUKU」の表彰には,バンダイナムコエンターテインメント 常務取締役 浅沼 誠氏が登壇。浅沼氏は,「新宿の一等地に専用の施設を作り,100台以上のVRマシンを稼働させています。かなり無理をしましたが,こうして素晴らしい賞をいただくと,その苦労も吹っ飛びます」とし,「VRは実際に体験しないと分かりません。ぜひ多くの方にVRコンテンツを体験していただきたいです」と話していた。
最後に設けられた総評の場では,審査員長を務めた慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授の夏野 剛氏が,「今年は日本でしか作れないような作品がたくさん優秀賞に選出された」とし,その中でもNintendo Switchについては「日本の技術を使った分かりやすいものに仕上がっていた」とコメント。「世界に飛び立てる日本色の強い作品が選出されたことに,審査委員一同,本当に嬉しく思います」として,表彰式を締めくくった。
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