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NVIDIA,Fermiベースの新世代「Tesla」を正式発表。2010年第2四半期に市場投入へ
これは,米オレゴン州ポートランドで開催されるスーパーコンピューティング関連の国際会議「SC09」,その本会議開催に合わせてアナウンスされたもの。Tesla 20-Seriesは,容量3GBのECC対応GDDR5メモリを搭載し,520〜630GFLOPSの倍精度浮動小数点演算性能を実現する「Tesla C2050」と,メモリを6GB搭載した上位モデル「Tesla C2070」で構成され,順に2010年第2四半期,同第3四半期に市場投入されることが明らかになっている。
Tesla C20x0の接続インタフェースはPCI Express 2.0 x16。消費電力は最大225W(※典型的な用途では190W前後)とのこと。データセンター向けの1Uシステムとして,Tesla C2050を4枚搭載した「Tesla S2050」と,Tesla C2070を4枚搭載した「Tesla S2070」も,各カードの販売開始と同じタイミングで市場投入される予定だ。
NVIDIAでFermiベースのTesla開発を担当したSumit Gupta(スミット・グプタ)氏(Senior Product Manager, Tesla GPU Computing (CUDA) Group)は,現在,スーパーコンピューターの性能ランキングで世界上位500台に入るには17TFLOPSの倍精度浮動小数点演算性能が必要になるが,その17TFLOPSをTesla 20-SeriesベースのGPUコンピューティング環境で実現すれば25万ドルで構成可能だとアピール。また,同じ100万ドルの予算なら,68TFLOPSを実現できるとして,「科学計算などのジャンルでは,今後,GPUコンピューティングの需要がさらに高まっていく」という見通しを示す。
実際,現在開催中の「SC09」では,12%以上の論文が,NVIDIAのGPUを使った題材になっているとのこと。Fermiアーキテクチャは,この傾向をさらに加速すると氏は強調している。
ただし,正式発表されたとはいえ,Tesla 20-Seriesの動作クロックなど,詳細はなおも伏せられたままだ。今回明らかになったのは,上で紹介したとおり,製品名と搭載メモリ容量,接続インタフェース,消費電力値程度である。
9月末に開催された「GPU Technology Conference」で,NVIDIAの社長兼CEOを務めるJen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン)氏が自ら,Fermi世代ではTeslaを先行させると述べていたことも考えると,その市場投入スケジュールが2010年第2四半期となったのは,残念というほかない。
あとは,当初の計画が変更になったことで,「何を先行させるか」のスケジュールが変わる――次世代GeForceの投入が前倒しされる――ことを願うばかりである。
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Copyright(C)2010 NVIDIA Corporation
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