連載
アートのようなゲーム。インスピレーションを刺激しまくるiOS向けドローパズル「Blek」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第454回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」で紹介する「Blek」は,日本の「俳句」と「墨絵」がヒントになって生まれたというパズルゲーム。真っ白なキャンバスに指でラインを描き,指を離した瞬間からそのラインが命を持ったように動き出すという,不思議な感覚を味わえる作品だ。まずは,以下のムービーで雰囲気を確認してみてほしい。
「Blek」ダウンロードページ(App Store)
プレイヤーの目的は,フィールドに配置された色付きの球体を,自らが描いたラインを使って消していくこと。画面を指でなぞると黒いラインが生まれ,指を離せばそれまでの動きを繰り返すようにラインが躍動する。これを活用して,球体をうまく消していくのが本作の主な楽しみ方となる。
ちなみに,動き出したラインは,左右の端まで到達するとそのまま反射するように折り返すので,行き詰まったときは思い出してみてほしい。
序盤のステージは,球体をを狙って線を引けばクリアできるものばかりだが,中盤以降のステージでは,接触するとラインが消滅するブラックホールが登場し,難度はグッと高まる。
ただ,リトライに制限はないので,ブラックホールをまたぐようにカーブを描いたり,複雑なルートを描いたりするなど,さまざまなパターンを試してみるといいだろう。何度か続けていれば,そのうち球体だけにうまく当たるはずだ。
そして,本作のもっとも面白いところは,正解が1つだけではないという点だろう。頭の中で思い描いたようにラインを動かしてクリアできることもあれば,偶然クリアできることもある。
画面内の色付き球体をすべて消すと次のステージに移る。また,画面左下の矢印をタップすれば,ひとつ前のステージへいつでも戻ることができるが,ステージ選択画面はなく,メニュー画面もない。パズルゲームによくある「クリア評価(少ない手数でクリアするほど評価が高いなど)」といった要素も存在しないので,自分のペースでのんびりと楽しめるだろう。
ステージを進めていくと,小さな球体を内包したカラフルな球体が出現。この球体にラインを当てると小さな球体が発射される |
効果音もかなり心地よいものばかり。ぜひこの不思議な空間に酔いしれてほしい |
後半のステージでは,ブラックホールがフィールド内に敷き詰められていたり,明らかに通過する必要のなさそうな場所に配置されていたりと,ギミックが複雑化する。パズルとしての難度はなかなかのため,何度もリトライすることになるだろう。
それでも,この美しいラインが描かれる世界は,一度体感してみる価値がある。想像力に自信があるという人は,誰も思いつきそうにない描き方で,クリアを目指してみるのもいいかもしれない。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。
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(C)2013 Denis Mikan