ゲームオンは2013年7月20/21日の2日間,MMORPG「
ArcheAge」と,個展「OpenSky 3.0 ―欲しかった飛行機、作ってみた―」のコラボレート企画
「ArcheAgeの世界展」を,東京・神田にあるコミュニティスペース「3331 Arts Chiyoda」にて開催した。
「OpenSky 3.0 ―欲しかった飛行機、作ってみた―」は,かつて「PostPet」などを手がけたことで知られるメディア・アーティスト
八谷和彦氏の個展である。掲載写真を見ればピンと来る人も多いと思うが,「風の谷のナウシカ」に登場する架空の航空機“メーヴェ”の機体コンセプトを参考に,それを「実際に飛行可能な航空機」として試作し,さらにテスト飛行まで行ってしまうというユニークなプロジェクトだ。
同プロジェクトでは,ゴム索による曳航(えいこう)飛行が可能な「M-02」と,M-02にジェットエンジンを搭載し自力発航が可能な「M-02J」のテスト飛行を行っている。OpenSky 3.0では,M-02やM-02Jの実機はもちろん,このプロジェクトの経緯などが公開された。
そしてArcheAgeは,ゲームの序盤からグライダーによる滑空が楽しめるMMORPGだ。大空を飛ぶ楽しさを追求する両者のつながりが,今回のコラボ企画を実現するきっかけになったというわけだ。
3331 Arts Chiyodaは,元々は学校の校舎だった建物を改装したコミュニティスペース。御徒町駅や秋葉原駅から歩いて行ける距離だ
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個展「OpenSky 3.0 ―欲しかった飛行機,作ってみた―」
この機体は「M-02」。先端に伸びたフックにゴム索を付けたうえで引っ張ってもらい,機体を浮かせて飛行する仕組み。機体の幅は9636mm,重量は66kg,乗員の重量制限は装備込みで60kg未満
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こちらはジェットエンジンを搭載した「M-02J」。エンジンや制御機器がある分,重量は88.6kgとM-02よりも重め。これが自力発航で飛行できてしまうと考えるだけでワクワクしてくる
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機体のシミュレータや,プロジェクトにまつわるクイズ,漫画などが展示されており,航空機に詳しくない人でも理解しやすい。ちなみに飛行機に詳しい人ほど,この機体がなぜ飛べるのか不思議がるのだそうだ
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 シミュレータは,Microsoft製のフライトシムがベースになっている。筆者も試してみたかったのだが,重量制限が60kg未満とのことで無理でした…… |
 GMルシウス氏は重量制限をクリアできたらしい。うつぶせに寝転がっているだけのようにも見えるが,この状態で顎をあげて正面を見るのは想像以上に大変だったそうだ |
「ArcheAgeの世界展」
OpenSkyの隣に展示された“ArcheAgeの世界展”スペース。かぼちゃカカシや木箱タワーのほか,地面をよく見るとクエスト目的地を示す矢印や,犯罪の痕跡である“足跡”も確認できる。衣装も含め細かいところまで良く出来ており,2日間だけの展示というのは少々もったいない気も
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GMルシウス氏(左),八谷氏(中央),運営プロデューサーの野田氏(右)
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7月20日には同会場内にて,ArcheAgeの運営チームと八谷和彦氏によるトークショーが行われ,Ustream公式配信チャンネル「ゲームオンTV」およびニコニコ生放送で,その模様がライブ配信された。
今回初めてArcheAgeに触れたという八谷氏は,ゲーム内のグライダーに興味津々の様子だった。ArcheAgeのグライダーは,飛行時に翼が微妙に揺れるなど挙動がリアルで,実際のグライダーの特徴をうまく再現していると評価していたのが印象的だ。
また八谷氏は,こういったリアルなグライダーが,ゲーム内で手軽に体験できることにも驚いていた。たとえばM-02などのテスト飛行時は,機体の持ち運びだけでも一苦労で,スタッフの手配や天候など,さまざまな点に注意を払わなければならない。ArcheAgeのグライダーは,そういった煩わしい準備などを気にせず,大空を自由に飛ぶ醍醐味を,自宅で気軽に体験できるのだ。
ArcheAgeの操作に慣れない八谷氏は,グライダーの操作中,岩などにぶつかっていたが,その際にも「怪我をする心配をしなくていいのは良い」と語っていた。確かに,M-02で岩に激突したら,怪我どころでは済まないかもしれない。
トークショーでは,八谷氏とArcheAge運営プロデューサーの
野田真央氏が,キャラクリエイトの腕を競うという催しも行われた。5分間の制限時間内で,エルフの女性をベースにキャラクターを作り上げ,その仕上がりをライブ配信の視聴者に採点してもらうという企画だ。
八谷氏が手塩にかけたキャラクターのテーマは「クールなお姉さん」。泣きボクロと目の周りのハイライトにこだわった力作だが,そういった特徴を細かく設定できることに,我ながら驚いていたようだ。
そして一方の野田氏のキャラクターは,「あの夏の甘い恋」というテーマ。これを見た八谷氏は「ティム・バートン監督の映画に出てきそう」,GMルシウス氏は「コメントしたくない」。まぁある意味,ArcheAgeのキャラクリエイトの幅広さを体現した……のかもしれないが,言うまでもなく,視聴者達は八谷氏のキャラクターを選んだ。
左が八谷氏,右が野田氏の作品
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イベントでは,現在「
ArcheAge」で展開中のキャンペーンがあらためて紹介されたが,それらについては4Gamerでも紹介済みなので,詳しくはそちらを参照してほしい。
7月23日に正式サービスを迎えるArcheAgeだが,その後もさまざまなイベントでゲーム内外を盛り上げていきたい,と野田氏は語っていた。今回のコラボ企画もそうだが,他のタイトルとはひと味違ったプロモーション展開に期待したいところだ。
強烈なインパクトで注目を集めている「ArcheAge移住計画」(関連記事)。現時点ですでに100名以上の応募があり,その2割は女性だという
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なお,「ArcheAgeの世界展」は21日で終了しているが,個展「OpenSky 3.0 ―欲しかった飛行機,作ってみた―」は9月16日まで行われている。開催時間は12:00〜19:00で,入場料は大人500円,大学生と高校生は300円,中学生未満は無料となっている。堅苦しい出展内容ではないので,気になった人は
こちらの公式サイトを確認したうえで,気軽に参加してみよう。
会場内には,八谷氏が関わっている別プロジェクト「すすめ!なつのロケット団」関連の展示も行なわれている。堀江貴文氏がスポンサーとなっており,すでに5基のロケットを実際に打ち上げている
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