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ここまで分かった「フォーオナー」。気になるストーリーモードの内容や,αテストの手応えなどについて,開発者に詳しく聞いた
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印刷2016/11/12 10:00

インタビュー

ここまで分かった「フォーオナー」。気になるストーリーモードの内容や,αテストの手応えなどについて,開発者に詳しく聞いた

 ユービーアイソフトが,2017年2月16日に発売を予定している「フォーオナー」PC/PlayStation 4/Xbox One)のアソシエイトゲームディレクター,Gaëlec Simard氏が,2016年11月3日に秋葉原で開催された同社のイベント,「UBIDAY2016」に合わせて来日した(関連記事)。

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「フォーオナー」公式サイト


 2015年のE3で発表されて大きな話題になって以来,日本を含むいくつかのイベントでプレイアブル展示されてきた「フォーオナー」だが,詳しい内容については現在もあまり発表されていない。2016年12月は,期待作の「ウォッチドッグス 2」や,スポーツゲームの「STEEP」がリリースされることもあり,ユービーアイとしても戦略的にプロモーションの表舞台には出していないようだが,筆者を含め,気になる人も多いはず。αテストでは,筆者もかなり楽しんだ。

 今回,Simard氏に話を聞く機会を得たので,その模様を以下でお伝えしたい。とくにαテストのときに体験できなかったシングルプレイ,「ストーリーモード」について聞いたので,本作に興味のある人は,ぜひ読んでほしい。なお,現在「フォーオナー」はαバージョンにあるため,製品発売時点では内容が異なることも考えられる。この点はあらかじめご承知いただきたい。

「フォーオナー」のアソシエイトゲームディレクター,Gaëlec Simard氏。開発では主にストーリーモードとPvEの部分を担当している。「アサシン クリード」シリーズの開発に長く携わっているので,彼の名前を知っているファンは少なくないかもしれない
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「フォーオナー」のポイントは,コントローラで武器を操作する「アート・オブ・バトル」システム


4Gamer
 本日はよろしくお願いします。まずは,改めて本作の内容について説明をしてください。

Gaëlec Simard氏(以下,Simard氏)
 はい。「フォーオナー」は,剣や刀などの近接武器を,まるで本当に扱っているような感覚で楽しめることを目的として開発されたアクションゲームです。そのために,「アート・オブ・バトル」というシステムを導入しました。
 「アート・オブ・バトル」の開発では,それぞれの近接武器ごとに,その道の達人にアドバイスをもらい,モーションキャプチャにも協力してもらいました。さらに,彼らの動きをコントローラにどう落とし込むかについても聞いています。我々がどうやってリアルな接近戦を実現したか,実際にゲームを触ることで分かってもらえると思います。

※「アート・オブ・バトル」
本作では,敵とのバトル時,互いの構えを上と左右に切り替えて戦う。そこに攻撃の強弱や防御崩し,コンビネーション,強攻撃キャンセルなどを組み合わせた駆け引きを繰り広げる。直感的な操作が可能で,比較的簡単に多彩な戦い方が可能になっている。

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4Gamer
 シングルプレイのストーリーは,どのようなものになるのでしょうか。

Simard氏
 ゲームの根幹となるのは,「アート・オブ・バトル」を使った刀や剣でのアクションで,登場する勢力や衣装,風俗などには歴史にインスパイアされた要素が入っていますが,基本的にファンタジーです。「ストーリーモード」では,「アポリオン」というキャラクターがキーになり,彼女がどのようにして世界に戦いの火種を落としていくのかが語られます。そこで発生する戦乱が,マルチプレイで3つの勢力が戦う理由へとつながっていくんです。

4Gamer
 アポリオンとはどんなキャラクターなんでしょう。「彼女」ということは,女性のようですが。

Simard氏
 ええ,女性です。彼女はかつてナイト勢力に所属していた戦士で,小さい頃にヴァイキングに村を襲われます。そのときに,村を見捨てた同じナイトの「ロウブリンガー」という人物に恨みを抱きます。
 ヴァイキングの襲撃をなんとか生き延びた彼女は,「力こそすべて」という考えを信奉するようになり,のちにロウブリンガーを打ち倒して,その考えを世界に広めようとします。

4Gamer
 アポリオンの姿は,すでにどこかで披露していたりするんですか。

Simard氏
 実は今年のE3でお見せしたトレイラーの最後,矢を射るナイトがいますが,そのそばに立っているのがアポリオンなんです。

プロモーションムービーに姿を見せたアポリオン。同じムービーがαテスト版のオープニングに使われていた
画像集 No.002のサムネイル画像 / ここまで分かった「フォーオナー」。気になるストーリーモードの内容や,αテストの手応えなどについて,開発者に詳しく聞いた

 あのトレイラーでは,世界の破滅を経て,水を求める3勢力が戦う場面がメインになっているんですが,最後に血で水が汚れ,戦う理由がなくなってしまいます。そこに彼女が矢を射ることで,もう一度火種を注いで戦いを続けさせるんです。彼女の名前は,ムービーの終わりのほうで本人の語りの中に出てきますよ。


4Gamer
 そういえば……。つまり,ストーリーモードでは,その設定が物語の主軸になるんですね。

Simard氏
 はい,ストーリーモードではアポリオンと3つの勢力がどのように戦乱に関わっていくのかということを,3つの章で描いています。
 各章は勢力ごとに分けられていて,最初はナイトで始まり,次いでヴァイキング,侍という順で,それぞれの視点で物語を体験できるようになっています。プレイヤーキャラクターとしてさまざまなヒーローが登場し,彼らを使ってゲームを進めていくことで,それぞれの戦い方やバックグラウンドなどが学べるんです。

※「3つの勢力」
本作には「ナイト」「ヴァイキング」「侍」の3つの勢力が登場し,マルチプレイモードでは,これらのいずれかに所属して戦いに参加する。

4Gamer
 ちなみにSimardさんは,先日のUBIDAY 2016のステージイベントで,ストーリーモードをヴァイキングでプレイされていましたが,あれはストーリーのどのぐらいの位置になるんですか。

Simard氏
 あのシーンは,ストーリーモードでは,ちょうど中盤ぐらいですね。我々はあのシーンを「ヴァイキング版ノルマンディ上陸作戦」と呼んでいて,ヴァイキング達が船で侍のいる砦の前に上陸して,戦う場面が描かれています。それによって,ヴァイキングがどのように上陸するのか,侍がいかに砦を守るのか,ということが分かります。

4Gamer
 あのデモプレイでは,敵と戦うだけでなく,ロープを使って壁を登ったり,城門を開けたりするといったアクションがありましたが,ああいう演出はストーリーモードのいろいろなところに入っているんですか。

Simard氏
 そうです。敵と戦うだけでなく,ああいうシーンを入れることで,展開に起伏をつけています。戦闘の連続ですと,ゲームが単調になってしまいますからね。

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4Gamer
 なるほど。ところで,ストーリーモードには,Co-op(協力プレイ)があると聞いたんですが,それはどのようなものですか。

Simard氏
 ストーリーモードを始めた時点でオンラインに接続していれば,すぐにCo-opがプレイできます。人数は2人までで,どちらかが始めたミッションに参加可能で,プレイし始めたばかりの人を助けてあげたり,突破できずに止まっているところを,協力して進めたりするといったことができますね。難度は4段階ありますので,難しい難度に設定して2人でチャレンジするといった楽しみ方もできるでしょう。

4Gamer
 難度を上げると,どうなるんですか。

Simard氏
 詳しくは話せないんですが,単純に敵の攻撃力や防御力が高くなるだけではありません。いろいろなパラメータを調整していますよ。

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4Gamer
 そうなんですね。ところで,今回の3勢力はどのようにして決まったんですか。

Simard氏
 お話ししたとおり,メレーアクションがこのゲームの最大のポイントですので,刀や剣を使うのにふさわしいものを選びました。比較的なじみ深く,その姿をすぐイメージできる存在として,開発の最初からナイト,ヴァイキング,侍という3勢力が挙がっていて,そこから変わることなく進んできました。


αテストを終え,そのフィードバックから調整事項を検討中


4Gamer
 ところで,先日のPlayStation 4版のαテスト関連記事)の反響はいかがでしたか。

Simard氏
 日本の皆さんも含めて,非常にたくさんの人にプレイしてもらえたことが,まずは成功だったと感じています。さらにいろいろなフィードバックももらって,プレイヤーがどの部分を重要視しているのかも分かりました。我々としては,これから何をやるべきかを理解したという感じです。参加してくれた人には,本当に感謝の気持ちでいっぱいですね。

2016年10月20日〜24日に開催されたαテストの様子。マルチプレイ対戦はもちろん,BOT相手に戦えるモードも用意された
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4Gamer
 αテストでもとくに人気があった「ドミニオン」モードは,かなり駆け引きの熱い対戦が楽しめました。あのルールはどのようにして決まったんですか。

Simard氏
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 プロトタイプが完成したところで,毎週金曜日の夕方に開発スタッフが集まって,いろんなルールを全員で試しながら,面白そうな要素を探してきたんです。その結果,完成したのがドミニオンで,あれが決まったのは,初めて本作を公開したE3 2015開催の直前でした。どうなるかなと思いつつ,E3で公開すると,ご存じのように非常に大きな話題になり,我々のデザインが間違っていなかったと自信が持てました。
 あのモードは「デュエル」「ブロウル」のように,プレイヤーの直接対決だけでなく,ゾーンの制圧や防衛などでも貢献できますから,αテストで初めてプレイして,1対1の戦いに自信のないという人でも参加しやすかった。人々の話題になったのは,そういう理由もあったのかもしれませんね。

※「ドミニオン」
敵を倒したり,マップの特定のゾーンを奪取したりすることで得られるポイントを競うもの。ポイントが1000を超えると相手チームがリスポーンできなくなり,ここで敵をすべて倒せば勝利する。MOBA的なルールが採用されたモード。

※「デュエル」
プレイヤー同士のタイマン勝負。純粋にゲームの腕が問われる。

※「ブロウル」
2人対2人で戦い,相手2人を倒したほうが勝ちとなるチーム戦。

4Gamer
 ドミニオンのルールは,αテストの時点でかなり完成されている印象を受けました。あの形から,さらに拡張する構想はあったりしますか。

Simard氏
 ドミニオンに限らず,ゲームに盛り込みたいアイデアはたくさんあるのですが,現段階では,まずゲームを完成させることが最優先ですね。そのあとでプレイヤーの反応を見つつ,何か新しいことをやっていく予定です。

4Gamer
 ちなみにSimardさんのオススメのキャラクターは,誰でしょうか。

Simard氏
 私個人のオススメとしては,「ヴァンガード」の3人がベーシックなキャラクターなので,彼らを使って「アート・オブ・バトル」の基本を学んでほしいですね。そのうえで,それとは異なるタイプのヒーローを選び,その2人を使って腕を磨くのがいいと思います。

ヴァンガードタイプのヒーロー3人,「ウォーデン」「レイダー」「剣聖」は,αテストでも最初から使えた
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※「ヴァンガード」
ヒーロータイプの一つで,攻防に優れたオーソドックスなもの。ただし,タイプは同じでも,勢力が異なれば武器や技も異なる。

※「異なるタイプ」
ヴァンガードのほか,防御に優れた「ヘビー」,攻撃に優れた「アサシン」,各タイプの力を合わせ持った「ハイブリッド」の4タイプが各勢力に用意されている。つまり,合計12人から1人を選べる。

4Gamer
 αテストのときは,ヒーローに簡単なカスタマイズができましたが,製品版ではどのようになるのでしょうか。

Simard氏
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 カスタマイズ要素については,ゲームをプレイして直接手に入れるアイテムや,戦いの結果によって得られる「スティール」というゲーム内マネーを消費するアイテムなどで行えます。
 武器やアーマーも用意されていますが,これらは強さや防御力の高さではなく,見た目の良さを重視しています。装備によって強さが変わると,プレイヤー同士の差が開いてしまいますからね。カスタマイズしても,強さはあまり変わらないようになっています。
 そのほか,フィニッシュムーブの「処刑」エモートなども変更できるようになりますので,それらを使うことで,対戦相手に「ゲームをやり込んでいる」ことをアピールできますよ。特定のフィニッシュムーブには,モーションが長い分,体力回復できるなど,戦術として使えるものもあるので,かなり面白いと思います。

※「処刑」
敵を倒すとき,画面の指示どおりにボタンを押すことで,より残酷なアクションになる「処刑」モードが発動する。ドミニオンでは,これを成功させることで敵のリスポーン時間が長くなるというメリットがある。


現在はゲームの調整とデバッグの最中。βテストや発売後のアップデートも検討中


4Gamer
 今後の予定として,教えてもらえるものはありますか。

Simard氏
 ディレクターとしての仕事は,一段落しています。私自身はバケーションに行きたい気分なのですが,スタッフには許してもらえそうにありません(笑)。現在はデバッグとバランス調整,ブラッシュアップを進めているという段階です。
 どこかのタイミングで,βテストをやりたいと考えているのですが,それもまだ検討中で,具体的にはまだ決まっていません。
 2017年2月にゲームが発売されれば,続いてオンラインの運営という仕事があり,そこでプレイヤーの不満を解消したり,新たな要素を入れたりしていきます。また忙しくなるでしょうね。

画像集 No.008のサムネイル画像 / ここまで分かった「フォーオナー」。気になるストーリーモードの内容や,αテストの手応えなどについて,開発者に詳しく聞いた

4Gamer
 ちなみに,本作の開発にはどのぐらいの人数が携わっているのでしょうか。

Simard氏
 開発スタッフはモントリオールスタジオだけで約270人がいて,そのほか,トロントやケベック,また海外ではドイツ,中国,インドのスタジオも協力しています。数えたことはないんですが,総数ではその倍ぐらいになるでしょう。

4Gamer
 すごいですね。では最後に,本作に期待している日本のプレイヤーにコメントをお願いします。

Simard氏
 まず,αテストに参加してくれた人には,ここでお礼を申し上げます。最新の情報については順次発信していきますので,それを逃さないように,公式サイトやTwitterなどをフォローしてください。そして発売まで,ぜひ期待して待っていてください。

4Gamer
 本日はどうも,ありがとうございました。

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