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UFC UNDISPUTED 3公式サイトへ
  • KONAMI
  • 発売日:2012/03/01
  • 価格:7329円(税込)
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「UFC Undisputed 3」で「PRIDE」がリボーン!? 日本の総合格闘技ファンが待ち望んでいた本作の見どころをチェック
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印刷2012/03/01 00:00

プレイレポート

「UFC Undisputed 3」で「PRIDE」がリボーン!? 日本の総合格闘技ファンが待ち望んでいた本作の見どころをチェック

 アメリカを中心に,世界中で熱狂的なファンを生み続ける総合格闘技「UFC(Ultimate Fighting Championship)」。これを完全再現したゲームが,「UFC Undisputed」シリーズである。その最新作として,本日(3月1日)にKONAMIより発売されるのが,今回取り上げる「UFC Undisputed 3」PlayStation 3 / Xbox 360)だ。
 ここでは,格闘技ファン目線で新要素を中心にインプレッションをお届けする。

画像集#001のサムネイル/「UFC Undisputed 3」で「PRIDE」がリボーン!? 日本の総合格闘技ファンが待ち望んでいた本作の見どころをチェック

 UFCとは,金網に囲まれたオクタゴンの中,2人の男が打撃,投げ,関節技を駆使して闘う格闘スポーツである。本作は,それをアクションゲーム化したもの。
 ゲーム内に登場するのは,実際の競技で活躍している総勢150名以上ものファイター達と,自分でクリエイトできるオリジナル選手。そして,彼らを使ったオンライン対戦にも対応している。

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見よ,研ぎ澄まされたファイター達の肉体の再現度。体を伝う汗や,傷やあざといったダメージ表現がリアルタイムに変化していく様子もまた,高い臨場感を生み出す
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現在進行形のUFCの再現度はバッチリ。つい先日,日本で開催された,UFC 144で目の覚めるような熱戦を繰り広げたフランク・エドガー vs. ベンソン・ヘンダーソンもこのとおり!

「UFC Undisputed 3」公式サイト



■登場選手

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UFCヘビー級UFCライトヘビー級UFCミドル級
Antonio Rodrigo NogueiraAntonio Rogerio NogueiraAlan Belcher
Ben RothwellBrandon VeraAnderson Silva
Brendan SchaubChuck LiddellChael Sonnen
Brock LesnarCyrille DiabateChris Leben
Cain VelasquezDan HendersonCourt McGee
Cheick KongoForrest GriffinDemian Maia
Frank MirJason BrillzJorge Rivera
Gabriel GonzagaJon JonesKendall Grove
Junior Dos SantosLyoto MachidaMark Munoz
Mirko CrocopMatt HamillMichael Bisping
Pat BarryMauricio RuaNate Marquardt
Roy NelsonQuinton JacksonRousimar Palhares
Sean MccorkleRashad EvansWanderlei Silva
Shane CarwinRich FranklinYoshihiro Akiyama
Stefan StruveRyan BaderYushin Okami
Travis BrowneThiago Silva
Tito Ortiz
Vitor Belfort
Vladimir Matyushenko

UFCウェルター級UFCライト級UFCフェザー級
Carlos ConditBj PennKenny Florian
Chris LytleClay GuidaChad Mendes
Dan HardyDennis SiverCub Swanson
Diego SanchezEvan DunhamDiego Nunes
Dong Hyun KimFrankie EdgarErik Koch
Georges St. PierreGeorge SotiropoulousFredson Paixao
Jake ShieldsGray MaynardGeorge Roop
Jon FitchJim MillerJavier Vazquez
Josh KoscheckJoe StevensonJose Aldo
Martin KampmannMelvin GuillardJosh Grispi
Matt SerraRoss PearsonLeonard Garcia
Matt HughesSean SherkManvel Gamburyan
Mike SwickTakanori GomiMark Hominick
Nate DiazAnthony PettisMike Brown
Paulo ThiagoBen HendersonRaphael Assuncao
Thiago AlvesDonald CerroneTiequan Zhang

UFCバンタム級PRIDEヘビー級PRIDEミドル級
Norifumi YamamotoAntonio Rogerio NogueiraAnderson Silva
Antonio BanuelosBob SappAntonio Rodrigo Nogueira
Brad PickettDan SevernCarlos Newton
Brian BowlesDon FryeChuck Liddell
Charlie ValenciaGary GoodridgeDan Henderson
Chris CaraisoGilbert YvelKazuhiro Nakamura
Damacio PageHeath HerringKevin Randleman
Demetrious JohnsonKevin RandlemanMauricio Shogun
Dominick CruzMark HuntMurilo Bustamante
Eddie WinelandMark ColemanMurilo Ninja
Joseph BenavidezMirko CrocopPaulo Filho
Miguel Angel Torres Phil Baroni
Renan Barao Quinton Jackson
Scott Jorgensen Sokoudjou
Takeya Mizugaki Vitor Belfort
Urijah Faber Wanderlei Silva

PRIDEウェルター級PRIDEライト級
Akihiro GonoJens Pulver
Anderson SilvaMarcus Aurelio
Carlos NewtonTakanori Gomi
Dan Henderson
Denis kang
Murilo Bustamante
Royce Gracie
Ryo Chonan
Wanderlei Silva

※「※」の付いている選手はゲーム内ショップで購入すると,プレイヤーキャラクターとして使用可能になる。なお,複数の階級にまたがって名前のある選手は,それぞれの階級で戦ったときの容姿や能力となっている

 列挙した選手名を見て「えっ?」と思った人もいるだろうが,日本の総合格闘技ファンにとって大きな目玉の一つが,2000年代に一大ブームを築き上げた日本発の総合格闘技,「PRIDE」の選手までが含まれたラインナップだ。もちろん,PRIDEルールでの試合も可能だ。
 昨今の格闘技事情に明るくない人は「なんでUFCのゲームにPRIDEが入ってるの?」と思うかもしれないが,実はPRIDEは,2007年にUFCを運営するZuffa社のオーナー,ロレンゾ・フェティータ氏に買収されており,そのため現在はPRIDEにまつわる各種権利を,UFC側が自由に行使できるようになっているのだ。
 一方で,日本では元PRIDEファイターがテレビ出演するときなど,当時の試合の模様が写真で紹介されることはあっても,映像が流されることはほぼない。が,PRIDEの過去の名勝負が北米ではテレビ放送されていたりして,日本のPRIDEファンにとっては何だか残念きわまりない状態になっている。

UFCとは異なり四角形のリングで行われるPRIDEルールを再現。こっちのほうが馴染み深い人は多いかも
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 ゲームに話を戻そう。UFC Undisputedシリーズの開発を担当しているのは,プロレスゲーム「WWE」シリーズなどで知られるユークスである。そのため,“日本生まれのPRIDEがアメリカ資本に買われて,さらにそのゲーム化を日本のメーカーであるユークスが手がける”という,何となくややこしい状況となっている。
 シリーズが1ケタの頃からPRIDE観戦にハマり,関東圏での興行は皆勤,ときには地方まで“密航”していたほど入れあげていた筆者としては,一言では説明できないむず痒い気持ちになるワケで……。
 ちなみに本作,UFC Undisputed 3はシリーズ3作目ということもあり,いろいろな要素が充実していて,“かゆい所に手が届く”こなれた仕上がりであることも付け加えておきたい。各モードのざっくりとした説明は,下記を参照してほしい。


■ゲームモード

【エキシビション】UFC,PRIDEいずれかのルールで階級別の1マッチを楽しめる。細かなルール設定も可能。同キャラ対決も可能だ。
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【キャリアモード】選択したファイターを鍛え上げ,UFCやPRIDEの王座を目指す。自分でクリエイトしたファイターを使用することもできる
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【タイトルモード】ランキング最下位からスタートし,上位のファイターを撃破して王座を目指す。3回負けるとゲームオーバーとなる
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【タイトルディフェンスモード】タイトルモードでチャンピオンとなった後にプレイできるモード。次々と表れる挑戦者と防衛戦を行っていく
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【トーナメントモード】最大16人のファイターで勝ち残りのトーナメントを行う。UFC,PRIDEいずれかの試合形式のほか,細かいルール設定が可能だ。
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【アルティメットファイトモード】UFCとPRIDEで行われてきた過去の名勝負をプレイヤーの手で再現するモード。詳しくは後述
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【イベントモード】UFCの大会の主催者となって,対戦カードや試合数などを選択。自分だけの夢の大会を開催することができる
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■カスタムモード

【クリエイト・ア・ファイター】自分でクリエイトしたファイター,または実在の選手(パラメータは低い)を練習で鍛え上げ,UFCやPRIDEの王座を目指す
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【ハイライトリール】自分が行った試合のリプレイから,ショートムービーを作れる。映像の切り貼りや画面エフェクトなど,簡単な編集が可能だ
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【クリエイト・ア・ロゴ】ファイターの衣装などに貼り付けられるロゴを作成できる
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【クリエイト・ア・バナー】選手コール時やオンラインキャンプで使用するバナー(垂れ幕)を作成できる
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■オンラインモード

【エキシビションモード】いわゆる普通のオンライン対戦。試合の結果がリーダーボードに反映されるランクマッチと,反映されないプレイヤーマッチがある
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【ファイトキャンプ】ほかのプレイヤーとキャンプ(チーム)を作成し,トレーニングやスパーリング,情報交換といったコミュニケーションが楽しめる
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【コンテンツシェアリング】作成したハイライトやリール,バナーなどをサーバーにアップして,ユーザー同士で共有できる
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名勝負を再現する「アルティメットファイトモード」は

“60億分の1”級の熱さ!


 基本操作は前々作「UFC 2009 Undisputed」PlayStation 3 / Xbox 360),前作「UFC Undisputed 2010」PlayStation 3 / Xbox 360)とほぼ同じ。左スティックで移動して,四肢に対応した4ボタンで打撃を繰り出す。右スティックは,タックルやクリンチ,ポジションチェンジなど,状態変化のために使用する。体の各部位は試合を進めていくとダメージが溜まっていくため,エネルギー(スタミナ)とともに管理が重要となる戦略性の高さも,前作と同様だ。

ただ殴りあうだけでは勝利をつかめないUFCの戦いを再現。入力の組み合せで強打や特殊な技を繰り出すことも可能
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 攻防のシステムの中で大きく変更されているのが,サブミッション(関節や締め技)だ。前作まではサブミッションを仕掛ける(仕掛けられる)と右スティックをひたすらグルグルと回すことを,技が極まるまでの攻防としていたのだが,今作では画面中央に表示される八角形のゲージを使って行う。
 ゲージの中には赤・青コーナーそれぞれの選手を示すバーがあり,両者がそのバーを右スティックで操作して重なりあうと“極め”の状態が進んでいくという仕組みだ。
 細かに説明するといささかややこしいが,要は攻める側にとっては“自分のゲージを相手のゲージに重ねればOK”で,守る側は“自分のゲージを相手のゲージに重ねられないように逃げればOK”ということ。プレイしてみれば,直感的に理解できるはずだ。
 前作のスティックグルグルも力が入って好きだったが,今作のシステムのほうが,ずっとスマートにサブミッションの攻防が楽しめるだろう。

サブミッションを仕掛けるとゲージが出現。攻撃側(赤丸)は相手のバーを追いかけ,防御側(青棒)は相手のバーから逃れるという形で,攻防が表現されている
画像集#021のサムネイル/「UFC Undisputed 3」で「PRIDE」がリボーン!? 日本の総合格闘技ファンが待ち望んでいた本作の見どころをチェック

 さて,今回初登場の新モードが「アルティメットファイトモード」,いわゆる“名勝負再現モード”だ。
 「ベストオブ・PRIDE」「アルティメット・サブミッション」「アルティメット・ノックアウト」「アルティメット・ライバル」「アルティメット・アップセット」の5つのカテゴリからなる,29試合の中から再現したい試合を選ぶと,試合中に「相手の攻撃を受けずローキックを当てろ」といったタスクが次々と出現するので,それぞれを制限時間内に達成していくことが目的となる(一部の試合を再現するには,別途DLCの取得が必要)。
 条件を達成するごとに,ゲーム内ショップでの買い物に使えるポイントや,選手のカスタマイズ用アイテムが入手できるのだが,それ以上に楽しいのは,やはり自分の手で“あの時”の名勝負を再現できてしまうこと。まだPRIDEの“外敵”だったミルコをノゲイラが十字で仕留める姿には,やはり心が震えるワケで……(遠い目)。

UFCとPRIDEから,それぞれ後世にまで語り継がれるような名勝負が収録されている。当時を思い出しながらプレイするのもまた味わい深い
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格闘テーマパークに熱狂した“あの頃”に戻れる

「PRIDE」要素の数々に涙



 本作から搭載されるPRIDE要素で,何が一番ウレシイかと言えば,メインテーマと勝利のテーマが収録されていること。現在がんばっているMMAファイターの皆さんには恐縮しきりなのだが,観る側としてはやはり「ダン・ダン・ダダン!」の旋律を耳にすると,心が“あの頃”にタイムスリップして熱くなってしまうのですよぉぉ!(炎上)

PRIDEルールを選んだ直後から流れ出す“あの曲”にジーン。この気持ち,PRIDEファンならわかってくれるハズ!
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 ……具体的な説明を続けます。PRIDE形式の試合は,エキシビション(オンライン含む)で選択可能。また,アルティメットファイトモードに,「ジャクソン vs. シウバ」「ヒーリング vs. ノゲイラ」「ショーグン vs. ジャクソン」「ダンヘン vs. ノゲイラ弟」「ミルコ vs. ヒーリング」「ノゲイラ vs. ミルコ」の6試合が用意され,キャリアモード中にPRIDEに参戦することもある。
 補足だが,PRIDEルールで,PRIDEファイター vs. 現役UFCファイターというマッチメイクも可能。こうした時空を超えたドリーム(あ!)マッチが楽しめるのも興味深い。

 初期設定でのPRIDEルールは,10分,5分,5分の変則3ラウンド制。グラウンド状態にある相手へのヒザ,踏みつけ攻撃も認められる。ゲーム的な視点で語るなら,10分という長いラウンドで,かつ踏みつけありなので,ロック(ふらつき)状態になりやすく,よりスリリングな試合展開になりやすいと感じた。

猪木―アリ状態からの踏みつけや,4点ポジションからのヒザといった,PRIDEならではの攻防も再現できる
画像集#025のサムネイル/「UFC Undisputed 3」で「PRIDE」がリボーン!? 日本の総合格闘技ファンが待ち望んでいた本作の見どころをチェック 画像集#026のサムネイル/「UFC Undisputed 3」で「PRIDE」がリボーン!? 日本の総合格闘技ファンが待ち望んでいた本作の見どころをチェック

 演出面の再現度もかなりのもので,“PRIDEの聖地”とまで呼ばれた「さいたまスーパーアリーナ」を舞台に,巻き舌でオナジミのレニー・ハートさん(青二プロダクション所属)の呼び込みに乗って花道を歩く選手を眺めていると,あまりの郷愁に胸が熱くなる。
 ほかにも,流血した際に試合を中断してのドクターチェックがあったり,勝利時のレフェリーカメラが再現されていたりと,細かい点まで再現は及んでいる。リングアナの顔が巨大バルーンに映し出される……といったビックリ演出までは期待していなかったが,「どうせ選手とリングとルールぐらいだけでしょ」という先入観を抱いていただけに,これほどまでに“らしさ”が再現されていたことは,嬉しい誤算であった。

入場シーンはかなりの再現度。花道を歩く姿やリングイン後のパフォーマンスなども再現されている。シウバの拳クネクネや,ジャクソンの不敵な待機ポーズもそっくり!
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 と,ナイスな点ばかり書いてきたが,やっぱりマニアなので不満点も見えてきてしまう。選手一覧でもお分かりのとおり,PRIDE側の登場選手が少ないのだ。想像するに権利関係とか大人の事情がたくさんあるのは分かるものの,桜庭和志やエメリヤーエンコ・ヒョードルといったPRIDEを代表する人気選手の姿が見られないのはやはり残念。いや,結局はクリエイトでなんとかするんですけどね。
 また,無差別級のマッチアップが不可能なのもやや残念ではある。競技化が進むUFCを再現するにあたってあり得ないのも分かるし,ゲームバランス的には破綻するのだろうけど,“ゲームでしか実現できないこと”を,もっと楽しんでみたかった。

ミルコやノゲイラ,シウバにジャクソンと,名うてのPRIDEファイターたちが登場。されど,メインキャストには欠けもある
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 また,音声関係にも少々ツッコミたい。それは,試合中の実況・解説が英語である点だ。そもそもはUFCのゲームであるし,PRIDEの現在を考えれば仕方がないのだろうが,日本語での実況・解説にも対応してほしかったと思う。ゲームを入り口に,UFCに興味を持つ人だっているかもしれないのだし,そのための環境作りには万全を期してほしかったなぁ,と。
 ついでに,レニー女史の声はホンモノだけど,リングアナとレフェリーが別人。姿や声は似ているし,ちゃんと日本語でしゃべるんだけど,ちょっとした違和感が残るだけに,余計に気になるというか。

ガタイのいいあのリングアナ……と思いっきや,知らない人。だ,誰!?
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 ほかにも,インターバル中の曲が原曲じゃなかったり(なぜか「武士道」の曲っぽい),PRIDEガールが造形的にいまいちだったりとか,「煽りV」ねぇのかよ(絶対ムリ)とか,気になる点はちょいちょいある。でもこれらは,全体の再現度が高くて,思い出再生ツールとしての完成度も高いからこそ,細部が気になってしまうことの裏返しだ。
 つまり,格闘技界に元気のない2012年の日本に,いわばデジタルで“リボーン”した“フメツ”のPRIDEというワケなんですよ!


UFC+PRIDE=究極のMMAゲーム

元PRIDEファンよ,やれんのか!?


 えー,最後となってしまいましたがー(エグゼクティブ・プロデューサー口調),ゲームとしての完成度はいうまでもなく高い。操作にすべてのボタンを使う必要があるため,うまく戦えるようになるまではある程度の練習が必要だが,豊富なモードがいい練習場所として機能しているので,飽きずに上達していけるだろう。格闘ゲームとしてのアクション性や駆け引きの部分もキッチリしているので,格闘ゲーマーにもオススメだ。
 そして,PRIDE終焉とともに格闘技への熱が冷めてしまった人達に一言。キミたちこそ,この“セカンドカミング”を,自分の目と手で確かめるべきだ。実際のUFCと同じで「いざ体験してみたら面白かった」って,食わず嫌いが治るかもしれない。エライ人はこう言ってた。そう,行けばわかるさ!

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