新作「2010 WINNER」の発表も！　AC「BASEBALL HEROES 2009 覇者」，シリーズ初の公式大会が開催。優勝は“凛∞徳★親方”氏

　プレイヤーが監督となり，プロ野球選手のカードを使用して ，オンライン対戦できるアーケード用野球ゲーム「BASEBALL HEROES」（以下，BBH）シリーズ。現在稼働中の「BASEBALL HEROES 2009 覇者」のトッププレイヤーを一堂に集めての全国大会「BASEBALL HEROES 2009 覇者 CHAMPIONSHIP 〜真の覇者となれ〜」が，8月22日に開催された。

試合は並行して行われたので，決勝以外は中継を切り替えることはできても，すべての試合を見るというわけにはいかなかった。それでも，垣間見える監督達の攻防の行方に，時には会場から声援が飛ぶ

「BASEBALL HEROES 2009　覇者」公式サイト

　トッププレイヤーたる監督達が頂上決戦を行ったのは，東京は恵比寿のメジャーリーグベースボールをテーマにしたエンターテイメントレストラン「MLB cafe TOKYO」。2005年から稼働しているこのシリーズだが，こうして実際にプレイヤーが集まって直接対決する大会は，実はこれが初。通常，対戦相手を選べない仕様であるだけに，この頂上決戦を見届けようと，出場した監督達以外にも，応募多数の中から幸運にも抽選で選ばれた200名のギャラリーが集結した。

　参加者達は，通常のゲームプレイの中で行われる「BBH杯2010年7月度」を通じて予選・決勝ラウンドを制してきた上位16名。当日MCを務めた横浜ベイスターズのスタジアムDJ・栗原治久氏が続々と監督達を紹介すると，それぞれ軽いパフォーマンスを披露しつつ壇上へ登場。会場を大いに沸かせてくれた。

各監督の一挙手一投足に盛り上がる会場

阿部慎之助選手や金城龍彦選手のカードなどは，各チームでその姿を見ることに。また，中にはちょっと懐かしい選手を起用するプレイヤーもいて，監督ごとの起用術の妙味や，BBHの懐の広さを感じさせる

　大会ルールの説明のあと，さっそく始まった第1回戦。1回のみの対戦による，勝ち抜き戦での勝負となった。普段は長丁場のペナントレースを戦っている監督達だが，今回に限っては勝負は1度のみ。一瞬の駆け引きが勝負の分かれ目になるか？　と思いきや，試合運びの巧拙が強く出た対戦が多く見られた印象だ。

　また会場に設置されたスクリーンには，互いの監督のモニター画面が表示されていた。スクリーン越しに展開される，ここぞというところのサインや，VS（投手と打者の一騎打ちモード）を仕掛ける采配，そのするどい読みにギャラリーからはたびたびどよめきが上がり，会場が一体となって盛り上がった。

　ちなみに，チーム編成はもちろん人それぞれなのだが，やはり特定の選手カードの起用がいくつか目立つ結果となっていた。こうした定石の存在も，カードゲームならではの光景といっていいかもしれない。

育成に主眼を置いた新作「BASEBALL HEROES 2010 WINNER」の紹介も！

育成に主眼をおいたということで，千葉氏からは「育てきれるものなら育ててみろ」という挑発的なお言葉も

　なお大会の途中には，この会場に集まっているプレイヤー全員が気になる最新作「BASEBALL HEROES 2010 WINNER」の紹介が，ディレクターの千葉大輔氏自らの手で行われた。

　氏によれば，今回は選手レベル9への到達や，監督レベルも試合数によらないなど，育成に主眼を置いたフィーチャーを盛り込んでいるとのこと。
　また，今回から新たに導入される「VSチャレンジモード」についての説明も行われた。これは，1イニング，攻撃だけを使って遊び，得点を競うという，簡易なゲームモードとなる。
　KONAMIの電子マネー「PASELI（パセリ）」でのみ遊ぶことができ，選手カードの排出はなし。ただ，ワンプレイ45P（＝45円，通常プレイは1試合300Pから）で遊べるモードにて，ゲーム内アイテムであるデジタルカードを手に入れられる。1選手につき4つのカードが用意され，このカードを取得することで，カードに記載された能力が，対応する「BBH 2010」の選手のパラメータに付加される仕組みだ。新しいデジタルカードを使うことで，選手の能力の幅がどんどん広がっていくわけだ。
　なおBBHは1試合20分くらいかかるのが普通で，この新モードは，その合間などに軽くプレイする遊び方を想定しているとのことだ。

　気になる新作の登場に会場の雰囲気も盛り上がり，千葉氏も1時間以上は軽く話すことができるといいながら，あくまで今回は「BBH2009」の大会ということで，この日の説明はここまでと相成った。

会場では，大会で解説を勤めたライター氏による「VSチャレンジモード」の実演も行われた	今回の育成の新しい要素であるデジタルカード。勝負の結果次第で入手でき，BBH2010での選手育成を左右する要素となりそうだ
新カードの一部も紹介された。「パラメーターが低くないか？」という会場の声もあったが，それは「育成も考慮しているから」とのこと	新券種RISINGも一部が公開された

やはり勝利をつかむには場数が物をいう!?

得点差を縮めんと追いすがる“寿☆たけにゃ”監督と，点差を守ろうと守りを固める“凛∞徳★親方”監督の攻防。敗れた監督達も食い入るように見守っていた

　その後会場全体でのBBHクイズ大会を挟みつつ，試合はいよいよ決勝戦へ。勝ち残ってきたのは，“寿☆たけにゃ”監督率いる東北楽天ゴールデンイーグルスと，“凛∞徳★親方”監督率いる福岡ソフトバンクホークス。
　勝負は“寿☆たけにゃ”監督側が1回に先制するものの，“凛∞徳★親方”監督側も，3回に1点，そして4回にホームランを含む攻撃で3点を取り，巻き返す。その後，お互い追加点を得るものの，最終的に“凛∞徳★親方”監督が逃げ切り，優勝の栄冠を勝ち取った。

　試合後，“凛∞徳★親方”監督に勝因を聞いたところ，今回の大会にも参加していた多くの監督に教えを受けてここまで来たと語ってくれた。ちなみに予選では“凛∞徳★親方”監督は4位。もちろん，僅差であることは想像に難くなく，なにより今回は1回勝負。準優勝の“寿☆たけにゃ”氏も，序盤の勢いが彼に味方したと語る。

　あと後を追うプレイヤーに何かアドバイスは？　との質問には「やはりKONAMIに貢献する（インカムを落とす）しかないでしょう（笑）」と冗談を交じえながら場数の重要性を語る。「みんな5000試合とかくぐり抜けてきている」とその格の違いを披露してくれた。
　また，“寿☆たけにゃ”監督は「新券種に頼りすぎてはだめ」と語り，初心者が陥りがちな戦略ミスを指摘。仲間とともに培ってきた努力の結果勝ち取った栄冠にふさわしい力強いコメントを残してくれた。

　今回，初となった「BBH」の公式大会だが，ご存じのようにBBHは全国のプレイヤーが相手であるだけに，特定の相手と対戦できる機会は数少ない。しかも，相手の手の内がある程度分かっている今回の対戦では，どの選手も「すごく緊張した」と語っている。
　いつもオンラインの大会に参加している監督であっても，めったに味わえない体験ができるこの大会。次回はネットでの実況など，白熱した戦いをより多くのプレイヤーが観戦できる仕組みを考えてほしいところだ。そうなれば，きっと今回以上に盛り上がるイベントとなることは，間違いないだろう。

（8月24日 15：30修正）優勝者の名前を誤って表記していた部分を修正いたしました。関係者の皆様にはご迷惑をおかけしましたこと，お詫び申し上げます。

会場に観戦に来たユーザーで行われた「BBHクイズ大会」では，「BBH」に限らず野球のネタ全般が問題に

野球観戦と来ればやはりコレ!?　決勝戦を前に両監督へのエールと景気づけに，会場内を風船が飛び交う

“寿☆たけにゃ”監督は，序盤では鉄壁といいたくなるような，圧倒的な試合運びを見せてくれた。また試合前のチャット編集にもこだわりを見せ，会場を沸かせるお茶目さも

優勝の“凛∞徳★親方”監督。決勝戦では，大量得点後の守備を一新するなど，ひと味違った試合運びを見せてくれた

プロデューサーの内山聡志氏と ，大会参加監督一同。この日集まった監督の多くは，実はいつも一緒に遊んでいるメンバーとのことで，互いに日々切磋琢磨を続けているとのこと。出場プレイヤー以外にも，会場には多くのメンバーが応援に駆けつけていた