イベント
秘蔵イラストも多数公開。「ポケットモンスターブラック2・ホワイト2」の発売記念ファンミーティングをレポート
会場となったポケモンセンターヨコハマのホールはご覧の盛況ぶり |
イベントには,本作のディレクターを務めたゲームフリークの海野隆雄氏と,同社設立メンバーの1人でもある増田順一氏が登場。開発中のエピソードを披露したほか,来場者からの質問にも回答した。本稿では,その模様をまとめていこう。
当時の企画書から本作の原点が明らかに
海野隆雄氏(右)と増田順一氏 |
悩んだ末に海野氏は,開発スタート時に,スタッフ全員で記念撮影をするという案を思いついた。記念撮影をすることで,「皆でこれから頑張ろう!」と,想いを1つにすることができ,スタッフのモチベーションも高まる。また,海野氏は,開発の終わった2年後に写真を見ると,スタッフの成長した跡が感じられたと話していた。
次の話題は,周りの友達とさまざまなミッションにチャレンジできる“フェスミッション”。海野氏はここでフェスミッションの企画書を披露し,そのコンセプトは“共鳴”であると説明した。ここで言う共鳴とは,1人で遊んでも楽しいし,皆で遊んでも楽しい,ということ。ゲームとゲームが共鳴し合うことで,作品の世界が広がるというう意味だそうだ。
また海野氏は,フェスミッションの企画書作成において,「一言でゲーム内容がすべて理解できる」というシンプルさを最も重要視したと語り,その理由を,ゲームの本質は,分かりやすく,入りやすく,誰でも楽しめるものでいけないからだと説明した。
海野氏はさらに,企画書にある,「1人でも100人でも遊べるポケモン」の魅力を実現するため,100人に満たなかった開発スタッフに加えて,ほかのチームにも手伝ってもらいながらテストを行ったという開発当時のエピソードを明かした。
続いては,過去のポケモンシリーズに登場した歴代のジムリーダーやチャンピオンらと対戦できる“ポケモンワールドトーナメント”(PWT)についてのトークへ。
アメリカ・ハワイで行われたポケモンの世界大会,“ワールドチャンピオンシップス”を視察した海野氏は,チャンピオンのチーム編成や技の使い方など,すべてが綿密に練られた戦略に感銘を受けたという。そして,「ポケモンのチャンピオンがゲーム内に現れたら面白いんじゃないか」と考えた海野氏は,「現実世界のチャンピオンとゲーム内で戦える」PWTを企画した。
お祭り感覚のようなシステムではあるものの,このPWTを実装したことによって,プレイヤーに長期的な遊びが約束できたのではないかと語る海野氏。これには,来場者も頷いている様子だった。
次に,ブラックシティにある“黒の摩天楼”,ホワイトフォレストにある“白の樹洞”という2つの新施設がどのようにして生まれたのかが明かされた。
前作「ポケットモンスターブラック・ホワイト」では,ブラックシティとホワイトフォレストが,プレイヤーのスタイルによって成長したり,衰退したりという要素があった。しかし「2」は,前作から2年後という設定のため,プレイヤーの想像がつかないくらい街を発展させたほうがいいという案があったのだという。
また,クリア後でもバトルを楽しんでもらうためには,どこか拠点となる場所が必要で,「2」の開発では,上記2つのポイントを無理なく合致させるにはどうしたらいいか,という議論が交わされたとのこと。そこで考え出されたのが,黒の摩天楼と白の樹洞というわけだ。海野氏は「一番良い形で実現できたのではないか」と語った。
続いては,ゲーム内で映画の作成や公開が行えるミニゲーム施設“ポケウッド”について。多数のシナリオから1つを選び,さらに,選択肢を選びながらオリジナルの映画を作り上げていくという,ライトプレイヤーの拡充を狙ったものだったが,企画書に対するの周りの反応は,「何コレ?」という冷ややかなものだったという。
逆境に立たされた海野氏だったが,「ポケモンの表現の幅を広めたい」というポケウッドの企画意図を猛烈にアピールしたとのこと。ゲームでは,どうしてもポケモンが一番生き生きとするため,それ以外の部分にもスポットを当てたかったというのだ。
そして「映画を撮りながら,技の相性をはじめとしたバトルの醍醐味が分かる」という部分をうまく抽出すれば,ライトプレイヤーにもきっと楽しんでもらると考え,ポケウッドの開発が進められたと話していた。
最後に海野氏は,本作をプレイするときは「2年という月日,(登場人物の)心境の変化や気持ちの変化,感情の変化を感じてほしい」とアピールした。加えて,前作と同じ視点で物語を描くと,同じ内容のものしか描けないため,「2」では,一新された主人公,一新された街,一新された冒険を用意したと説明し,プレイヤーにも,まったく新しい視点で,物語を体験してほしいと話した。
ゲーチスの名前は,元々ゲーツィスだった?
ファン感涙もののコンセプトアートが初公開
ここからは増田氏が,開発中に用いられたイメージアートを初公開。ポケットモンスターブラック2・ホワイト2でもとくに人気の高い,「ゲーチス」,「ダークトリニティ」,「N」らの秘蔵ビジュアルが披露された。
女神の秘蔵イラストも公開。増田氏曰く,女神らしくギリシャ感のある服装を心がけたとのこと |
企画段階では,ゲーチスの名前が“ゲーツィス”だったことが判明。「ツィス」の発音しにくいという理由からゲーチスに改められた |
これも初出しイラストのダークトリニティ |
ここでQ&Aコーナーが設けられ,増田氏と海野氏が来場者からの質問に答えた。ここではとくに目立った質問と回答を掲載しよう。
ミジュマルのモーションはどのように作られているのか,という来場者からの質問には,海野氏が,頭,手,体,足など,すべて別々のパーツを使って動かしていると回答。関節を動かしてキャラクターが動いているように見せる手法を使っていると述べていた。
続いては,公式ファンクラブ「ポケモンだいすきクラブ」にて行われたアンケートの回答から,実際にゲーム内へ盛り込まれた要素を教えてほしいという質問。海野氏は,具体的にどの意見がというよりは,トータルで影響されることが一番多いと話した。出来るだけ多くの意見を取り入れるようにはしているが,ゲーム性のバランスを考慮した結果,泣く泣く断念したシステムも少なくないとのこと。しかし,ファンの意見は貴重で,参考にしていることも多いので,これからもぜひさまざまな意見を届けてほしいと呼びかけた。
イベントはこれにて終了。最後に,海野氏と増田氏から来場者へ向けて以下のメッセージが送られた。
増田氏:
今後も開発スタッフ一丸となっていいものを作っていきますので,これからも応援よろしくお願いします。
海野氏:
ポケットモンスターブラック2・ホワイト2は,人と人とのコミュケーションをもっと広げてもらいたいと思って作った作品です。今日,ここにいる人達と“共鳴”できたことが嬉しかったです。ありがとうございました。
この日の記念撮影のために用意された横断幕。記念写真は後日ポケモン公式サイトに掲載されるとのことなので,当日会場に行った人はぜひチェックしてみてほしい |
「ポケットモンスターブラック2・ホワイト2」公式サイト
- 関連タイトル:
ポケットモンスターブラック2
- 関連タイトル:
ポケットモンスターホワイト2
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(C)2013 Pokémon. (C)1995-2013 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
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