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NVIDIA,Fermiベースの新世代「Tesla」を正式発表。2010年第2四半期に市場投入へ
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印刷2009/11/16 23:00

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NVIDIA,Fermiベースの新世代「Tesla」を正式発表。2010年第2四半期に市場投入へ

 2009年11月16日23:00,NVIDIAは,次世代グラフィックスアーキテクチャ「Fermi」(フェルミ)を採用するHPC(High Performance Computing)向けGPU,「Tesla 20-Series」を正式に発表した。

NVIDIAが「Computational GPU」(演算能力を持ったGPU)と位置づけるFermiアーキテクチャのアドバンテージ
画像集#002のサムネイル/NVIDIA,Fermiベースの新世代「Tesla」を正式発表。2010年第2四半期に市場投入へ

 これは,米オレゴン州ポートランドで開催されるスーパーコンピューティング関連の国際会議「SC09」,その本会議開催に合わせてアナウンスされたもの。Tesla 20-Seriesは,容量3GBのECC対応GDDR5メモリを搭載し,520〜630GFLOPSの倍精度浮動小数点演算性能を実現する「Tesla C2050」と,メモリを6GB搭載した上位モデル「Tesla C2070」で構成され,順に2010年第2四半期,同第3四半期に市場投入されることが明らかになっている。

NVIDIAが「Personal Supercomputer」と位置づけるTesla。そのFermiアーキテクチャ版は,2010年第2四半期以降の市場投入予定と発表された。ちなみに,GT200世代のGPUからFLOPS数が下がっていると思うかもしれないが,これは,GT200世代だと単精度浮動小数点演算性能が主に語られていたため。Fermi世代では倍精度になったので,見かけ上の数値は下がっている
画像集#003のサムネイル/NVIDIA,Fermiベースの新世代「Tesla」を正式発表。2010年第2四半期に市場投入へ

 Tesla C20x0の接続インタフェースはPCI Express 2.0 x16。消費電力は最大225W(※典型的な用途では190W前後)とのこと。データセンター向けの1Uシステムとして,Tesla C2050を4枚搭載した「Tesla S2050」と,Tesla C2070を4枚搭載した「Tesla S2070」も,各カードの販売開始と同じタイミングで市場投入される予定だ。

Tesla C2050&C2070の基本仕様。520〜630GFLOPSの倍精度浮動小数点演算性能を実現する。消費電力は最大225Wという
画像集#004のサムネイル/NVIDIA,Fermiベースの新世代「Tesla」を正式発表。2010年第2四半期に市場投入へ

Tesla C20x0シリーズの投入にあわせて,データセンター向けの1Uシステム「Tesla S20シリーズ」も投入予定。4基のTesla C2050/C2070を搭載したシステムにより,2.1〜2.5TFLOPSの倍精度浮動小数点演算性能を実現する
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 NVIDIAでFermiベースのTesla開発を担当したSumit Gupta(スミット・グプタ)氏(Senior Product Manager, Tesla GPU Computing (CUDA) Group)は,現在,スーパーコンピューターの性能ランキングで世界上位500台に入るには17TFLOPSの倍精度浮動小数点演算性能が必要になるが,その17TFLOPSをTesla 20-SeriesベースのGPUコンピューティング環境で実現すれば25万ドルで構成可能だとアピール。また,同じ100万ドルの予算なら,68TFLOPSを実現できるとして,「科学計算などのジャンルでは,今後,GPUコンピューティングの需要がさらに高まっていく」という見通しを示す。

今日(こんにち)におけるスーパーコンピュータ上位500システムの演算性能を示したのが左のスライド。500位のシステムは,100万ドル(約9000万円)のコストで,17TFLOPSの倍精度浮動小数点演算性能を実現するが,同じ性能をTeslaで実現する場合は25万ドルで済むうえ,100万ドルかければ68TFLOPSを実現できると,右のスライドでGPUコンピューティングの優位性が訴えられた。ただし,500位で17TFLOPSというのは,2009年6月のデータ11月のデータだと,500位でも20TFLOPSを超えている
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 実際,現在開催中の「SC09」では,12%以上の論文が,NVIDIAのGPUを使った題材になっているとのこと。Fermiアーキテクチャは,この傾向をさらに加速すると氏は強調している。

Fermiアーキテクチャの登場により,CPUとGPUの演算性能差はさらに大きくなり,GDDR5の採用によって,メモリバス帯域幅のギャップも開くとGupta氏
画像集#009のサムネイル/NVIDIA,Fermiベースの新世代「Tesla」を正式発表。2010年第2四半期に市場投入へ

 ただし,正式発表されたとはいえ,Tesla 20-Seriesの動作クロックなど,詳細はなおも伏せられたままだ。今回明らかになったのは,上で紹介したとおり,製品名と搭載メモリ容量,接続インタフェース,消費電力値程度である。

Fermiアーキテクチャを採用したGPUのダイ写真
画像集#010のサムネイル/NVIDIA,Fermiベースの新世代「Tesla」を正式発表。2010年第2四半期に市場投入へ
 NVIDIAは,Fermiアーキテクチャに最適化され,C++もサポートするCUDA 3.0のβ版を今月から開発パートナー向けに供給している。また,OpenCLの開発環境も倍精度演算に対応させるなど,ソフトウェア開発環境の整備は着々と進んでいる。
 9月末に開催された「GPU Technology Conference」で,NVIDIAの社長兼CEOを務めるJen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン)氏が自ら,Fermi世代ではTeslaを先行させると述べていたことも考えると,その市場投入スケジュールが2010年第2四半期となったのは,残念というほかない。

NVIDIAは11月から,倍精度浮動小数点演算に対応したOpenCL開発環境の提供を開始している(左)。また,Fermiアーキテクチャに対応し,C++のサポートも加わったCUDA 3.0は,現在,開発パートナー向けにβ版が提供されている段階にある(右)
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 あとは,当初の計画が変更になったことで,「何を先行させるか」のスケジュールが変わる――次世代GeForceの投入が前倒しされる――ことを願うばかりである。
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