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「俺の屍を越えてゆけ2」のイベント「お披露目の儀」をレポート。桝田省治氏と生田美和氏の合同インタビューも掲載
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印刷2014/04/14 19:51

イベント

「俺の屍を越えてゆけ2」のイベント「お披露目の儀」をレポート。桝田省治氏と生田美和氏の合同インタビューも掲載

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは,PlayStation Vita用ソフト「俺の屍を越えてゆけ2」(以下,俺屍2)のイベント「お披露目の儀」を,東京都内で2014年4月13日に開催した。

画像集#023のサムネイル/「俺の屍を越えてゆけ2」のイベント「お披露目の儀」をレポート。桝田省治氏と生田美和氏の合同インタビューも掲載

 今回のイベントでは,本作の発売日や体験版についての情報が発表されたほか,ゲームデザイナー桝田省治氏をはじめとする開発スタッフや,キャストにより,本作の最新情報や開発秘話などが語られた。本稿ではそんなイベントの様子をお届けする。
 本作の発売日は7月17日で,価格は5800円(税抜)。また体験版については,4月24日と7月上旬,2回に分けて内容の異なるものが配信される予定だ。これらについては,「こちら」の記事も参照してほしい。

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俺屍2ゲームデザイナー 有限会社マーズ 桝田省治氏
画像集#003のサムネイル/「俺の屍を越えてゆけ2」のイベント「お披露目の儀」をレポート。桝田省治氏と生田美和氏の合同インタビューも掲載
 イベントの冒頭で「開会の儀」として行われたのが,本作にてプレイヤーである主人公一族に恐ろしい「二つの呪い」をかけた陰陽師・阿部晴明を表現した能舞「晴明(せいめい)」。迫力のある演技を,来場者全員が神妙な面持ちで見守った。
 続いて舞台には桝田氏が登場。開口一番「(イベントの)後半が面白いです。前半はダラダラとしたトークが続きます」と,ぼやき混じりの挨拶をし,本格的な能舞を目の当たりにしてやや固くなっていた来場者を和ませていた。
 桝田氏に続いて登壇したのは,前作「俺の屍を越えてゆけ」(以下,俺屍)から開発に携わるアルファ・システムの佐々木哲哉氏。ゲスト陣とともに「俺屍の歴史」をテーマとしたトークが繰り広げられた。

会場となったのは,本作の雰囲気に合った渋谷・セルリアンタワー能楽堂。能舞「晴明」は,能楽師 谷本建吾氏によるもの
画像集#002のサムネイル/「俺の屍を越えてゆけ2」のイベント「お披露目の儀」をレポート。桝田省治氏と生田美和氏の合同インタビューも掲載 画像集#004のサムネイル/「俺の屍を越えてゆけ2」のイベント「お披露目の儀」をレポート。桝田省治氏と生田美和氏の合同インタビューも掲載

写真左から,音楽を担当した樹原孝之介氏と樹原涼子氏,アルファ・システムの佐々木氏,ゲームデザイナーの桝田氏,シナリオを担当した生田美和氏,コーちんを演じた福圓美里さん,イツ花と太照天昼子(タイショウテンヒルコ)を演じた吉田小南美さん
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画像集#008のサムネイル/「俺の屍を越えてゆけ2」のイベント「お披露目の儀」をレポート。桝田省治氏と生田美和氏の合同インタビューも掲載
樹原孝之介氏。樹原涼子氏とは親子の関係で,俺屍の大ファンだそうだ。そのツボを押さえた楽曲の完成度に,彼がオムツを着けていたころから知っているという桝田氏は,本当に驚かされたという
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樹原涼子氏は後の演奏のためにドレスで登場。前作の楽曲を手掛けたときは「和のイメージという部分はとくに意識せず,桝田さんの話を聞いて自然に作ることができた」と話す

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生田氏は,俺屍2のシナリオを担当することになったきっかけは,桝田氏のTwitterで出したお題に応募したことだったと話す
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福圓さんは,着物姿にネコ耳で登場。コーちんはあまり暗くならず,中性的な魅力が引き立つように演じたとか

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吉田さんは,リメイクされたPSP版では,当時のPS版の声と違和感がないようにこだわりをもって演じたそうだ
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阿部晴明を演じた平川大輔さんからのビデオメッセージも上映。晴明のセリフを交えつつコメントした

 当時の王道ジャンルであるRPGの常識を覆す「世代交代RPG」として制作された同作だったが,桝田氏は,PlayStationで発売された1999年当初は「ユーザーは盛り上がっていたけど,SCEと流通にはあまり受け入れられなかった」と話し,数か月間店頭に在庫がないという状態から,桝田氏にも苦情が届いていたと,当時を振り返っていた。
 また,世代交代というコンセプトを設定したのは,桝田氏に長男が生まれたことが最大のきっかけだったそうだ。同氏は,家族の中で一番涙を流してその誕生を喜んだ祖母の姿を見て「自身が生きてきた証や意味を知るのはひ孫ができたとき」と感じ,この「平凡な感動」をゲームとして再現できないか,というところから企画がスタートしたという。

ゲーム中に流れる映像も初公開。捉えられた夜鳥子(ヌエコ)が,主人公一族のしゃれこうべと対峙するシーンだ。こちらは俺屍2の公式サイトでも公開されている
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 また,内容に深く関わる「二つの呪い」について,「“短命の呪い”は,単純に世代交代を早くするための方便,“種絶の呪い”は人間同士で子孫を作るという行為を入れるとゲームのレーティングが上がるので,相手を神様とした」と,実はそれぞれ別の理由があったことを告白した。
 そんな独自のコンセプトのもとで作られたゲームシステムは,構築自体はさほど苦労はなかったが,比較する対象がないために,それを面白いと伝えるのが大変だったという。桝田氏自身も,前述したSCEや流通の話も含め,そう簡単には売れないだろうと考え,本作をじっくり売っていくために長く遊べるゲームデザインにしたそうだ。

 次のコーナーでは,イベントの本題となる俺屍2のトークが展開。桝田氏は本作を「大丈夫,ちゃんと面白いです」と言い切り,前作のファンが同じように遊ぶだけでなく,まったく異なる楽しみ方もできると話した。
 企画のスタート時は前作と同様に障壁が大きく,それを乗り越える結果を出すためにPSPでのリメイク版が制作されることになったそうだ。ところが,そのPSP版の発売直前に,東京ゲームショウで桝田氏が俺屍2を作ることを発言してしまったために,俺屍2の制作が正式に発表されたのである。
 桝田氏はこの顛末を,「PS版のときに下っ端だったスタッフが偉くなって,その人たちが続編を作ることに協力してくれた」と補足し,現在はそれなりの地位を築き,続編が作れるよう根回しができる立場となったその協力者達が「東京ゲームショウで俺屍2を出すって言っちゃいな」と背中を押してくれたことが,上記の発言のきっかけになったと話した。

 そんな新作のゲームシステムについては「あまり進化してはいない」と桝田氏は説明する。ゲームシステムは前作ですでに完成しており,その内容を無理に変えたり,新しくしたりすると,前作のように10年20年と遊んでもらえるものにはならないと判断し,現状の仕様に決定したそうだ。

俺屍シリーズのCMも一挙上映。最新作俺屍2のCMは,同じキャストながら,少し違った趣で制作されている。出演した岸部一徳さんからのメッセージも流された
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 このほか,システムや敵キャラクターについての解説が行われた中で,桝田氏がポロッと口にした「今回の百数十人いる神様のうち,1/3以上が敵に回ります」という発言には,客席がどよめいた。また,同氏いわく,今回多くの声優を起用した理由はそこにあるとのこと。最後に,「ハズレは作っていないですから,安心して買っていただいて間違いないです」と力強くコメントし,客席からの喜びの拍手でお披露目の儀は終了となった。

 イベント終了後,桝田氏とシナリオを手掛けた生田美和氏への合同インタビューが行われたので,そちらもお届けする。

――お披露目の儀を終えて,今のお気持ちはいかがですか?

桝田氏:
 疲れました。(1月の)台湾ゲームショウへの行き帰りで腰を痛めたらしくて,それが痛くて。

生田氏:
 時代の流れを感じることができたイベントでした。いろんな思いがギュッと詰まっている印象でした。

――ゲームの発売日が7月17日に決定しましたが,現在はどの程度まで開発が進んでいるのでしょうか?

桝田氏:
 この時期なので,システムとデータはほぼ入ってます。あとは細かなバランス調整とか,やっぱり出ちゃうバグとか,今はそれらを一生懸命潰している最中ですね。通信についてもある程度データを集めておかないと,もし10万人が買うとなれば,レアケースも100件ぐらいは出てくるでしょうから,そこもこれから対応していきます。

――この4月配信の体験版は,ネットワーク部分も体験できるのでしょうか。

桝田氏:
 Twitterには対応しています。ただ,Facebookのみ,仕様の関係でまだ対応できていません。

――その体験版のフィードバックは,製品に反映されますか?

桝田氏:
 当然されます。先月末のプレコミュ体験会でもらった意見もすでに反映しています。

――実際,要望はいつぐらいまで受け付けられるものなんでしょうか?

桝田氏:
 内容によりますね。すぐ直るようなものや,絶対に取らなければならないバグには対応しますが,僕らも「これでいい」と思って作っているので,もうそれほどはないと思います。……とか言いつつ,この前上がってきたPSP版の「ご新規体験版」を遊んでみたら,コマンドの並びなどの細かいところで前作のほうがよくできているところを見つけて対応したので,そういったケースがあるかもしれません。

――今回のイベントにて,会場で演奏された最新のテーマ曲が素晴らしかったのですが,あの楽曲についてどんなオーダーをされたんでしょうか?

桝田氏:
 詩のイメージに季節の移り変わりが欲しいとか,ここにコーラスを入れてくれとか,細かいオーダーは入れましたが,大きな希望はないですね。それは楽曲全体にも言えることで,とくに今回曲を作ってくれた彼(樹原孝之介さん)は,僕よりも俺屍に詳しいぐらいゲームをやり込んだプレイヤーでもあるので,どこでどんな曲が流れるといいかは,誰よりもわかっていましたね。

――今回シナリオに生田さんを起用したことで,その厚みやボリュームはどのぐらい増しましたか?

桝田氏:
 台本の量は倍ぐらいに増えてます。ただそれがシナリオの厚みとして感じられるかどうかは遊んだ人次第ですね。RPGにおけるシナリオはユーザーの要求が強いので,それには応えられるようにしたつもりです。でも,やっぱりシナリオに女性が入ると,視点も変わってすごく面白くなりましたよ。

――生田さんにはどんなオーダーをされたのでしょうか?

桝田氏:
 物語の大ざっぱな流れやそれに必要なイベントについては説明して,俺屍の世界の神様やキャラクターの誰を使えばそのイベントが達成できるかは好きに考えていいと伝えました。そこで上がってきたものに修正するなどのやりとりを何度かして,最終的に僕が細部を統一してまとめました。

――生田さんはシナリオ執筆で苦労した部分はありましたか?

生田氏:
 私がシナリオを作るときは,立たせたキャラクターを風景ごと切り取った佇まいにセリフを流し込むという手法を使うんですが,俺屍では,そのキャラクターが生きてそこに存在するというところまで突っ込まないと,俺屍にはならないということを学ばせていただきましたね。

――神様の1/3が敵になるというお話がありましたが,それに対する神様の設定なども新たに考えられたのでしょうか?

生田氏:
 そこについては桝田さんから深く詰めていただきましたね。

桝田氏:
 何しろユーザーには15年分の妄想の蓄積があるからね(笑)。ネット上にはその想いがあふれてる。

生田氏:
 15年分のユーザーさんの想いを超えられるよう,あるときは裏切って,あるときはその通りになるという,そのさじ加減は桝田さんに判断してもらいました。

桝田氏:
 人気のある男性の神様は,だいたい出ていると思って間違いないです。カラスの人とか,キツネの人とかね。

生田氏:
 恋愛感情をともなって妄想されていた方はもちろん,そうでない方も新しい神様との出会いは楽しいものになっていると思いますので,改心させてあげてください。

――ありがとうございました。

イベントのラストには,前作と続編でそれぞれ音楽を担当した樹原涼子氏と樹原孝之介氏親子による演奏で,主題歌「花」(俺屍)そして「WILL」(俺屍2)の2曲が披露された。客席にはそれを聴いて涙ぐむ来場者の姿も
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会場には小さな物販ブースも設けられ,発表されたばかりのメインビジュアルがプリントされた限定Tシャツなどが販売されていた

「俺の屍を越えてゆけ2」公式サイト

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