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印刷2014/03/12 12:00

インタビュー

新生グラスホッパー・マニファクチュア誕生から1年。ガンホーグループ合流後も揺るぎない同社のチャレンジ精神について,須田剛一氏に聞いた

グラスホッパー・マニファクチュア 代表取締役 須田剛一氏
 グラスホッパー・マニファクチュアが,ガンホー・オンライン・エンターテイメントグループに加わるというニュースが報じられたのは,今から1年ちょっと前,2013年2月のこと。
 独自の世界観を持つゲームで世界中にコアなファンを抱える独立系デベロッパのグラスホッパーが,スマートフォン向けアプリ「パズル&ドラゴンズ」iOS / Android)で世間の注目を集めていたガンホー・オンライン・エンターテイメントに合流するということで,大きな話題を呼んだ(関連記事)。

 とはいえ,2013年のグラスホッパーは,以前から企画開発に取り組んでいたタイトルのリリースが相次ぎ,ガンホーグループ合流後に新作として発表されたのは,PlayStation 4向けソフト「リリィ・ベルガモ」と,そのスマートフォン向けコンパニオンアプリのみ。
 そこで4Gamerでは,グラスホッパー・マニファクチュア 代表取締役 須田剛一氏に,同社がこの1年,水面下で何をやってきたのか,デベロッパとして今後はどういった方向に進むのかなどを問うとともに,須田氏自身のゲーム作りに対するアプローチを,あらためて聞いてみた。


「リリィ・ベルガモ」を筆頭に

新タイトルの開発が続々と進行中


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。2013年2月にグラスホッパーがガンホーグループに合流してから,1年が経ちましたね。

須田剛一氏(以下,須田氏):
 あっという間の1年でしたね。この1年は,まさに“新生グラスホッパー”の幕開けでした。独立系のデベロッパだった頃とは違い,今は自分達で企画を立てて,それを形にしていくという,シンプルなゲーム作りに集中しています。デベロッパとしての原点に回帰したというか。

4Gamer:
 具体的には,どんなタイトルの開発をしていたのでしょう?

須田氏:
 まず,2013年9月に発表し,東京ゲームショウ 2013でもステージイベント(関連記事)をやった「リリィ・ベルガモ」ですね。それ以外にも,次世代機向けを含め,コンシューマゲームを何タイトルか準備中です。
 さらにスマートフォン向けタイトルも仕込んでいます。その中には,すでに発表しているリリィ・ベルガモのコンパニオンアプリもあります。こちらは単独でも遊べる内容になるよう開発しているんです。

リリィ・ベルガモ

4Gamer:
 2014年1月には,「SHORT PEACE 月極蘭子のいちばん長い日」もリリースされました。

須田氏:
 ええ。ただ厳密に言えば,グラスホッパーが担当したのはゲームコンセプトとシナリオ,そして僕の監修です。したがって,新生グラスホッパーとしての本格的な取り組みと言えるのは,次のタイトルからということになります。
 こちらは発表しているとおり,2014年内にリリースできるように鋭意開発中です。

4Gamer:
 各タイトルの進捗はいかがですか?

須田氏:
 今の段階では,まだ話せることが少ないんですが,ガリガリ作っている真っ最中ですよ。とくに次世代機向けタイトルは,日本でもいよいよPlayStation 4が発売されるということで,巻き起こる熱気を想像しながらあの手この手を尽くしています。

4Gamer:
 なるほど。それではガンホーが,現在,グラスホッパーの各タイトルにどのくらい関わっているのかを教えてください。

須田氏:
 グループのトップである森下(ガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長CEO 森下一喜氏)と,毎週ミーティングをやっています。それも毎回,数時間という単位でです。
 その中で,物作りに対するアプローチや“面白い”という言葉の基準の照らし合わせ,遊びの中身の確認など,密度の濃いやり取りをしています。

4Gamer:
 森下さんと須田さんのお二人に共通する面白さというと,どんなものなんでしょう? これまでガンホーとグラスホッパーは,かなり異なる文化でゲームに向き合ってきたかと思うんですが。

須田氏:
 そこはすごくシンプルで,“遊んで面白いもの”ですね。ガンホーは「おもしろ果汁100%」を開発ポリシーに掲げていますが,グラスホッパーはそこにピリッとしたものを加える感じ──「おもしろ果汁100%スパークリング」とでも言いましょうか。


新しいチャレンジの継続こそがグラスホッパーらしさ

そのために優れた人材を募集中


4Gamer:
 世界中にいる往年のファンの中には,グラスホッパーが独立系デベロッパでなくなったことによって,これまでの持ち味が失われてしまうのではないか? と不安を抱いている人もいるようですが……。

須田氏:
 そういった“グラスホッパーらしさ”というのは,人それぞれ基準が違うと思うんですよ。そもそも僕ら,グラスホッパーのスタッフ一人一人からして,同じ基準ではありませんから。
 そうした中で,僕がこれからやりたいのは,既存のグラスホッパーらしさを,一つ一つ丁寧に破壊していくことなんです。その破壊行為の中から,新しいアイデアの提案と,新しい遊びを作り上げることをやりたいんです。それがグラスホッパーらしさとして受け入れられるようになるのが,一番いいんじゃないかなと。

4Gamer:
 まさに,破壊なくして創造なし。といったところでしょうか。

須田氏:
 ええ。破壊王イズムです。これまで自分で作ってきた“型”があるからこそ,それを破らないと新しいものは生まれないんです。
 プロレスにたとえると,いつまでも同じフィニッシュホールドを使い続けたり,単に改良するのではなく,新しい技を作っていこうというわけです。

4Gamer:
 ただ,ゲーム市場の流れを長年見ていると,なかなか新機軸や新しいイメージが受け入れられないケースも多いですよね。新しい刺激を求める声が多い一方で,過去の経験に照らし合わせて,安心して遊べるものの人気は根強いですし。

須田氏:
 いわゆる“ゲーミング”という言葉がありますよね。僕はそれをビデオゲームにおける定着したルールと入力の法則を指していると捉えています。つまり,“ゲーミング”をガイドラインにしてゲームを設計してもいいわけです。
 でも僕は,まったく違う提案をしていきたいんですよ。アナログスティックを移動の手段とすべきなのか,いやもっと違うアイデアがあるのではと,そこに戻って設計していきたいと。というのも,そういった新しいチャレンジを多くのプレイヤーが待っていてくれると確信しているからです。

4Gamer:
 グラスホッパーはほかとは違うんだぞ,と。

須田氏:
 でも,アナログスティックは移動に使うと思いますが(笑)。
 実際のところ,多くのプレイヤーは新しい遊びを求めています。しかし,新しいチャレンジをしているタイトルはなかなかない。ビデオゲームで常に求められているのは,大胆なチャレンジをして,新しい遊びを提案するタイトルだと思うんです。そういうゲームをきちんと作れば,必ず届くと信じています。

4Gamer:
 そうやって,須田さんが「本当に新しいチャレンジは,必ず届く」という信頼をゲーマーに抱くようになったのは,いつ頃のことなんですか?

須田氏:
 まず僕自身が,遊び手としてゲームに新しいチャレンジを求めてきましたからね。それを子供の頃にゲームセンターで体感してきました。だからこそ,新しいゲームを待っている人が向こう側にいると信じて,その思いを一つ一つのアイデアや,一文字一文字のテキストに込めてゲームを作ってきました。その結果,グラスホッパーは世界中のプレイヤーに知ってもらえて,これまで16年続けることができたわけです。
 “新しいゲーム”という定義は非常に難しいですが,ディレクターの強い思い,情念のようなものがスタッフに伝わり,それが新しいゲームという形になって多くの人に遊ばれ,世の中に拡散されていく。そういう確信が,僕の中にあります。

4Gamer:
 つまり,須田さんのような気質のゲーマーの存在を信じ,新しいチャレンジを続けていくということですね。

須田氏:
 ええ。そして新生グラスホッパーでは,よりわがままに新しいチャレンジをしていきたいですね。そのためには,新生グラスホッパーを,より強いチームにしていく必要があります。そこでグラスホッパーでは,広く人材を集めようとしているんですよ。

4Gamer:
 確かに今,グラスホッパーの公式サイトで人材募集をしていますよね。

須田氏:
 はい。しかしそれは,これからグラスホッパーが,再び多作化していくから……という理由ではないんです。

4Gamer:
 えっ,そうなんですか?

須田氏:
 ええ。これからプロジェクトを進めるにあたり,一つ一つのタイトルを丁寧に開発していくのはもちろんですが,新たな研究も重ねなければなりません。そのためにスタッフの層を厚くしたいというのが,大きな理由なんです。
 そこで,次世代機向けの開発に興味がある方をはじめ,広く人材を募集しています。

4Gamer:
 では,とくにどんな職種を求めているんでしょう?

須田氏:
 まずはゲーム作りの中核となるプログラマーです。
 次に,サーバープログラマーですね。サーバープログラマーは,ネットワークや通信処理など,通常のプログラマとは異なるスキルが必要になります。今後,グラスホッパーのタイトルは基本的にオンラインに対応していきますから,ここはとくに厚くしたい部分ですね。

4Gamer:
 オンライン対応というと,リアルタイム同期型ですか? それとも非同期?

須田氏:
 両方です。プレイヤー同士でマッチングして対戦するようなものもあれば,人と人とがつながるオンラインだからこそ可能な,まったく新しいものまで,いろいろやりたいですね。データを大量にやり取りするものから,ごくわずかでも人とのつながりを楽しめるものまで,幅広く考えています。
 ネットワークを利用して,何か新しい遊びを発明できないかと,僕を含めスタッフ一同,日々頭をひねっているところです。

4Gamer:
 なるほど。それでは,ほかの募集職種については,いかがですか?

須田氏:
 デザイナー全般も募集しています。3Dモデリング,背景,エフェクト,アニメーター,UIデザイナー,キャラクターモデルにボーンを入れるリガー……いずれも,これからのプロジェクトのために必要な人材です。
 あとは企画スタッフ若干名とレベルデザイナーも募集しています。レベルデザインといっても,さまざまな定義がありますが,ここではUnreal Engineを使い,ゲームの内容を設計したり,ゲームの目的に合わせたステージの形状を作ったり,その上にゲームの各アセット(モデル,サウンド,プログラムなど)を配置したりと,いわばゲームの遊びの仕組みを組み上げることを指します。昔で言う,マッパーです。

4Gamer:
 ということは,今後もグラスホッパーのコンシューマゲームには,Unreal Engineを採用していくということですか?

須田氏:
 将来的には必ずしもそれだけではないでしょうけど,当面はそうなりますね。
 ともあれ,コンシューマ,スマートフォンを問わず,広く展開していきます。繰り返しになりますが,そのために今,人材を求めているわけです。

4Gamer:
 ちなみに,ゲーム開発未経験者は,採用の対象になりますか?

須田氏:
 職種によりますね。プログラムだとゲームのエンジン部分や,ゲームプレイ部分は勘所も必要なため,未経験だと厳しいですし。
 でも僕自身,ゲーム業界に入ったときは未経験者でした。企画やデザインのような職種であれば,未経験者でもチャンスはあると思いますよ。その場合,いかに情熱を伝えてくれるかが,キーになるでしょうね。


身近なスマホだから遠くに飛べるゲームを

次世代機では誰も見たことのないゲームを


4Gamer:
 それでは,今後のグラスホッパーの方向性について,もう少し教えてください。まずスマホアプリについてですが,グラスホッパーでは,これまでにも何作か手がけていますよね。今後は,どのような方向に進むのでしょう?

須田氏:
 いわゆるソーシャルゲームというよりは,もっと違う遊びの入ったものにしたいですね。たとえばグラスホッパーとして最初に作ったスマホアプリ「フロッグミニッツ」iOS / Android)は,僕自身が作ってみたいゲームの一つでした。あのゲームは,蛙を捕まえるために美しい景色の中に入り込むという内容でしたが,あのときの経験で得たものは大事にしていきたいですね。
 スマートフォンという身近な存在だからこそ,遊びの向こう側に何かを感じられるもの,身近だからこそ違う場所にすぐ飛べるようなものを目指したいと思っています。

リリィ・ベルガモ
リリィ・ベルガモ リリィ・ベルガモ

4Gamer:
 コンシューマ機やスマートフォンなど,プラットフォームの特性に合わせた遊びを提案していくという感じでしょうか。

須田氏:
 いや,そういう形で固定していくわけでもないんです。マルチパーパスといった,すべてのプラットフォームで同じコンテンツを提供するという考え方もあります。
 ただ基本的には,コンシューマの次世代機だからこそ,あるいは,身近なスマートフォンだからこそというように,プラットフォームそれぞれに最も適した形で各タイトルを提供していく方向を大事にしたいな,と。

4Gamer:
 昨今では,スマートフォンのスペックが上がり,コンシューマゲームと遜色ない内容のスマホアプリも見受けられるようになりました。でも,必ずしもそういう方向に進むわけではないということでしょうか?

須田氏:
 そこはもう,ガンホーの「パズル&ドラゴンズ」がいい例ですよね。スマートフォンのタッチ操作を徹底的に遊びやすい入力に磨き上げたゲームのフラッグシップが,パズドラですから。

4Gamer:
 コンシューマゲームのようなものをスマホで展開するのではなく,スマホに適した遊び方を重視するということですね。

須田氏:
 ええ。森下と感覚を共有していますから,グラスホッパーにも新しいスマホアプリが生み出せるんじゃないかとは思っています。

4Gamer:
 そういえば,「解放少女」ニンテンドー3DS / iOS)は複数のプラットフォームで展開していますけれど,個人的にはiOS版が一番遊びやすかったです。

須田氏:
 ああ,ありがとうございます! 解放少女のiOS版は,バリバリのコンシューマシューティングを,スマートフォンでいかに操作しやすく,かつ隙間の時間でいかに遊んでもらうかを課題にしていました。
 結果として,非常にうまく仕上がったんじゃないかと思います。それでも,まだまだやるべきことはたくさんありますよ。


4Gamer:
 やるべきこと,ですか。
 具体的には,どんな感じでしょう?

須田氏:
 それらを盛り込んだ企画はすでにいくつも挙がっているんですが,まだお話はできません(笑)。

4Gamer:
 やはりそうですか……。
 それでは,ジャンルはどうでしょう? グラスホッパーのコンシューマゲームは,最近,アクションが多かったように思うのですが。

須田氏:
 僕個人は,ノンジャンルのゲーム,ジャンルにカテゴライズされないものを作りたいと思っています。ジャンルから作るのではなく,世界観や物語,あるいは遊びの仕組みから創造していくような。
 ある意味では,自分達の発想だけで「killer7」を数年潜って作ったときに近いというか。

4Gamer:
 ああ,なるほど。
 過去の作品の例でいうと,世界中のグラスホッパーファンの間では,「花と太陽と雨と −終わらない楽園−」の評価が高いですよね。あのゲームも,アドベンチャーというスタイルですが,それにとらわれないものを目指していた印象を受けます。

須田氏:
 花と太陽と雨とは,ニンテンドーDS版を海外でリリースしたところ,すこぶる評判が良かったんですよね。「人生のベストゲーム」とまで表現してくださる熱心なファンも大勢いらっしゃいます。それまでは,killer7について,そういう評価をしてくださる方が多かったんですが。
 そういった評価を得られたのは,先ほどお話したように,“新しいゲーム”を作るチャンスがあったからこそ,遊んだ皆さんの心に残るゲームになったんだと感じています。今後もまた,そういうゲームを作りたいですね。

4Gamer:
 よく分かります。ただ一方で,無料で遊べるゲームが大量に溢れていて,ちょっと遊んで気に入らなければ次に行ってしまうような傾向もありますよね。その先にどれだけ心に残るものが待っていようとも。

須田氏:
 確かにそういった傾向があること,そういったタイトルが多いことは認識しています。
 でもやはり,本当に新しいチャレンジをしたタイトルというのは輝いて見えるものだと思うんですよ。近年だと「風ノ旅ビト」や「Hotline Miami」なんかがそうだと思うんですが,新しさが遊びの醍醐味として多くのゲーマーに受け入れられるような下地は,まだきちんと存在していると思うんです。

4Gamer:
 なるほど。

須田氏:
 だからこそ,インディーゲームが世界的に注目されていると感じています。繰り返しになりますが,本当に新しいものに対して,ゲーマーは裏切らないという信頼関係があると信じています。それを信じて,グラスホッパーとしても迷うことなく進んでいきたいんです。

4Gamer:
 そこで言う“新しさ”というのは,これまでずっとゲームを遊んできた人なら気付くようなものですか? それとも……?

須田氏:
 ゲームをずっと遊んできた人はもちろんですが,あまりゲームに触れてこなかった人にも届けたいです。そのためには,子供から大人になる過程の一番多感な時期に,最高の環境を実現できるコンシューマ機で,最高のゲームを提供することが必要だと考えています。


「リリィ・ベルガモ」以降の数タイトルの開発は

外的要因にとらわれず,自然体で臨む


4Gamer:
 それでは須田さん自身についても教えてください。
 ゲームクリエイターというと,ゲームを作ることは好きでも,あまりプレイをしないタイプの方もいらっしゃいますが,須田さんはいかがですか?

須田氏:
 僕はそこそこプレイするほうですね。最近では「ゼルダの伝説 神々のトライフォース2」の本編をクリアして,すれちがい通信のコンプリートを目指しています。

4Gamer:
 けっこうはまってますね(笑)。

須田氏:
 いやもう,昔からゼルダ派ですから。本当に面白くて(笑)。
 それ以外も,これまでは研究や勉強のために注目作をプレイすることもあったんですが,今後はそういう遊び方はやめていこうと思っているんですよ。

4Gamer:
 それは,なぜでしょう?

須田氏:
 少しインプットをコントロールしようと思うんです。インプットが多すぎると,ゲーム作りというアウトプットにノイズが混ざってしまうことがあります。
 実はこれまでも,タイトルごとにインプットの量を変えていました。例えばkiller7のときは,自分の中にあるものだけでやろうと,一切のインプットをやめました。ゲームはもちろん,映画もすべて排除して。
 今はそのときと違って,一人のゲーマーとして,自分がやりたいゲームはきちんと遊んでいます。もちろん,そうやって遊びながら,仕事柄チューニングの感覚は意識してしまいますが。でも今後はさらにフィルターをしっかりとかけて,自然体で自分のゲームに取り組もうと考えているんです。リリィ・ベルガモと,そのあとの数本は,とくにそんなスタンスで進めたいと。

4Gamer:
 ゲームを作っていくうえで,ゲーマーとして遊びたい気持ちまで抑え込んだりするのは,しんどくなったりしませんか?

須田氏:
 いや,それは大丈夫ですね。ゲームを作っていてしんどいと思うことは,とくにありません。
 というのも,ゲーム業界に入ったばかりのヒューマン時代,納期が短いとか睡眠が取れないとか休みが一年間無いとか,開発における一番しんどかった過酷な現場で。それを若い頃に通過してしますから(笑)。

4Gamer:
 ああ……。

須田氏:
 あそこには,ゲーム開発において起こりうる過酷な状態がすべてあり,それでも多くのプレイヤーのために手を抜くわけにはいかなくて,さらに過酷になっていくという状況がありました。それと比較すれば,以降は恵まれていると思いますから。

4Gamer:
 あのときよりは全然マシだと。

須田氏:
 そうです。自分のルーツに過酷な体験があるから,少々のことではしんどいとは思わなくなっています。
 今のグラスホッパーはベテランぞろいですから,皆も百戦錬磨です。

4Gamer:
 「若いうちの苦労は買ってでもしろ」なんて言いますが,そういうことなのかもしれませんね……。
 ちなみに須田さんは,これからも現場でゲーム開発に携わっていこうとお考えですか?

須田氏:
 ええ。僕は「Shadows of the DAMNED」PlayStation 3 / Xbox 360)のあとの数年,開発から離れていたんですが,やっぱり現場が恋しかったんですよ。フロッグミニッツと解放少女は小さいチームで席の近くに置いていたので,毎日チェックできて楽しかったんですね。これからは規模の大小に関わらず,自分で丁寧にゲームを作っていくことを続けていきたいんですよ。さまざまなコンディションを確認しながら,現場でものを作っていくのが自然な姿なんじゃないかなって。
 恐らくゲームデザイナーって,何歳になっても続けられる仕事だと思うんです。映画監督に近くて。ピーター・モリニューも,ウィル・ライトも,任天堂の宮本 茂さんもそうですよね。そういったゲーム業界の偉人達がいまだに現役なんですから,僕なんかはまだ全然若手ですよ。
 若手といっても,新日本プロレスでいえば,さすがにヤングライオンは卒業していると思いたいですが(笑)。

4Gamer:
 ジュニアのタイトル戦線にからむぐらいにはなっているぞ,と。
 では最後に,今後のグラスホッパーの展望について,あらためて意気込みをお願いします。

須田氏:
 新生グラスホッパーは,何よりも丁寧なゲーム作りを標榜しています。しかし,この16年の歴史の中で,それこそが一番難しいことであることも理解しています。丁寧なゲーム作りができる環境を維持し続けること,それがゲームスタジオとしての年輪になりますし,プレイヤーの皆さんにより信頼していただくために必要なことでもあると考えています。皆さんの信頼を得られるようなゲーム作りを,今後も続けていきたいですね。
 これから新生グラスホッパーは,次世代機向けタイトルやスマホアプリを続々と開発していきます。そのために,リリィ・ベルガモの開発スタッフをはじめ,世界に向けて一緒にゲームを作る人材を募集しています。オフィスは丸の内にあり,東京駅からも有楽町駅からも銀座駅からも近いという最高の立地です。またグラスホッパーを含め,ガンホーグループは非常に従業員を大事にしています。ゲーム屋にとっては,安心してものを作る環境が保証された,非常に働きやすい場所だと言えます。我こそはと思う方は,ぜひ奮ってご応募ください。

4Gamer:
 このインタビューが縁となって,優れた人材が集まり,これまで以上にグラスホッパーのゲームが世界中の人達に愛されるようになることを願っています。本日はありがとうございました。

須田氏:
 ありがとうございました!

 さてインタビュー中にもあるとおり,グラスホッパー・マニファクチュアでは,現在,ゲーム開発スタッフを募集している。この記事を読んで,同社を率いてゲーム開発に向かう須田氏の姿勢に共感し,我こそはと思う人は,ぜひチャレンジしてみてほしい。

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