プレイレポート
伝説の美少女ゲーム最新作「ドラゴンナイト5」は,戦士たちと絆を育みつつ強敵とのバトルに挑む“手ごわい系RPG”だった
「ドラゴンナイト5」は,200人以上の美少女戦士と冒険の旅を繰り広げる,基本プレイ無料のブラウザゲームだ。若い読者の中には「見慣れないタイトルなのに,なんでいきなり『5』なんだ?」と思う人もいるかもしれないので,シリーズの概略を軽く説明する。
「ドラゴンナイト」の初作は,1989年にゲームブランド「エルフ」から発売された美少女ゲームだ。初作と「II」は3Dダンジョン型RPG,「III」はフィールド型RPG,そして「4」はシミュレーションRPGとジャンルを変えながらシリーズが続いてきた。いずれも18禁ゲームとして発売されたシリーズだが,当時基準でのグラフィックスの美しさもさることながら,ゲームとしての面白さが高く評価され,家庭用ゲーム機にも移植されている。
そんなドラゴンナイトの最新作が,今回紹介する「ドラゴンナイト5」となる。キャラクターイラストには「4」や「同級生」の原画を担当した竹井正樹氏が参加。また,前作のヒロイン「ナターシャ」が参戦するほか,それ以前の過去作のヒロインも「英霊」として登場する。とはいえ,物語としては直接つながっているわけではないため,本作からスタートしても戸惑うことはない。
なお,本作には年齢制限のない「全年齢版」と,18歳以上のみが遊べる「X指定版」があるのも特徴だ。もちろん後者は,好感度を上げるとご褒美のイベントシーンを見られるという,お約束が用意されている。
「戦型」と「属性」を理解し,バトルを有利に展開
本作の舞台は「4」の戦いから数百年後の世界で,「4」の主役,ヤマト・カケルの子孫が主人公だ。
主人公はモンスターの危機から世界を救うべく,勇者となって旅立つのだが,実際に戦うのは,あくまで仲間の美少女戦士達。勇者の仕事は,王様から与えられた専用のハーレム村に投資しつつ,戦士達の好感度を上げ,戦力をアップさせることだ。つまり,本作は「冒険」と「村の開発・戦士達の好感度上げ」という2つのパートを行き来するゲームというわけである。
冒険パートでは4人のパーティを組み,スタミナを消費してクエストに挑戦。ゴールドや戦士といった報酬を手に入れ,仲間の強化や村を発展させていく。パーティを編成する上では,戦士の特性を表す6種の「戦型」と,攻撃と防御に影響する5つの「属性」を考慮するのが重要だ。
戦型とは戦士が持っている戦闘スタイルのことで,型によって戦士の特徴が異なるという要素だ。例えば,必殺型であれば短いターンで必殺技が発動でき,速攻型は先手を取れるなど,戦闘に有利な戦型がある。
●戦型
「万能型」:能力のバランスが取れている
「攻撃型」:攻撃力が高い
「防衛型」:防御力が高い
「必殺型」:短いターンで必殺技を使える
「補助型」:味方の能力をアップさせるなど補助に優れる
「速攻型」:素早さに優れ,敵よりも先に行動順が回ってきやすい
また,敵も味方もそれぞれ属性を持っており,相手に与えるダメージと,受けるダメージの両方に影響を及ぼす要素もある。要は,3すくみ+対立関係というブラウザゲームでは,割とお馴染みの構成だ。
●属性
「斬」:打属性に強い。弱点は突属性
「打」:突属性に強い。弱点は斬属性
「突」:斬属性に強い。弱点は打属性
「射」:弱点は魔属性
「魔」:弱点は射属性
序盤のクエストだと同じ属性の敵が固まって出現することが多い。そこで1つの属性に偏らないよう戦士を育成しておけば,どんな属性にも有利に対応できるだろう。
クエストは,移動やエンカウントはなく,決められた回数のバトルを勝ち抜けばクリアになる,ブラウザゲームとしてはスタンダードな方式。バトルのみを楽しめるというわけで,ちょっとした空き時間などに遊ぶのにもってこいだ。
システムはターン制+コマンド入力式で,敵味方が入り乱れ,素早さを示す「SPD」の値が高い順に行動する仕組みになっている。可愛らしい戦士や不気味なモンスターが動き回るバトルは,見ていて楽しい。
行動順は画面下に表示されており,ここが頭の使いどころになる。序盤以降のバランスはやや厳しめで,プレイヤーの戦術次第でバトルの展開が大きく変わってくる。それというのも,本作には隊列やヘイトといった概念がなく,モンスターが誰を狙ってくるか分からないからだ。HPが低めの戦士だと,一気に追い込まれてしまうことも少なくない。
バトルが終われば多少HPは回復するが,連戦を勝ち抜くには少しでも損害を抑えたい。また,HPが減り続ける「毒」や,しばらく行動できなくなる「麻痺」といった状態異常が非常に強力な上,一定のターンが経過するごとに全体攻撃などの必殺技を使う敵もいて,バトルが長引くと危険は増大するのだ。
戦術を考える上でキーポイントとなるのが戦士の必殺技だ。必殺技は一定のターンごとに使え,その効果は全体攻撃や敵へのデバフ,味方へのバフなどさまざま。漫然とぶっ放すのではなく,その特性と敵味方の行動順を見極めればバトルを有利に進められるだろう。
例えば,ボスとお付きの雑魚が何体か出てきた場合を考えてみよう。普通なら雑魚から先に倒していくのがセオリーだが,「全体攻撃の必殺技を使える戦士が何人かいて,行動順が雑魚より先に回ってくる」ような場合だと,雑魚の処理を必殺技に任せて,ほかの戦士はボスに攻撃を集中するという戦い方が考えられる。そうすれば,攻撃力を有効活用できた上に損害を抑えられるはずだ。
また,SPDが下がる必殺技で,状態異常攻撃や必殺技を持つモンスターを攻撃するのも有効だ。本作にはテンポよく進むオートバトルが存在するが,こうした戦術は使ってくれないため,大事なところでは必ず手動で操作したい。また,ストーリーの展開に応じて助っ人が登場したり,ほかのプレイヤーの戦士を借りたりできるので,こちらも有効活用するといいだろう。
本作ではバトルに勝利しても経験値は入らない。戦士を強くするには,不要な戦士を合成して経験値を獲得する必要がある。レアリティが高いほど能力も高いのだが,レベルアップに必要な経験値も高めなのが悩みどころ。同じ戦士を合成すると「限界突破」が発生するほか,レベルや「親密度」の上限もアップ。さらに英霊装備枠が増えるため,むしろ入手しやすい低レアリティの戦士に愛情を注ぐのもアリかもしれない。
また,「竜玉」を使えば戦士を「覚醒」させられる。覚醒すればグラフィックスが変化し,各種の「アビリティ」がアンロックされるなどパワーアップするので,「曜日クエスト」でしっかり竜玉を集めたいところだ。
戦士を強くするには英霊も重要である。英霊はシリーズ旧作に登場するキャラクターで,戦士のように戦うことはできないが,戦士に装備させるとHPやATK(攻撃力),SPDといった能力値がアップする。弱点を補うなり,長所を伸ばすなり,いろいろな組み合わせを試してみよう。英霊を装備できる枠は通常1つだが,限界突破で増やせるため,低レアリティの戦士はそれだけ能力をブーストしやすいというわけだ。
英霊の中には,画風が戦士達と明らかに違うものある。これは旧作におけるグラフィックスを再現している英霊だ。例えば,「ナターシャ」や「ルナ」といった歴代ヒロイン,「カケル」「エト」といった主人公,そしてIIでマミーにされていた「イブ」など,これまでのシリーズをプレイしているなら懐かしいキャラクター達ばかり。英霊によっては原作のイベントシーンを閲覧できるものもあり,ファンなら積極的にコレクションしたいところだ。
なお,戦士や英霊は各種のガチャで手に入れられる。課金アイテムである「聖竜石」も,ログインボーナスやクエストの初回クリア報酬などでそれなりにもらえるので,しっかりと貯めてガチャを回そう。
ハーレム村で店を拡張しつつ,戦士たちとの絆を育む
戦いと同じくらいに重要なのが,勇者専用のハーレム村だ。村には「ケーキ屋」「本屋」などさまざまな店があり,時間経過と共にプレゼント用アイテムを自動生産してくれる。これを好きな戦士にあげて親密度を上げるのだ。
ただし,戦士は「種族」ごとに好みのプレゼントが違う。例えば「獣人族」なら「おもちゃ屋」の玩具類,「人間族」の場合「ブティック」の洋服,「ドワーフ族」だと「リカーショップ」の酒類などが好みで,これらをプレゼントすれば親密度は大きく上昇するのだ。
店にゴールドを投資してレベルを上げると,親密度の上昇効果の高いアイテムが生産される確率が上がる。また,新しい店をアンロックするには既存の店を充分にレベルアップしなければならないため,クエストでガッチリ稼いで店につぎ込もう。
親密度は戦士を「なでる」ことでも上がる。なでる用のスタミナ(クエスト用のスタミナとは別)の回数分だけなでることができる。親密度の上昇率は微々たるものだが,スタミナの回復速度はプレゼントの生産よりも早いため,併用していくのが望ましい。また,「男のテクニック」「男のカリスマ」にゴールドを投資すれば,スタミナの上限値や,なでるとプレゼントの効果がアップする。勇者は自分で戦わないぶん,ここで存在感を示しておきたいところだ。
親密度が一定値に達すると,高レアリティの戦士や英霊と交換できる「指輪」などがもらえる。X指定版だと,ここでご褒美のイベントシーンを見られるのだが,全年齢版では画面が暗転するだけで少々味気ない。ともあれ,戦士たちとの絆はしっかり深めていこう。
「4」の登場から20年ぶりの続編としてサービスが始まった「ドラゴンナイト5」。物語を一度仕切り直すことで新規プレイヤーへのハードルを下げつつ,旧作のキャラクターを英霊として登場させ,シリーズファンへアピールしている。とくに,英霊のアイコンがイベントシーンをモチーフとしたものになっているのは,コアなファンなら嬉しいのではないだろうか。
一方,勇者自身が戦っていたこれまでのシリーズ作とは違い,本作の勇者はイベントシーンに登場するだけというのがちょっと寂しい。シナリオのテイストも,旧作を担当した蛭田昌人氏のそれに近いものの,氏のテキストの特徴である「主人公の大物感」については,さすがに旧作に譲るところだ(もっとも,蛭田氏の才能はオンリーワンだと筆者は思っている。そうそう似せられるものでもないだろう)。
戦闘に関しては,コマンドが「攻撃」と「必殺」の2種類しかないので気軽に遊べるものの,難度はやや高め。今後のアップデートで前衛や後衛といった概念を追加するなど,戦術性のアップを期待したいところだ。過去に実施された「巫女とひと夏の泉」イベントでは難度の低い「超初級」が追加されたりと,緩和に向けた取り組みもなされているように思える。今後の展開に期待したいところだ。
「ドラゴンナイト5」公式サイト
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