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グローバル展開するゲームのプレイヤーコミュニティをいかにして管理するか。3社のコミュニティマネージャーがそれぞれの施策や考え方を披露
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印刷2017/05/15 15:29

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グローバル展開するゲームのプレイヤーコミュニティをいかにして管理するか。3社のコミュニティマネージャーがそれぞれの施策や考え方を披露

 インディーズゲームにフォーカスした大型複合ゲームイベント「TOKYO SANDBOX 2017」が,2017年5月10日から14日まで,東京都内各地で開催された。本稿では,5月12日に行われたゲーム開発者向けサミット「PUSH」のパネルディスカッション「日本におけるコミュニティ管理の課題」の模様をレポートしよう。

 登壇者はウォーゲーミング アジアパシフィック ストラテジーディレクター APACパブリッシング コチョール・オザン氏,Supercell コミュニティマネージャー 沖 淳平氏,ライアットゲームズ プレイヤーサポートマネージャー 宇野 敦氏で,いずれも各社のプレイヤーコミュニティの管理やサポートを手がけている人物だ。今回のセッションは,聴講者の質問に3人がそれぞれ回答していくという形式で進められた。

左から,ウォーゲーミング アジアパシフィック ストラテジーディレクター APACパブリッシング コチョール・オザン氏,SUPERCELL コミュニティマネージャー 沖 淳平氏,ライアットゲームズ プレイヤーサポートマネージャー 宇野 敦氏


Q:どのくらい頻繁に開発チームとやり取りをしていますか。

沖 淳平氏(以下,沖氏):
 SNSなどをチェックしていると,「全然意見が通らない」「開発と話していないのでは」という意見を見かけますが,実はプレイヤーの皆さんが考えている以上に開発チームとはコミュニケーションを図っています。私はSupercellの全タイトルを担当していますので,すべての開発チームのチャットグループに入って,そのときどきに起きたことを全部伝えています。

コチョール・オザン氏(以下,オザン氏):
 ウォーゲーミングでは,専門のスタッフを置いて開発チームとコミュニケーションを取っています。日本のコミュニティの状況を週ベースでレポート化することを初め,頻繁にやり取りしています。

宇野 敦氏(以下,宇野氏):
 ライアットゲームズには,開発チームに入り込んで情報を引き出すサブジェクトマターエキスパートという専門スタッフがいます。彼らは常に最新情報を集めて,プレイヤーに公開しています。

Q:日本のプレイヤーはネガティブなコメントが多く,海外のプレイヤーは提案が多いというステレオタイプなイメージがありますけれども,実態はどうですか。

オザン氏:
 決してそんなことはなく,国や地域によって異なります。例えば日本だと,App Storeのような場所に厳しい意見が書き込まれることがありますけれど,ウォーゲーミングの公式フォーラムに直接書くケースはめったにありません。一方,オーストラリアでは,公式フォーラムで激しく不満を述べると同時に提案があったりします。

沖氏:
 意見を書き込む場所によっても違いますよね。バッシングが多い傾向にある掲示板などを見てしまうと,日本のプレイヤーはすごくネガティブだと感じるかもしれません。匿名で投稿できるSNSもそうです。
 その一方で,実は日本の場合,ユーザーサポートに届く問い合わせの件数は,アクティブプレイヤーの数からすると非常に少ないんです。全体で見ると,日本はゲームの運営がやりやすい国ですね。

宇野氏:
 「リーグ・オブ・レジェンド」は競技性が極めて高いゲームですので,プレイヤーが熱くなりすぎて,ついつい大人げない発言をしてしまうというケースが世界各国で見られます。ただ,日本のプレイヤーサポートチームに来る問い合わせの中には感謝や提案もありますし,また問い合わせの対応に関する満足度も日本が一番高いです。


Q:オープンなSNSや掲示板の書き込みは全プレイヤーが確認できますが,ユーザーサポートでのやり取りは当人にしか分からないですよね。その違いをどう捉えていますか。

宇野氏:
 「リーグ・オブ・レジェンド」では公式にコミュニティボードを用意しており,コミュニティマネージャーがプレイヤーの意見に直接回答したり,ライアットゲームズとして伝えたいことを表明したりしています。
 またライアットゲームズは,「我々もプレイヤーである」という立ち位置で,プレイヤーの目線でサポートしていますね。ですから,ときに砕けた表現を使うこともありますし,ローカルな大会イベントなどで出会ったプレイヤーの意見を尊重することもあります。

沖氏:
 オープンなコミュニティでは,一部の方の声だけが大きいというケースがあります。そこでSupercellでは,オープンコミュニティで見られる意見だけでなく,ユーザーサポートなどのクローズドな環境で寄せられる意見も合わせて集計し,開発チームに伝えています。とくにオープンとクローズドの双方で同時に挙る意見については,優先順位を高めています。
 またプレイヤーの皆さんとは可能なかぎり近い関係でありたいですから,回答の表現は敢えてフレンドリーにしています。

オザン氏:
 ウォーゲーミングでは,両者の差をあまり意識していません。というのも,我々のゲームは,Supercellの各タイトルや「リーグ・オブ・レジェンド」と比較すると,プレイヤーの年齢や性別が限定されているからです。そしてプレイヤーの多くは,すべてのチャンネルを使って意見を表明しています。
 ただ,意見の内容はチャンネルによって異なり,ユーザーサポートに寄せられる意見よりも,SNSへの投稿のほうが軽い内容になる傾向があります。

Q:今やSNSをマーケティングに活用するのは当たり前のことになっていますが,それとサポートを連携するような取り組みを行っていますか。

オザン氏:
 ウォーゲーミングでは,マーケティングとサポートでアカウントを分けることはしていません。ただSNSは,主にマーケティングとプレイヤーを楽しませる情報の提供がメインで,サポートは別のところでやるようにしています。

沖氏:
 私自身は,マーケティングは今Supercellのゲームを遊んでいない方に向けたもの。コミュニティ管理は,Supercellのゲームを実際に遊んでいる方に向けたものという切り分けをしています。
 その一方で,SNSのアカウントは分けていませんから,私達が発信したイベントやアップデートの情報がプレイヤーの皆さんによって拡散されることで,それを見て新たにゲームを始めようという方が出てくるのは嬉しいですね。将来的には,SNSを活用して新規獲得を図ることもやってみたいです。


宇野氏:
 ライアットゲームズの場合,アメリカではサポート用のSNSアカウントを別途用意しているのですが,日本ではまだやっていません。日本では今のところ,コミュニティメインでのSNSの活用に留まっています。

Q:マーケティングとサポートでSNSアカウントを分けることのメリットとデメリットを教えてください。

オザン氏:
 正直なところ,効果があるかどうかです。たとえサポート用のアカウントを用意しても,問い合わせやビュー数が少なければ意味がありませんから,定期的に効果を測定し,その都度見直すことが重要です。
 またウォーゲーミングが今アカウントを分けていない理由は,例えばメンテナンスのお知らせなどの最後に,ユーザーサポートのURLを付記しておけば大丈夫だろうという考えがあるからです。

沖氏:
 Supercellでは,SNSでメンテナンス情報をお伝えしたり,問い合わせがあれば可能な範囲で回答したりもしています。サポートというよりは,プレイヤーの皆さんのためにやっているという感覚ですね。
 一方,マーケティングに関してはSNSを上手に活用している企業もありますが,それは例えばコカ・コーラのような大手ブランドを扱っているところですね。モバイルゲームに関しては,現状のバナー広告などのほうが効率がいいと考えています。とくに若年層に向けては動画配信が効果的ですので,Supercellでも力を入れています。

宇野氏:
 「リーグ・オブ・レジェンド」は日本でローンチしてからようやく1年が経ったところですので,ほかの国や地域と比較すると,まだまだこれからというところです。切り分けている,やっている,やっていないというよりも未着手な部分が多く,これからプレイヤーのために何をやるべきか一つ一つアプローチしていくことになります。

オザン氏:
 結局,自分達のゲームのユーザーベースがどこにあるのか,きちんと確認することが一番重要です。プレイヤーがどこを見ているのか,何を望んでいるのかを理解することがすべてではないでしょうか。

沖氏:
 よく海外のゲーム企業の方から,「コミュニティ管理の観点において,日本ではどのチャンネルがおすすめですか」と聞かれるのですが,それはゲームによって違うんですよ。そこをきちんと理解していれば,必然的に一番適したチャンネルを選択できるはずです。
 「これをやれば必ず勝てる」みたいな施策はありません。オザンさんのおっしゃるとおり,コミュニティ管理には自分のゲームとプレイヤーをよく知ることが大事です。だから私自身,Supercellの中では常に一番自社のゲームのことを知っている人間であろうとしています。

オザン氏:
 例えばウォーゲーミングでは,ニコニコ生放送で「Wargaming On Air」を配信していますが,それはニコニコユーザーのプレイヤーが多いからです。だからといって,ほかのチャンネルでは何もしないかというと,そんなことはなく,配信をアーカイブ化してYouTubeにアップすることで,より多くのプレイヤーにアプローチできる機会を増やしています。


Q:国や地域によってイベントや実装される要素が異なるケースがありますが,そこに対するプレイヤーの反応はいかがですか。

オザン氏:
 グローバルでゲームを展開している場合,ほとんどのプレイヤーは自国以外の国や地域のサービス内容をチェックしています。そのため自国のサービスがほかより劣っていると感じたら,即座にクレームが入ります。例えば「World of Tanks」なら,「あの国ではあの戦車が実装されたのに,なぜうちの国はまだなんだ」みたいなクレームですね。

沖氏:
 それは永遠の課題ですよね。実際,英語圏のプレイヤーとアジア圏のプレイヤーでは求めているものがかなり違うんです。またアジアをひとくくりにするゲーム企業も多いのですが,きちんと見れば中国,韓国,日本はかなり違います。
 そうなると,どこまでローカライズするのかという課題が生じます。テキストだけでいいのか,それともイベントや画像までローカライズすべきか。Supercellでは,各タイトルをなるべく小さなチームで手がけるようにしていますので,工数などを考えると日本だけに向けたイベントを実施することはできません。そこで基本的に,グローバルに向けたイベントや,日本のプレイヤー向けではあるけれども,海外でも喜ばれるイベントを企画しています。

宇野氏:
 ライアットゲームズは,完全に日本にフォーカスした会社ですので,日本のプレイヤーが満足してくださればOKです。ただ「リーグ・オブ・レジェンド」はグローバルで横並びにアップデートが行われますので,基本的に国や地域で差が出るようなことはありません。その一方で,日本サーバーのメリットを感じていただくために,お花見イベントなどを開催したりもします。


 今回のセッションでは,ユーザーサポートに関する質問が大半を占めており,とくにSNSの活用に関するウォーゲーミングとSupercellの考え方が興味深いところではないだろうか。
 一方,ユーザーコミュニティのマネジメントといえば,ユーザーサポートに留まらず,公式大会や公式オフ会などの開催も含まれる。実際,オザン氏はそうした質問が多いと予想していたそうなのだが,残念ながら今回は準備していた回答や事例などが披露されることはなかった。またこうした機会があれば,それらの知見が披露されることに期待したい。
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