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ガンホーがスマホゲームの運用にアマゾン ウェブ サービスを利用する理由とは。「AWS Summit Tokyo 2014」のセッションをレポート
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印刷2014/07/19 13:51

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ガンホーがスマホゲームの運用にアマゾン ウェブ サービスを利用する理由とは。「AWS Summit Tokyo 2014」のセッションをレポート

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 アマゾン データ サービス ジャパンは,2014年7月17日と18日の両日,アマゾン ウェブ サービス(以下,AWS)の最新技術や導入事例を紹介するカンファレンス「AWS Summit Tokyo 2014」を開催した。
 本稿では,ガンホー・オンライン・エンターテイメント 開発本部 担当部長 岩田容賢氏および同社システム・CS本部 部長代理 菊池貴則氏による,AWS活用事例を紹介したセッション「スマホタイトルを支えるインフラ運用」の模様をレポートしよう。

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ガンホー・オンライン・エンターテイメント 開発本部 担当部長 岩田容賢氏
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ガンホー・オンライン・エンターテイメント システム・CS本部 部長代理 菊池貴則氏

 ガンホーでは,「パズル&ドラゴンズ」iOS / Android。以下,パズドラ)を筆頭に,「ケリ姫スイーツ」iOS / Android)や「ピコットキングダム」iOS / Android)など,基本的にスマートフォン向けタイトルのインフラ運用では,AWSを採用している。「パズドラ」は,4Gamer読者ならご存じの通り,スマートフォン向けのゲームタイトルとしては国内最大クラスのプレイヤー数を誇っているが,岩田氏と菊池氏によれば,AWSを使ったインフラ運用に関しては何も特別なことをやっていないという。岩田氏は「AWSとは,当たり前のことを,当たり前に最適化して運用すれば国内最大のユーザー数も受け止められるサービスである」と表現した。

ガンホーが利用しているAWSのサービス
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 さて,ガンホーと言えば,ここ数年こそ「『パズドラ』の会社」というイメージだが,もともとは「ラグナロクオンライン」など,PCオンラインゲームのサービスが事業の柱となっていた。それらのPCオンラインゲームは,オンプレミス(自社運用)環境でサービスを提供しているのだが,なぜスマートフォンタイトルでは外部のAWSを採用したのだろうか。

 その理由を,岩田氏は「パズドラ」の前にリリースされた「ケリ姫クエスト」iOS / Android)の事例を引き合いに解説した。「ケリ姫クエスト」はプレイにオンライン環境を必要としないゲームアプリであるが,リリース後の短期間で,10万,20万,100万とダウンロード数が急速に伸びていった。仮に,同じ状況がオンラインタイトルで発生するとなると,これまでのPCオンラインゲームと同じ運用体制でのサービス提供は難しい。
 そこでガンホーがスマートフォンアプリの開発に注力し始めた当時のモバイルゲーム市場を鑑みつつ,「インフラ部隊との連携が不要」「サービス終了時のリスクヘッジ」「拡張性」という3つの観点から,AWSの採用を決めたとのことである。

 まず「インフラ部隊との連携が不要」という点は,当時の小規模かつ短期間という開発体制にとって必須だったと菊池氏。オンプレミス環境では,サーバーの構築を社内のインフラ部門に依頼することとなり,少なくとも1日,通常なら2〜3日待たなければならないという。しかしAWSを利用していれば,開発チームが任意のタイミングでサーバー環境を構築可能で,それだけ開発の効率化と期間短縮を期待できるのである。

 「サービス終了時のリスクヘッジ」については,ソーシャルゲーム全盛期だった当時,果たして「ガンホーが考える面白いゲーム」が本当に世間に受け入れられるかどうか分からなかったことが理由だ。もし受け入れられないようなら,早期のサービス終了も視野に入れなければならないが,AWSを利用すればサーバー機器を社内の資産とする必要がないため,償却処理や固定資産税の納付といった手続きも不要となる。

 そして「拡張性」に関しては,ガンホーがすでにサービスを終了しているオンラインゲームタイトルの事例をもとに説明がなされた。そのタイトルでは,サービスイン直後にプレイヤーが殺到したため,ログインできない,満足にプレイできないという状況が発生したという。そこで急遽サーバーを拡張すべく機器の手配を図ったが,何だかんだで調達に1週間かかってしまったそうだ。その間の機会損失はもちろんのこと,プレイヤーの殺到による予期せぬ不具合などにより,そのタイトルのみならずガンホー自体もダメージを負うこととなったのである。
 しかしAWSを利用すれば,決断した時点でサーバーを追加することが可能で,さらにそのあとのプレイヤーの増減にも臨機応変に対応できるというわけである。

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サーバーを即座に追加できるというAWSのメリットを活かすため,ガンホー社内の予算稟議システムを一部変更したことも紹介された
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 さて,上記で紹介されたAWSの活用事例のほとんどは,ほかのクラウドサービスを使ってサーバー環境を構築するケースにもそのまま当てはまる。それではなぜ,ガンホーはAWSを選択したのだろうか。
 岩田氏によるとAWSはサービスにとってクリティカルな障害が比較的少なく,ネットワークやハードウェアの障害への対応もオンプレミス環境より迅速という点を挙げた。さらにガンホーではAWSに用意されている「エンタープライズサポート」を利用することで,24時間365日,サーバー環境に障害が発生した場合にいち早く状況を把握し,改善に努めているとのことだ。とくに岩田氏は,同サービスの定期コストレビューについて,安定性の観点からだけでなく,詳細な利用状況やコスト管理のアドバイスを受けられるメリットを強調していた。

 最後に岩田氏は,ガンホーの企業理念である「感動と楽しい経験を提供する」をともに実現するため,AWSに対してさらなる安定稼働を望むとして,セッションをまとめた。

そのほか会場では,一括請求システムとディテールレポートの併用による利便性や,リザーブドインスタンス(RI)は6か月で前払い金の元が取れるので,新規タイトルでは早期に契約すべきといった,ガンホーが考えるAWSのメリットが紹介された
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AWS Summit Tokyo 2014公式サイト

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