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リンクス,フル液冷前提で拡張性重視のCorsair製フルタワーPCケース「Obsidian Series 900D」を国内初披露
一般的なフルタワーケースよりも巨大な「Obsidian Series 900D」 |
CORSAIR Hydro Series H110 |
CORSAIR Hydro Series H90 |
フル液冷を前提とした「Super Tower Case」
新製品の900Dは,CorsairのPCケースラインナップの中でも,黒のアルミパネルを多用し,高品質や拡張性を重視した「Obsidian」の一員で,しかもシリーズ中で最上位に位置付けられるモデルだ。新しいフラグシップというわけである。なお,今回の発表会で披露された900Dは試作品であり,製品版では細部が変更になる可能性があるとのことだったので,その点はあらかじめお断りしておきたい。
CorsairのPCケース製品の区分け。Obsidianは上位に位置付けられる |
Obsidianシリーズのラインナップ。900Dは既存製品の上位に置かれるフラグシップモデルだ |
上級者向け製品として,「最高の拡張性」に加えて「フル液冷対応」を実現すべく設計された900Dの筐体は,サイズが252(W)×650(D)×690(H)mmという,巨大なタワー型ケースとなっている。Corsairではこれを,「Super Tower Case」と呼んでいるらしい。なお,重量は現時点では確定していないが,試作品では約19kgとのことだ。
本体背面。140mm角の大型ファンが見える。各部やスロットカバーは通気性を重視してメッシュになっている |
本体前面。写真では下部のパネルを外して,前面の120mm角ファン×3を見せた状態 |
900Dのデザインは,Obsidianシリーズ共通のものを継承しており,黒いアルミパネルをボディ素材に使用した,シンプルな外観になっている。各パネルやドライブベイ各部はツールフリーで開閉,付け外しが可能で,天板や前面パネルも簡単に外せるなど,メンテナンスが容易な構造なのも特徴といえるだろう。パーツの拡張や交換はもとより,内部の埃を清掃するときにも,メンテナンスが容易な構造は役立つ。
構造面で面白いのは,電源ユニットや液冷ラジエターを設置する空間の横板が,側板とは別のものになっていること。Corsairはこれを「スイングアウトドア」と呼んでいるのだが,この横板は,筐体底面側に用意されたヒンジを使って,本体の左右方向へぱかっと開けるのである。もっとも,この構造にどういうメリットがあるのかは,いまひとつよく分からないが……。
左側面パネルを外し,左側のスイングアウトドアを開けた状態 |
拡大しないと分かりにくいが,左右のスイングアウトドアを開けた状態。パネルを取り外さずに本体下部にアクセスできる |
本体各部のパネルが簡単に外せるのも特徴。天板のメッシュパネル(左)も右の写真のように着脱可能だ。外すと,最大4基のファン(や液冷ラジエター)を取り付けられる |
Corsairで日本を担当するカントリーマネージャーの園部英生氏によれば,900Dでは液冷ユニットやケーブル類をすべて内蔵可能で,空冷ファンは最大15基,液冷ラジエターは5台まで内蔵できるという。HDD用の内蔵ベイが豊富な点も特徴のひとつで,HDDトレイを3台装着できる取り外し式「Swap-Bay」を3基内蔵し,9台の3.5インチHDDを搭載可能というのもウリだ。
説明会のスライドにあった,フル液冷装備の状態。本体下部にずらりとファンが並ぶほか,そこかしこにラジエターらしきものも見える |
本体内には,2.5・3.5インチ兼用のHDDトレイが3台入る,着脱可能なSwap-Bayが3基用意される。Swap-Bayの配置は柔軟に変えられる |
本体前面上部には,USB 3.0×2,USB 2.0×4とヘッドセット用の3.5mmミニピン端子×2の並ぶI/Oパネルが用意される |
900Dの主な仕様 |
900Dはとくにゲーマー向けというわけではないが,巨大な筐体を生かして多数のファンや大型ヒートシンクをつけたり,複数の液冷ユニットを組み込んだりもできる点に,惹かれる自作派ゲーマーはいるのではなかろうか。
CorsairのObsidian Series 900D製品情報(英語)
140mm角ファン搭載の簡易液冷ユニットが発売
Corsairの液冷ユニットラインナップ。H110は最上位に位置付けられる |
Corsairは,従来製品「CORSAIR Hydro H100i」「CORSAIR Hydro H80」よりも一回り大きなファンを採用することで,H110とH90では風量を稼いで冷却性能を高めつつ,ファンの回転数を1500rpmmまで下げられたとしている。騒音レベルも35dBと,従来製品より2.68dBほど低くできたという。
なお両製品とも,対応CPUパッケージはIntel CPUがLGA 1155/1156/1366/2011,AMD CPUがAM2/AM3/FM1/FM2とされている。
リンクスインターナショナル 公式Webサイト
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