連載
なぜプレイするのか。そこに岩があるから。iOS向けアクションゲーム「クライマーズハイ」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第226回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
突然だが,みなさんにロッククライミングの経験はあるだろうか? クライマーたちが己の体一つで岩壁を登っていく姿には,見ているだけで息を呑む迫力と美しさがある。
近年ではロッククライミングを競技化したようなボルダリングというスポーツも人気のようで,筆者もそのうち挑戦してみたいなぁ……と思ったり思ってなかったり。
いきなり個人的な話で始まったが,本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」で紹介する「クライマーズハイ」は,まさにそんなロッククライミングの世界をテーマにしたゲームだ。極限状態の中,両手両足を駆使して少しずつゴールに近づいていく緊張感がしっかりと表現されている。
「クライマーズハイ」ダウンロードページ(App Store)
ゲームは7種類のステージから好きなステージを選択し,ゴールとなる頂点を目指すだけという,非常にシンプルな内容。ステージはいずれも最初からすべて選択可能で,よくある1ステージずつクリアしていくタイプではない。とはいえ,いきなり後半のステージから挑むのは無謀なので,まずは「FREE PRACTICE」から挑戦するといいだろう。
プレイヤーは主人公の右手,左手,右足,左手,胴体という5つのパーツを動かすことができる。
手や足をタップしてスライドさせ,壁に多数設けられた白いポイントまで誘導すると,そこに「HOLD」でき,体を固定できる。この固定するポイントを少しずつ上にずらしながら登っていくのだ。
手足には,そのときにかかる負荷とスタミナが設定されており,HOLD中は負荷に応じてスタミナが減少していく。スタミナのゲージがゼロになると一定時間その部位が使用不可能になってしまう。
うまくHOLDできなかったり,スタミナが切れるなどして,両手をポイントから離してしまうような状態になると,即落下してしまう。場合によっては片手一本で体を保持することもできるが,当然ながら負荷が高くなるので,そう長い時間耐えることはできない。ゴールへたどり着くには,両手両足の負荷とスタミナ管理が必須なのだ。
そこで重要になるのが胴体の使い方だ。胴体をスライドさせると,手足のホールドを維持しつつ,体をある程度上下左右に移動できる。例えば両膝を曲げたような状態では届かないポイントがある場合,胴体を動かして膝を伸ばし,ポイントに届かせるというように使うのだが,この体の位置によって,手足にかかる負担も変わってくる。体の移動をうまく使えば,スタミナを節約して登ることができるのだ。
ただし,胴体を無理に動かすとホールドが外れてしまう場合があるので,注意が必要となる。
ステージ内には「CHECK POINT」と呼ばれる赤いポイントが点在しており,アイテムの「ROPE」がある状態でそこに両手を引っ掛けると「SAVE」が可能。落ちてもまたこのCHECK POINTから再開できるのだ。ただし,再開するたびにROPEが減っていくので,当然ながらROPEがゼロのときはそのままゲームオーバーとなってしまう。
なお,アイテムはROPE以外にも,任意の場所でSAVEできる「BELAY DEVICE」や,スタミナを回復する「ISOTONIC DRINK」,「CHOCOLATE」などもある。これらはSTOREで購入できるので,お金が貯まったらこまめに補充するといいだろう。特にROPEはゲーム的にもクライミング的にも「命綱」となっている。
ゴールは右下のマップを開けば確認可能。ゴールポイントはCHECK POINT同様赤いポイントがあるので,これを両手で掴めばいい。なお,ゴールまでの道筋はすべて自由。難度の低いルートを探し出すのも,高いルートにあえて挑戦するのもいい。何だかこれって実際のクライミングっぽいなぁと感じたりもした。
クリアしてもアイテムがもらえるだけで,称号や実績,追加ステージ開放といった要素はないので,人によっては1回クリアすれば飽きてしまうかもしれない。だが,本作最大の魅力は,同じステージでより楽なルート,より困難なルートを発見し,それにチャレンジしていく過程。まさに現実のクライミングと似た,地味で無骨な己との戦いなのである。山好きや一風変わったゲームがしたい,という方にはぜひともオススメしたい。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。
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