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印刷2010/06/28 16:15

連載

海外ゲーム四天王 / 第50回:「DogFighter」

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第50回:今週の空中戦:「DogFighter」
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 アイルランドの独立系デベロッパ,Dark Water Studiosが開発した「DogFighter」は,ドーベルマンやチワワを戦わせる闘犬シム……ではなくて,空中戦に特化したコンバットフライトシミュレータ。自動追尾式のミサイルや,超音速巡航,そしてステルス性といった現代の戦闘機のことはスッパリ忘れ,肉眼で見える敵を,搭載した機関銃で撃ちまくるという,クラシカルなドッグファイトが楽しめるのである。
 難しい操縦を覚える必要もなく,急旋回や宙返りなどもボタン一発で繰り出せるアーケードライクな本作を,「海外ゲーム四天王」きってのエースパイロット呼ばれるような気がしないでもないライターの朝倉氏が紹介する。

ここはどこで,自分は誰なのか,そんな細かいことは気にするな ひたすら目の前の敵を撃つべし! それが本作の楽しみ方なのだ

 

 大空を自由に飛びまわり,敵機と思う存分ドッグファイトを楽しむ,そんなエアリアルバトルをたっぷりと楽しめるコンバットフライトシミュレーションが「DogFighter」だ。
 開発したのは,アイルランドにある独立系ゲームデベロッパのDark Water Studiosで,2010年6月14日に発売された本作「DogFighter」が,彼らの処女作となる。

 

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 コンバット系のフライトシミュレーションというと「Microsoft Combat Flight Simulator」や「IL-2 Sturmovik」などのように実機や地形を可能な限りリアルに再現した,しかも操縦方法をちゃんと覚えなければ離陸すらままならないような,ハードルの高い作品を連想しがちだ。だが,スクリーンショットの雰囲気からも分かるように,本作はリアル系とは対極に位置するアーケードタイプのフライトシミュレーションゲームに仕上がっている。
 マウスを左に動かせば機体は左に曲がり,マウスを手前に引けば上昇するといった具合に,直感的な操作ができるので,操縦や戦闘はいたって簡単だ。空中戦には必須の宙返りや,進行方向を急反転させるといったテクニックも,キーボードのボタン操作一発で行えるといった具合に,プレイヤーはドッグファイトのみに専念できるのだ。

 

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 一見すると,第一次世界大戦で使われた複葉機や,第二次世界大戦の有名戦闘機を思わせるレシプロエンジンの飛行機などが登場するが,これらはすべて架空の機体。6種類用意された機体それぞれに特徴があり,例えば耐久力が高めだが機敏さに欠けたり,スピードに優れながらも耐久力が低めといった長所や短所が設定されている。

 

 戦場となるマップは,荒野の工場地帯,ピラミッドと遺跡のある古代エジプト風の砂漠,溶岩が煮えたぎる火口を持った火山地帯など5種類。空中には各種のパワーアップアイテムが浮かんでおり,それらを取ることで,敵機の攻撃で減った耐久力を補ったり,急加速が行えるブーストパワーを回復させたり,ごく短時間だけ姿を消したりといった,さまざまな恩恵が受けられる。

 

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 ゲームモードにはシングルプレイとマルチプレイの2種類が用意されており,シングルプレイではAIが操作する敵機を相手にしたデスマッチやチームデスマッチ,サバイバルといったゲームプレイを楽しめる。
 相手になってくれる敵機の数やマップなどを自由に設定できるので,操縦の練習やマップを覚えるといった用途に使えるが,ストーリーに沿ったゲームプレイを楽しむ,いわゆるストーリーモードのようなものは用意されていない。

 

 マルチプレイでは,他のプレイヤーとの本気モードでのドッグファイトが楽しめるのだが,残念なことにプレイヤーの数は少なめだ。日本時間の昼間,北米のゴールデンタイムなら多少のプレイヤーがいるようだが,盛況とはとても言えない状況。自分でマップやプレイ時間を設定してマルチプレイをスタートし,他のプレイヤーが入ってくるのを待つこともできるので,知り合いとドッグファイトを楽しむのもいいだろう。

 

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 マルチプレイは少々お寒い状況ではあるが,自機を上下左右に自在に操り,撃ちまくるというプレイそのものはとても楽しい。敵機を自動的に追尾してくれるミサイルといったハイテク武器はないため,自機に装備された機銃の弾を敵機に命中させられるかどうかに,すべてがかかっている。とはいえ,宙返りや反転がボタン一発で行えるので,ドッグファイトの初心者でも大丈夫そうだ。
 「Steam」などのデジタル配信システムで販売されているので入手性は良好。価格もお手頃なので,手軽な息抜きとしてはもってこい。リアル系コンバットフライトシムのドッグファイトは難しいのであきらめたという人も,本作で華麗な空中戦を楽しもう。

 

コラム:あなたの好きなコンバットフライトシムは,リアル系,それともアーケード系
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 いまさら偉そうに説明するのもナンだが,航空機を操って空中戦を楽しむコンバットフライトシムは,リアル系とアーケード系の2種類に大別できる。
 リアル系の代表格としては,なんといっても2001年にUbisoft Entertainmentから発売された「IL-2 Sturmovik」シリーズが挙げられるだろう。第二次世界大戦の航空機をリアルに再現し,史実に沿った(例外もあるが)空中戦を楽しむ本作は,発売と同時に航空機ファンから絶大な人気を集め,その後も続々と続編や拡張パックがリリースされている。
 IL-2にさきがけ,Microsoftの「Microsoft Combat Flight Simulator」シリーズが,1998年の第1弾発売以来,高い人気を誇っていたが,2002年の「Microsoft Combat Flight Simulator 3」以降,新作が発売されていない状況だ。
 一方,アーケード系となると,リアル系ほど熱心なファンを獲得できなかったようで,2000年に発売された「Microsoft Crimson Skies」や,2006年の「Blazing Angels: Squadrons of WWII」「Battle of Europe」などが,それなりの数はリリースされているものの,ジャンルを代表するタイトルが見当たらないのが残念だ。
 とはいえこれはPCゲームの話で,目をコンシューマ機に移せば,エースコンバットシリーズのように,人気の高いアーケード系の作品がたくさんある。

 

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■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
 前回に続いての登場となるライターの朝倉氏。ジャンルを問わずゲームには強いものの,著者紹介にはどうも弱いようで,今回こそカッチョいい著者紹介をお願いしますと言ってみたところ,「うーん……」と答えたきり返事がない。ええと,そんな朝倉氏の海外ゲーム四天王記事が読めるのは,4Gamerだけってことで。
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