イベント
ネクソンのキャラクターを使った子供向けのプログラミングイベント「2016年夏休みネクソン1日社員体験」をレポート
プログラムの内容は毎年異なっており,VRや3Dプリンターなど,その年の最新技術を扱うこともあるが,今年はネクソンのキャラクターを使ったオリジナルのゲームセンターを作るというテーマで実施されることとなった。社員体験をしつつ,ゲームプログラミングの概要を学ぶというわけだ。2020年から,小学校でプログラミング教育が必修化されることもあって,保護者が注目しやすいテーマと言える。
Qremoのスタッフによる司会で始まった当イベント。普段から子供向けの教室を開いているだけに進行は手馴れた印象で,軽快なトークでときおり子供達の笑いを誘っていた。プログラミングと聞くと,知らない子供にしてみれば難しそうと身構えてしまうこともあるだろう。しかし,学校や塾のような理論を教えるわけではなく,遊びながら学べるような,子供達の興味を引き出すような配慮が随所に感じられた。
イベントで最初に行われたのは,「なかよくなろうタイム」というグループごとに交流を図るコーナーだ。具体的には,後でプログラミングで使用する「Scratch」を使って,絵を描いて行う伝言ゲームのようなもので,最初にスタッフが問題となる絵を描き,続いて参加者がその絵を観察してから,次の人に向けて絵を描いていく。伝言ゲームがベースになっているので,最後の人が絵を描くまで答えを口に出してはいけない。答え合わせで,最初から最後までの絵の変化をみんなで確認しているころには,会場全体は和気あいあいな明るい雰囲気に包まれていた。
続いて,いよいよ本イベントのメインとなるゲーム制作がスタート。参加者は,「もぐらたたきゲーム」「クレーンゲーム」「シューティングゲーム」「格闘ゲーム」の中から好きなジャンルを選んで個人でそれを制作し,最後にみんなが作ったゲームを並べてゲームセンターを作って遊ぶというのが大きな流れだ。なお,スタッフからは格闘ゲームが一番難しいと説明があったが,会場を見回ったところ,一番人気が高かったようだ。
実際のゲーム制作は,参加者それぞれにPCが用意され,Scratchを用いて行う。Scratchは,プログラミングを学習するための入門用ともいえるもので,フローが視覚的に分かりやすくなっているので,文法や書式といった難しいことは覚えなくてもゲームを作れる。とはいっても,経験のない子供たちが,短い制作時間の中で使い方を学びながら作品を創り出すのは難しい。今回は,制作の過程を記したテキストも配られ,基本的にはそれに沿ってプログラムを組んでいき,キャラクターのチョイスや動きなどで参加者それぞれが自分のアイディアを盛り込んでいく。そして,どうしてもつまずいて先に進めないときは,ネクソンとQremoのスタッフが手を差し伸べてくれる。
参加者の作業風景は,小学3年生〜中学3年生と年齢に幅があることもあり,テキストを見るだけでスラスラと進めていく人もいれば,悪戦苦闘しながらスタッフに何度も質問する人も見受けられた。子供達からは「難しいけど,ちゃんと動くのは楽しい」といった感想もあり,少なからず手応えは感じているようだった。
ちなみに,Qremoのスタッフに,子供達に教えるときに注意していることを聞いてみると,「答えを教えるのではなく,子供たち自身が答えを見つけられるようにすること」が大事だと話してくれた。新しいものを自分で考えて生み出すことと,形にするための試行錯誤することが,子供達にとって貴重な体験になるというわけだ。
ゲーム制作は2時間ほどで終了となり,その後は昼食をはさんでネクソン社内のオフィス見学ツアーが行われ,最後は完成したゲームセンターを全員で楽しんでいた。
ゲーム業界に興味があったり,ネクソンのゲームタイトルのファンだったり,夏休みの自由研究の課題としてだったり,子供達はさまざまな想いを持って本イベントに参加した様子だが,イベント終了後のキラキラした顔をみる限り,その目的は十分に達成され,もしかしたらさらなる好奇心が芽生えたかもしれない。子供がIT技術に触れる機会の1つとして,今回のような取り組みをネクソンが行っていることを,覚えておくと良さそうだ。
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