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グリーが「2013年度第4四半期決算説明会」を開催。「選択と集中」戦略を進め,減収減益からの反転攻勢を狙う
説明会の冒頭では,田中氏から今回の決算報告の概要が紹介された。
それによれば,2013年6月期の通期では,売上高1522億円,営業利益486億円と,前期と比較して減収減益となったとのこと。田中氏は,その要因はWebゲーム事業の落ち込みにあるといい,すなわち縮小傾向にあるフィーチャーフォン市場にて売上が下がり,またスマートフォン市場では成長機会を捉えきれず,思うように売上を伸ばすことができなかったためとのことだ。
第4四半期のみを見た場合も同様で,こちらも売上高370億円,営業利益77億円となり,前四半期と比較すると減収減益だ。田中氏は,その要因にWebゲームにおける既存主力タイトルの落ち込みを挙げ,また海外マーケットにおけるネイティブゲーム事業の拡大と,そのためのコストコントロール――「選択と集中」戦略の推進に伴うタイトルの絞込みや,海外拠点の編成を行ってきたという。
それらを受け,2014年6月期上半期は,Webゲーム約10本,ネイティブゲーム約15本の新規タイトルを投入する予定で,プラットフォームとしてのGREEと,ネイティブゲーム事業のグローバル展開という2軸による成長を狙うとのこと。
続いて報告が行われた連結決算の概要では,秋山氏より2013年6月期各四半期の売上高/営業利益の推移や,売上高における各収入の推移,費用構成,貸借対照表,キャッシュフロー計算書などが示された。
ここで注目すべきは,決算概要の第4四半期の純利益に示された△67億円の特別損益だろう。秋山氏によれば,これは「選択と集中」戦略の推進と資産等の再精査によって計上されたもので,内訳は以下のスライドのとおり。
その結果,現状のタイトル関連資産は約69億円まで減少したことになる。秋山氏によれば,グリーが現在取り組んでいるパイプライン・マネジメントの徹底により,2014年6月期第1四半期は,国内スタジオ開発のネイティブゲーム資産を中心とした,さらなる減損もありえるという。
一方で,2014年6月期からは,実績のある内製のWebゲーム事業以外のタイトルは資産化せず,費用に落とし込んでいく会計方針を採用するため,今後大きく資産が積み上がっていくことにはならないとのこと。
2014年6月期に向けての事業概要報告では,Webゲーム事業とネイティブゲーム事業の双方において,引き続き「選択と集中」戦略を推進し,反転攻勢を目指すとの説明が行われ,とくにWebゲームにおいてはフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行,有力パートナーとのプロダクト強化に取り組むとのこと。
また好調なネイティブゲーム事業では,新規タイトルの積極的な投入に加え,さらなるコストコントロールの強化により,収益性の向上を目指すという。
とくにコストコントロールに関しては,ヒットタイトルのゲームエンジンを活用し,開発費を抑えつつ新規タイトルに取り組むことや,パイプライン・マネジメントにより不採算タイトルを見極め,早期に撤退することで,新規/有力タイトルにリソースを注ぐことなどが示された。
2013年6月期第4四半期のネイティブゲーム事業は,前期比較で3割以上の成長を記録しているものの,その主因は北米スタジオが牽引する海外マーケットにあるとのことで,とくに北米スタジオでは「Knights&Dragons」「War of Nations」といった新ジャンルが成功をおさめている。同スタジオは2013年5月に単月黒字化まで達成したとのことだ。
それを踏まえ,海外事業は拠点再編により2013年12月までに単月黒字化(M&A関連費用控除ベース)を目標としているという。
GREE コーポレートサイト
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