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「TAITO GAME MUSIC REMIXS」リリースパーティーをレポート。石川勝久氏が初DJに挑戦し,並木 学氏がPSGサウンドを響かせた
このイベントは,音楽CD「TAITO GAME MUSIC REMIXS」(関連記事)の発売を記念したもの。出演したのはZUNTATAの“ばび〜”こと石川勝久氏をはじめ,SATO(佐野電磁氏&加藤浩義氏)や細江慎治氏といった「TAITO GAME MUSIC REMIXS」のゲストアーティスト陣,そして並木 学氏だ。会場には,キャパシティ200人のフロアがすし詰め状態になるほどの観客が押し寄せていた。
「“TAITO GAME MUSIC REMIXS” Release Party」出演者(敬称略)
- ばび〜(石川勝久) / ZUNTATA
- SATO (SANODG ►◄ KATO [noisycroak])
- D.watt / IOSYS
- t+pazolite
- 並木 学
- Sampling Masters MEGA(細江慎治) / SuperSweep
- COSIO(小塩広和)
最初に登場したのは,今回のステージが初のDJプレイとなる石川氏。セレクトされた楽曲は,「スペースインベーダー」のBGMをはじめ,「ナイトストライカー」や「ダライアス」など定番タイトルの楽曲で,開幕早々にフロアを大きく盛り上げた。
二番手のSATOは,佐野氏の「EDM is music? No! EDM is game! Taito is game! Taito is EDM!!」というマイクパフォーマンスからスタート。2人での出演だが,実際に音楽を流すのは加藤氏で,佐野氏は歌ったり踊ったりSATOデザインのDECOチョコ(チロルチョコ)を投げたりと,壇上を駆け回っていた。プレイした楽曲は,もちろんアルバム「EDM IS GAME」および「EDM IS CONTINUED」の収録曲と,「TAITO GAME MUSIC REMIXS」における担当曲「Space Invaders(are EDM Remix)」だ。
SATOのプレイ後には,2017年2月25日に開催される「東京ゲーム音楽ショー」での3rdアルバム「EDM is Over」発売をもって,SATOを解散することが宣言された。ただし,要望が多ければ“SATO2”が結成される可能性もあるとのこと。もともとSATOはタイトーの楽曲提供依頼からスタートしたプロジェクトとのこと(関連記事)なので,「もっとSATOのEDMを聴きたい」という人は,「グルーヴコースター」シリーズのSNSアカウントなどに要望を送ると,“SATO2”が現実のものとなるかもしれない。
SATOに続いたIOSYSのD.watt氏は,「Lost Colors」や東方アレンジの「チルノのパーフェクトさんすう教室」など,「グルーヴコースター」シリーズに収録されたIOSYSのボーカル曲をメインにプレイしていく。t+pazolite氏も「shiva」や「Agent Angels」といった「グルーヴコースター」関連楽曲をつないでいき,クライマックスには「my voice is dead.」や「OMAKENO Stroke(uncut edition)」といったハードコアテクノで一気に畳み掛けていた。
そんなテクノの流れから一転,並木氏が「タイトーの歴史を振り返る」として流したのは「アルペンスキー」や「ジャングルキング」などに用いられたクレジット音。そこからメドレーで,「女三四郎」など1980年代のタイトルに用いられたPSGサウンドが次々とプレイされる。石川氏でも「3/4くらいしか分からない」という極めてディープなセレクトや「影の伝説」のMSM5232版とFM音源版をシームレスにつなぐプレイに,マニアックなファンですら深い関心を寄せている様子で,独特な盛り上がりを見せていた。なおメドレーは,ZUNTATAが結成された1987年ごろのタイトルにギリギリたどり着いたところで終了となった。
ここで一旦トークパートを挟み,フロアはブレイクタイムに。トークパートでは,12月2日に配信される「ZUNTATA NIGHT 10 〜ダライアス30周年記念大漁祭〜」(関連記事)の案内や,「TAITO GAME MUSIC REMIXS」収録曲についての感想などが語られた。
ラストパートは細江氏からスタート。最初は「ガンフロンティア」や「ナイトストライカー」といったセレクトで「名作ラインナップで攻めるのか」と思わされたが,「カダッシュ」や「サイバリオン」といった“隠れた名作”の楽曲で意表を突き,観客のマニア心にアプローチしていた。
そしてトリを務めたのは,元ZUNTATAの小塩氏。「We Love Game! TAITO STATION」から始まり,自主制作盤の収録曲なども披露しながら,「メタルブラック」の「Dual Moon」を自分なりにリメイクした楽曲や,「ダライアスバーストCS」の「Freedom」をリミックスした楽曲などで,フロアを大いに沸かせていた。最後に小塩氏は,“オマケ”としてノリのいい「Invader Girl!」と「Groove Player」をプレイし,5時間超という長丁場のイベントを締めくくった。
今回のイベントは,タイトーの代表的な楽曲から,「グルーヴコースター」で広がったタイトーの音楽世界を楽しみつつ,PSG音源時代のサウンドや隠れた名作のサウンドを堪能できるという,タイトーの今昔と表裏を一度に楽しめるような素晴らしい内容だった。来年,30周年というアニバーサリーイヤーを迎えるZUNTATAがどのような活動を見せるのか,今後も要注目だ。
ZUNTATA公式サイト「Z-Field」
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