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「World of Tanks」の「Wargaming.net League APAC Season 2 Finals」が韓国・ソウルで開催。初参加となる日本チームの結果は
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印刷2014/10/27 18:28

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「World of Tanks」の「Wargaming.net League APAC Season 2 Finals」が韓国・ソウルで開催。初参加となる日本チームの結果は

画像集#001のサムネイル/「World of Tanks」の「Wargaming.net League APAC Season 2 Finals」が韓国・ソウルで開催。初参加となる日本チームの結果は
 Wargaming.netは2014年10月24日,25日の両日,韓国・ソウルで「Wargaming.net League APAC Season 2 Finals」を開催した。これは,Wargamingがサービス中のオンライン戦車アクション「World of Tanks」のオフライン大会で,タイトルのAPACという文字からも分かるように,アジア太平洋地域のチャンピオンチームを決めるためのものだ(関連記事)。
 2014年に入ってから2回めのシーズンとなる今回は,8月から10月にかけてオンラインの予選が行われ,そこで優秀な成績を収めたチームが出場するというダンドリだ。予定では,2014年から2015年始めにかけて計3シーズンが行われ,各シーズンの優勝チームのうち2チームが,詳細は今のところ未発表だが,各地域の最強チームが激突するグランドファイナルへ歩を進めることになっている。
 APAC地域は,韓国のKRサーバーと,日本を含むアジア各国が参加するASIAサーバーで構成されており,ファイナルにはKRサーバーから1チーム,ASIAサーバーから2チームが選出されている。詳しくは,公式サイトの特設ページを参照してほしい。

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公式サイト「Wargaming.net League APAC Season 2」紹介ページ

「World of Tanks」公式サイト


 筆者が「World of Tanks」のオフライン大会の取材をするのは実は2回めで,前回は2012年にモスクワで開催された「Ural Steel Championship 2012 Grand Finals」だった。当時はまだWargaming.net Leagueも始まっておらず,というか,その大会中に設立が発表されており,また日本支社もできる前の話だった。ベラルーシの本社から「日本チームが参加するから,取材に来ない?」という割とラフなお誘いが来たことを記憶している。ただ,当時から日本というか,アジア地域のプレイヤーのことを同社が気にしていたという印象は強い。

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 現在とはシステムが異なるので比べられないが,ともあれ,そのトーナメントでは日本チームは残念ながら予選で敗退してしまった。その後,Wargaming.net Leagueが立ち上がり,第1回のグランドチャンピオンを決める大会が2014年4月,ポーランドの首都ワルシャワで行われている。
 大会の模様は4月24日に掲載した記事でお伝えしたとおりだが,特筆すべきは,フィリピンのチーム「PVP Super Friends」が,4位に食い込んだことだろう。無数の強豪チームがひしめき,戦術研究でも群を抜くロシアやヨーロッパのサーバーに比べ,アジア地域はレベルが低いと思われてきたが,このところの成長は急であり,さすがに表彰台には立てなかったものの,それなりの戦いができるようになっていることが証明されたのだ。

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 今回,そんなASIA地区の覇者を決める戦いのファイナルに,日本のチーム「Charlotte Tiger」が予選1位の成績を収めて参加することになったのだが,「Wargaming.net League APAC」のファイナルに日本のチームが出場するのは初めてのことになるが,果たして,日本のチームは,今回の大会でどのように戦ったのだろうか……って,10月22日に掲載した記事でもお伝えしたように,「Wargaming.net League APAC Season 2ファイナル」の模様はTwitchでも生放送されているので,見た人も多いかもしれない。というわけで,ここは,「知ってる」とかいわずに,ぜひドキドキしながら読んでもらえると,こちらとしても楽なので,よろしくお願いします。


DAY0:記者会見


大会前日に行われた記者会見の模様。4か国語が飛び交い,雰囲気はいかにも国際的だ。途中でなんだかよく分からなくなってきたが
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 開催前日となる10月23日には,韓国および各国から来たメディアに向けた記者会見が行われた。記者会見とか,あるんだ! という個人的な驚きはともかく,今回参加しているのは日本の「Charlotte Tiger」のほか,韓国の「ARETE」,そして中国の「Elong」の3チームとなる。「ARETE」は前回Season 1のディフェンディングチャンピオンとして,優勝候補の筆頭に挙げられている。基本的にスポンサーのいないアマチュアチームだが,メンバーの中にはプロゲーマーもいるとのこと。
 対して,中国の「Elong」はプロチームだ。プレイヤーの人ならご存じのとおり,中国には独自のサーバーがあるが,今回はASIA枠として参加している。予選の成績は「Charlotte Tiger」に次ぐ2位だ。

開催概要(左)と,各チームのステータス(右)
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 日本の「Charlotte Tiger」は新しいチームで,もともとは1年前,日本のトーナメントに向けて結成されたものだが,Season 1にも参加して,その結果があまり良くなかったため,6月か7月頃にいったん解散したという。その後,やはりこのままやめられないということで,離れたメンバーを呼び集めたり,新たに募集してできたのが「Charlotte Tiger」であるとのこと。上で触れたフィリピンの「PVP Super Friends」を破っており,ある意味,大会のダークホース的な存在と呼べるかもしれない。

「Elong」代表。中国サーバーでもさまざまなトーナメントが開催されているが,閉鎖的な雰囲気もあるので,ASIAのチームとして今回の大会に出場することを選んだという。メンバーのほとんどが同じゲーミングハウスで一緒に暮し,朝から晩まで一緒に練習するという完全なプロチームだ。中国以外のサーバーにも遠征して練習を積んでおり,状況に応じてさまざまな戦闘スタイルがとれる柔軟性を持っているという。好きな戦車はやはり中国戦車とのことだが,これは別に,中国だからというわけではなく,彼らのプレイスタイルによく合っているからだそうだ
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「ARETE」代表。ホームグラウンドで対戦するという有利さはあるものの,KRサーバーには韓国チームしかいないため,他国の異なるプレイスタイルのチームに当たるのは,それなりの難しさがあるという。本文でも書いたように,プロゲーマーも参加しているが,基本的にはアマチュアチームであり,仕事をもっているメンバーも多いため,全員揃っての練習にはやはり苦労があったようだ。ほかのチームの戦いぶりは,ビデオなどを見て研究したとのこと。ちなみに,スポンサーを募集中だそうだ
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「Charlotte Tiger」の代表。左がリーダーのplateaux選手。右がサブリーダーのhiwami選手。海外の記者から「日本ではあまり海外ゲームをプレイしないと印象があるが,なぜ『World of Tanks』を選んだのか」という質問が飛び,それに対して,おそらくその印象は,このようなeSportsの大会で良い成績を残せていないせいであり,今後,その印象は変わっていくはずだと答えた。「ARETE」とは初顔合わせだが,「Elong」とは過去2回対戦しており,結果は1勝1敗だった。この大会を最後にチームを抜けるメンバーがいるので,最大の目標は,ともかく今回の大会で勝利することだという
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 英語,韓国語,中国語,そして日本語が飛び交うかなり国際的な記者会見だったが,それにしても,海外での大会であるうえに,外国の記者からさまざまな質問を受け,写真を撮られムービーの撮影にも応じるという状況で,ホームの韓国チーム,そしてプロとして場なれしている雰囲気の中国チームに比べて,日本チームはやや緊張している雰囲気があったりなかったり。果たして,優勝賞金6万ドルはどのチームのものになるのだろうか。

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DAY1:総当たり戦


Yongsan eSports Stadiumは,このビルの9階
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 初日の戦いの舞台になるのは,ソウルのヨンサンにあるYongsan eSports Stadiumで,聞くところによれば,韓国eSportsの聖地とか呼ばれていおり,さまざまなゲーム大会がここで開催されるという。ステージだけでなくネットワーク環境などの環境も行き届いており,手軽につかえるこうした施設があることも,eSportsに対する韓国の熱意が感じられて,うらやましい。
 さて,初日は総当たりで3試合が行われて1位のチームが決まり,1位のチームが翌日の決勝戦のシードチームになるわけだ。対戦表は以下のとおり。

・第1試合:「Elong」vs.「Charlotte Tiger」
・第2試合:「Elong」vs.「ARETE」
・第3試合:「ARETE」vs.「Charlotte Tiger」


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 日本チームの最初の対戦相手は,中国の「Elong」で,ルールは3ゲーム先取したほうが勝ちという,いわゆる「BO5」(Best of 5)システムで,引き分けの場合はどちらもにも勝ちとなる。また,使用戦車の選択は7/42形式となっており,これは7人の合計Tierが42以下になるようにするというもので,このへんは公式ルールに則っている。試合時間は,7分間だ。

 Yongsan eSports Stadiumのキャパシティは200人ほどとのことだが,会場は満員で,司会の3人も高いテンションで会場を盛り上げる。もちろん,韓国チームへの声援がひときわ高かったものの,他のチームでも,見せ場を作れば観客は鋭く反応して大歓声をあげるとといった具合に,観客の「分かっている感」もかなり高い。総じて,さすがeSports大国だと思わせるものがあり,いい感じの大会だったという印象だ。

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 さて,対「Elong」戦の第1試合だが,マップPROKHOROVKAを舞台にしたこの戦いでは,「Charlotte Tiger」と「Elogn」の双方が飛び出しての交戦となり,短時間の撃ち合いの末,日本チームがあっという間に勝利を収めた。続くWINTER HIMMELSDORFでは,先行して飛び出した「Charlotte Tiger」の3両が待ち受ける敵に撃破されてしまい,なし崩し的に敗北を喫した。
 続くSTEPPSでも撃ち負けてしまったが,市街戦となるRUINBERG ON FIREでは敵をうまく追い込んで勝利を収め,2勝2敗で最後のMINESに突入した。
 お互いに突出して丘をめぐる攻防が繰り広げられたが,チームワークに勝る「Elong」がうまく立ち回って勝ちを拾い,「Charlotte Tiger」は2勝3敗で第1試合を落とした。

初日,選手達はこの防音ボックスに入って戦った
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 第2試合は,初戦がドローで終わり,続くゲームでは「Elong」が勝利する。ドローでも勝てる状況になった「Elong」は3戦め,自陣付近でキャンプして敵を待ち構えたが,これを読んでいた「ARETE」が巧みに移動して攻撃を加え「Elong」の体制を崩し,そのまま勝利した。最後のゲームも叩き合いの末「ARETE」が勝ち,2連勝で試合を制した。

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 そんな「ARETE」と日本チーム「Charlotte Tiger」の戦いは,序盤から「ARETE」優勢で,WINTER HIMMELSDORF,CLIFFといいところなく2連敗してしまった。このまま終わりかなという雰囲気が会場全体に漂ったものの,MINES,PROKHOROVKAと取り返し,お互いに2勝2敗のまま,最後のマップSTEPPSへと突入した。いやあ,盛り上げてくれるなあ。
 メディアとして中立を保たなければいけないんじゃないかなあ,とは思いつつ,どうしても日本チームを応援してしまうのは人情だ。国際トーナメントの生配信などで見るロシアの強豪チーム同士の戦いは,もちろん見ごたえがあるし,研究の対象にもなりそうだが,これほど手に汗は握ったりしない。日本でeSportsが盛り上がるためには,こうした日本人の活躍が,やっぱり必要なのではないかと感じた。

各試合の開始前,使用マップのホットポイントや,戦闘多発地帯などが説明される。分かりやすい
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 それはともかく,最後の戦いは見通しのいい広いマップを舞台に,双方アグレッシブな撃ち合いになった。第1試合のPROKHOROVKAで「Elong」を圧倒しているだけに,期待が高まったが,残念ながら比較的あっさりと負けてしまった。かくして,1位は2勝した韓国の「ARETE」,2位は中国の「Elong」,そして「Charlotte Tiger」は3位となった。

 終了後,「Charlotte Tiger」のリーダーであるplateaux選手に話を聞いたが,やはりチームワークの不足を敗因に挙げていた。「Charlotte Tiger」は,個人のスキルには自信があるものの,チームワーク不足は否めないとのこと。もっとも,積極的に攻めていくという戦略を変えるつもりはなく,もっとこてんぱんにやられるのではないかと予想していただけに,ここまで戦えたことによって自信がついたとし,最後に,明日は勝ちますと述べた。
 事前情報ではキャンパーだと聞いていた日本チームだったが,意外なことにどのゲームでも積極的に攻め,見ている側にとっても面白い戦いが続いたことは間違いない。

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DAY2:決勝戦


BlueSquare SamsungCard Hall
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 決勝戦が行われるBlueSquare SamsungCard Hallは,前日より多い500人以上の観客が収容できるという。選手達は朝,ホテルからバスでその会場まで移動する。会場では,それぞれのチームに楽屋が与えられ,そこで準備を行うわけだが,到着したらすぐに入退場のリハーサルなどに狩り出されるので,なかなか忙しい。リハーサルではそれぞれの選手の立ち位置やポーズまで指定される。
 eSportsの選手達はスターだ! というのがWargamingのポリシーとのことで,試合に集中してもらうため,指定されたタイミング以外ではメディアも(本当は)選手達には近づけない。食事も別々だ。もちろん,通訳も用意されているので,外国でも困ることはなく,大会によっては選手だけのオプショナルツアーも用意されている。そこのあなた,どうです。ちょっと「World of Tanks」,やってみたくなってきません? 

会場に到着後,地下通路を通って楽屋へ向かう(左)。楽屋でくつろぐ選手達。なぜ全員が韓国チーム,「ARETE」のマントを着ているのかは,教えてもらえなかった(右)
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あんま長くはなかったけど,開場前には列ができていた
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 plateaux選手によれば,「Charlotte Tiger」はオンラインで3勝3敗1分けでプレイオフに進出し,そこで2連勝してここへやってきたという。数百の強豪チームがガチでつぶし合いを行うロシアやEUに比べれば,まだしも楽だろうと思われる。もっとも,ブロンズ→シルバー→ゴールドと進む予選のシステムはちょっと複雑で,ルールが段階によって変わるところも泣きどころなんだとか。Wargaming.net Leagueはまだ設立2年めということで,最適化へ向けてさまざまな模索が続いているようだ。近いうちに,戦術レベルでの変化を余儀なくされるような見直しも入りそうだと,先行するロシアの状況を追っているplateaux選手は言う。

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リハーサルの模様。入退場のダンドリが,念入りに繰り返された
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 ともあれ,本日の対戦はまず,2位の「Elong」と3位の「Charlotte Tiger」が戦い,その勝者が1位の「ARETE」と戦うというエリミネーション形式となっている。つまり,初戦に負ければ3位決定だ。
 最初のゲームの舞台となったのはWINTER HIMMELSDORFで,スタート直後から双方,キャンプ気味の展開になった。小競り合いは起きるものの,決定的な戦いは発生しない。「Charlotte Tiger」は序盤で2両破壊されたものの,じれて占領しにきた敵戦車を破壊して,ここで時間いっぱいとなり,結果はドローだった。
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 打って変わって,続くRUINBERG ON FIREでは,最初から双方が飛び出しての撃ち合いになった。さすがに射撃の技量には自信があるというだけに,開始わずか3分で敵の戦車は残り1両になり,そのまま押し切って勝利を収めた。うおー,強い。
 しかし,3ゲームめのCLIFFでは,中央の丘をめぐる戦いに敗れて敗北してしまう。これでお互いに1勝1敗1分になり,決着はPROKHOROVKAでつけられることになった。このマップ,昨日は「Elong」を圧倒しているだけに,筆者を含めて「Charlotte Tiger」の勝ちを予想した人も多かったのではないだろうか。
 しかし,さすがにプロチームというべきかなんというか,ちゃんと修正をかけてきた模様で,昨日と同じように飛び出した「Charlotte Tiger」の戦車は次々と敵の砲撃にさらされる。なんとか応戦はしたものの結局すべて撃破され,この時点で「Charlotte Tiger」にとって「Wargaming.net League APAC Season 2 Finals」は終わった。

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 最終試合となる「ARETE」と「Elong」の戦いは,4勝先取したほうが勝ちというルールに変更された。最初のゲームはお互いにキャンプしてドローとなったが,「ARETE」は続く2ゲームこそ落としたものの,続けて3連勝してアジアチャンピオンに輝いたのだ。とくに第5ゲーム,全力で突進してくる「Elong」の進撃コースを読みきった戦いは迫力満点で,下馬評どおり,見ていて面白く,かつ強い,まさにアジア最強チームという雰囲気が伝わってきた。

Season 1に引き続き,優勝したのは韓国の「ARETE」。圧倒的な強さだった
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 以上のような経過で,トーナメントは幕を閉じた。世界の壁というか,それ以前にアジアの壁もかなり高いことを再認識させられる結果に終わった。詳しくはこちらも公式サイトなどを参照してほしいが,勝利チームには「レーティングポイント」が与えられ,その多寡で最終決戦であるグランドファイナルへ進める2チームが決まることになっているが,韓国チームが連覇したため,彼らのグランドファイナル進出はほぼ確定したようだ。

表彰式の模様。1位には6万ドル,2位には2万ドル,3位には8500ドルの償金が贈られた
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 対して,日本チームにいろいろと課題が残ったことは間違いないだろう。とはいえ,プレイヤー人口の少なさや日本におけるeSportsの立ち位置など,いろいろなハンディがありつつも,ここまで来られたことは,やっぱりすごいといえるかもしれない。「ARETE」が1強として君臨したため,2位以下はややダンゴ状態になっており,「Charlotte Tiger」のグランドファイナル進出の芽も完全に摘まれたわけではない。

楽屋に来たファンの女の子と一緒に記念撮影的な写真。え,ファンとか,どういうこと? つか,うらやましい
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 「World of Tanks」はオンリーワンのユニークなゲームだ,とplateaux選手は言う。簡単で,誰でもすぐにうまくなれ,50代,60代の人でも十分に楽しめ,反射神経がまったく要求されないわけではないが,FPSや格闘ゲームに比べればその割合は低い。チーム戦なので,個人の技量だけでなく,チームワークで勝つことも十分に可能だから,eSportsとしてのゲームを考えているなら,ぜひプレイしてほしいとのこと。

 もしあなたが,無料で観光が楽しめ,海外記者からのフラッシュを浴び,しかも数百人の観客の前で華麗なプレイを見せて満場の大喝采を受けたいのなら,“「World of Tanks」をプレイすること”,を選択肢に入れてもいいかもしれない。または,新規メンバー募集中で,「入ってきた人は絶対にうまくする」とplateaux選手の言う,「Charlotte Tiger」に参加することが近道である可能性もある。なんだか見ているうちに,筆者もプレイしてみたくなってきたというのはどうでもいい話だが,これからの日本チームに期待したい。

残念ながら3敗という結果に終わった日本チーム。前列左からhiwami選手,リーダーのplateaux選手,opelisk選手,poly選手,後列左からmubesi選手,Shinozukit選手,Starman選手,Renno選手,t4選手。公式サイトのフォーラムでは,チームメンバーを募集中だそうだ。来年の会場はまだ未発表だが,我こそはと思う人は,ぜひ「Wargaming.net League APAC Season 3」に挑戦してほしい
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