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切なすぎる結末に胸が震える「レンドフルール」のプレイレポートを掲載。世界の命運を背負う“レーヌ”と騎士達の絆と恋の物語

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 アイディアファクトリーが展開する乙女ゲームブランド“オトメイト”のPS Vita用ソフト「レンドフルール」が本日(2015年8月20日)発売される。
 本作は,衰退を辿る世界の救済を担う女神の依代“レーヌ”と,彼女に仕える4人の騎士の絆と恋を描いた恋愛アドベンチャーだ。
 薄葉カゲロー氏による繊細なタッチのキャラクターデザインや,美麗な背景ビジュアル,独特の会話システム“ラヴィール”など,多くの要素で注目を集める本作のプレイレポートをお届けしよう。

「レンドフルール」公式サイト



世界の救済を託された“レーヌ”と騎士の物語


 本作の舞台となるのは,天上に浮かぶ聖域「パルテダーム」。常に春のような気候で,いたるところに花が咲き乱れている楽園のようなこの場所は,慈愛の女神「ミレーヌ」が生命エネルギーの源「グラース」を地上に届けるために創った土地だ。

グラースが満ちているパルテダームは,美しい自然が広がる楽園
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 眠りについた女神に代わり,世界の存続に欠かせないグラースを地上に分配する使命を負っているのが,女神の依代である「レーヌ」で,レーヌは地上にある4つの国から1人ずつ選出される騎士達を媒介にして各国にグラースを届けている。

凛とした雰囲気を持つヴィオレットだが,箱入り状態で育てられたため世情に疎く,ちょっと抜けている可愛らしい一面も
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 しかし,ある時を境に代々受け継がれていたレーヌが空座となったため,グラースの供給が止まり,地上の国々は衰退の一途を辿っていた。そんな中,ようやく誕生した次代のレーヌが主人公である“ヴィオレット”(名前変更可能)だ。
 物語は彼女がレーヌとして,各国の騎士をパルテダームに呼び寄せるところからスタートする。

パルテダームに集結した騎士達。眩しいくらいにイケメン揃い!
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 ヴィオレットの騎士としてパルテダームの地にやってきたのは以下の4人の面々。

 北方の国ピヴォワンヌの騎士“レオン”(CV:興津和幸)は,貴族の生まれにも関わらず,放蕩三昧だった自由人で,ヴィオレットの姿絵を見て一目惚れしてしまい,正規の選出者を押しのけて騎士になった異例の人物だ。
 初対面の時から求婚するほどヴィオレットにゾッコン。最初から友好的なのはありがたいが,好きだという気持ちが溢れ過ぎていて,本人からはちょっと引かれ気味なのがやや不憫……。

初対面からヴィオレットを抱きしめるレオン。そりゃ引かれてもしょうがないよね
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 南の大国カンパニュールの騎士は,同国の王子であった“ルイ”(CV:浪川大輔)だ。ブロンドの髪にエメラルドグリーンの瞳,物腰柔らかな立ち居振る舞いは,絵に描いたような王子様といった印象だ。しかし,いつも笑顔を絶やさず,腹に一物抱えたような物言いは,うさんくささが拭えない。
 また,何に対しても異常なほど執着心がなく,すべてどうでもいいと思っているような節があり,騎士としての適性は低いのかも。必要とあらば味方をも騙すような腹黒さも持ち合わせており,ある意味最も恐ろしいキャラ。

ルイにとって甘いセリフはお手の物。その言葉は本心なのか?
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 4か国の中でも荒廃が進んでいる東の国クリザンテーム出身の“ギスラン”(CV:近藤 隆)は,元軍人で,上に立つ者の資質に強いこだわりがあり,非常にプライドが高い。その分,一度認めた者に対しては絶対の忠誠を誓うという,自他共に厳しい最も騎士らしい人物だ。お国柄,女性が上に立つことにも強い抵抗があるようで,ヴィオレットには厳しい態度で接してくる。いわゆる“ツンデレ”なので,デレた時の萌え指数はピカイチ!

いつも厳しいギスランが,ふと見せるぶっきらぼうな優しさにギャップ萌え
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 最後の1人は秘境と呼ばれる西国ウィエ出身の“オルフェ”(CV:KENN)だ。孤児だった彼は吟遊詩人として祖国の各地を回っていたという経歴の持ち主。明るく朗らかな,誰とでも仲良くなれる社交的な性格で,我の強い騎士達の中では,場の空気を読んでさりげない気遣いができる癒し系だ。ただ,その出自ゆえか,強い孤独を抱えており,時おり酷く寂しげな表情をみせる。騎士としての使命にもどこか迷いがあるようだ。

儚げで守ってあげたくなるような美少年のオルフェ。彼の優しさに癒やされること間違いなし
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 前述のとおり,グラースを地上に届けるにはレーヌと騎士が絆を結ぶことが必要不可欠なのだが,使命そっちのけで求婚してくる者,本心を明かさない者,そもそも主として認めてくれない者など,足並みはバラバラで前途多難な様子だ。ヴィオレットは自らの使命を果たすべく,彼らの信頼と忠誠を得るため,行動を開始することに……。

4人の騎士全員のルートをクリアすると攻略可能になるのが,パルテダームの宰相“ユベール”(CV:杉田智和)だ。ヴィオレットの育ての親で,彼女を過保護なまでに大切にしているようだが……
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勝利=正解とは限らない,会話バトル“ラヴィール”


対話によって相手の考えや気持ちを知り,絆を深めていく,それがラヴィール!
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 本作は,会話をベースとした独自システム“ラヴィール”を主軸にシナリオが進行していくアドベンチャーゲーム。第1部から第3部までで構成されているシナリオ中に,いわゆる通常選択肢は出現せず,好感度の増減や物語の分岐はすべてラヴィールの結果で変化していく。ラヴィールには勝ち負けがあり,時間制限付き選択肢やコマンド入力による会話バトルで,相手をうまく説き伏せることが勝利への鍵となる。

茜と瑠璃は,初期段階だと1人分の情報しか持ってこられないが,「ショップ」で購入できる“金平糖”をあげと能力がアップする
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 ラヴィールはストーリー中の随所で発生するが,まずは相手となる騎士を選択するところから始まる。相手を選んだら,次はラヴィールに向けた情報収集だ。ここでポイントとなるのが,「誰に聞くか」ということ。有益な情報を持っていそうなキャラを選択して聞き込みをしていこう。どのキャラが有益な情報を持っているのかは,ヴィオレットに仕える双子,茜と瑠璃がリサーチして教えてくれる。

有益な情報を持っていると判明しているキャラにはマーカーが表示される
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有益な情報を取得できるとアイコンが出現
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選択したキャラによっては,まったく関係ない会話で終わることも

情報を得られるかどうかが勝負の分かれ目。難しいと感じたら,迷わず金平糖を買おう
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 聞き込みのあとは,収集した情報の中から役立ちそうな情報を選ぼう。これはRPGで武器や防具を装備する感覚に近い。有益な情報を選べばラヴィールを有利に進められるので,アイコンが表示されている情報を優先して選択するといいだろう。

 情報のセッティングを終えたら,いよいよラヴィールがスタート。ラヴィール中は,相手との会話の途中に時間制限付き選択肢と,順番どおりにボタンを入力していくタイムアタックモードが出現する。正しい選択肢を選ぶと相手のHPが減少し,終了時に相手のゲージを0にするか,自分よりも少なくできれば勝利となる。

ラヴィール中の画面。左上にあるゲージがHPの表示で,上がヴィオレット,下が相手キャラのものとなる。その上にあるアイコンは,会話の状況が有利か不利かを表すフィールドランプだ
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フィールドランプや画面のフレームがピンク色に近いほど,相手により大きなダメージを与えられる。有益な情報はこのフレームをピンク色へと変化させてくれる
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ラヴィール中の選択肢はすべて時間制限付き。タイムアタックモードでは,自分が有利な状況ほど制限時間は長く,コマンド入力数も少なくなる
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愛情/忠誠度を示すパラメータ。ピンクが愛情で,青が忠誠だ。騎士達とどういった関係になりたいかを考えながら,うまく調節していこう
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 ラヴィールの結果によって,第1部では騎士達の体内を満たすグラースの値が,第2部からは愛情度・忠誠度のパラメータが変動し,その後のストーリー分岐が変化していく。勝利すればご褒美イベントが見られ,敗北が続けば途中でバッドエンドを迎えてしまうことも。

 しかし,すべてに勝利することが正しい選択とは限らないのが本作の難しいところ。ラヴィールで負けることにより見られるイベントも存在するのだ。また,あえてどちらの選択肢も選ばないというのも1つの選択であることを頭に入れておくといいだろう。
 とくに第2部以降は,選択肢を選ばないことで愛情/忠誠度がアップするという展開も多い。制限時間があると何かしら選ばなくては,という使命感が生じるのだが,そこで何も選択しないことも本作の攻略における重要なポイントだ。

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“勝利条件”も勝負の重要なヒントに。ただ,第2部以降はショップでポイントを消費して開放しない限り知ることができない
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ラヴィールに勝利すると,結果に応じた“ポイント”を獲得できる。集めたポイントは金平糖やオマケ要素と交換できる

バリエーション豊かな背景ビジュアルは,どれも息をのむ美しさ
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 本作をプレイして最初に衝撃を受けたのはビジュアルの美しさ。とくに背景ビジュアルは,世界観とも相まって,美術品かと思えるほど美しい出来栄えだ。さらに,怒涛のストーリー展開も衝撃的だった。
 第1部は騎士達との絆を深めることが目的となるため,比較的ほのぼのとした日常的なエピソードが続き,コミカルなシーンも多い。しかし,第2部からは雰囲気が一変,明らかになった真実と,その後の展開は非常に悲劇的だ。正直なところ,乙女ゲームで選択肢を選ぶことがこんなに辛いと感じたのは初めてだった……。
 個別ルートとなる第3部でもその雰囲気は変わらず,ドキドキハラハラするストーリーが続く。1つ1つの選択の重みが増していくので,ラヴィールの緊張感も非常に高まる。

 グッドエンドにあたる“忠誠エンド”と“愛情エンド”の2種類のエンディングは,とにかく切ない! 何を犠牲にしても愛する人と結ばれたいという,レーヌと騎士達の強い想いには胸を締め付けられてしまった。こう書くと,ただ悲しいだけのストーリーに思われるかもしれないが,想いが通じ合い,幸せで甘々なエピソードもちゃんとあるのでご安心を。切ない恋が大好物な乙女達には,ぜひオススメしたい1本だ。レーヌと絆で結ばれた騎士達の甘く切ない結末を,その目と耳で確認してもらいたい。

重い使命を背負った姫と騎士達を待ち受ける結末は……
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