プレイ動画の男は年を取ったノクト本人？　終盤をリニア展開とした意図とは？　「FINAL FANTASY XV」ディレクターがイベントで疑問に答えた

　KADOKAWA　アスキー・メディアワークスは2016年8月28日，東京都内で「FINAL FANTASY XV powered by 電撃PlayStation プレミアムイベント」を開催した。イベントには「FINAL FANTASY XV」（PS4/Xbox One　以下，FFXV）ディレクターの田畑 端氏，グローバルブランドディレクターであり，「BROTHERHOOD FINAL FANTASY XV」プロデューサーでもある大藤昭夫氏，「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」ディレクターの野末武志氏らが登場。FFXVに関してさまざまなトークを繰り広げた。

「ジャスティス モンスターズ ファイブ」は8月30日に配信

「BROTHERHOOD」「KINGSGLAIVE」の発売日は変更なし

　イベントは「『FFXV UNIVERSE』スペシャルステージ」からスタート。さまざまに展開されているFFXVの世界が紹介された。

「KINGSGLAIVE FFXV」ディレクターの野末武志氏（写真左），「BROTHERHOOD FFXV」プロデューサーの大藤昭夫氏（写真右）

　まずは7月9日に公開されたCG映画「KINGSGLAIVE FFXV」について。これはFFXVの少し前を描く内容で，プリプロを含めると2年半もの時間を掛けて製作され，世界中にある50以上のCGスタジオが協力しているという。ゲームを遊ぶ人の中にはネタバレを気にする人もいるが，そうした心配なく観賞できる作品であると野末氏は語った。


　そしてノクト達の友情がテーマとなったアニメが「BROTHERHOOD FFXV」だ。現在は4話までがWebで無料配信されているが，最終回となる5話は東京ゲームショウの頃には公開したいとのこと。また，作中でイグニスが作るお菓子についても覚えておいてほしい，と大藤氏。ゲーム本編との何らかの関わりを示唆していると思われるが，大藤氏の口は堅く，これ以上の情報は出てこなかった。
　なお，ゲーム本編の発売日は11月29日に延期されたが，「KINGSGLAIVE FFXV」「BROTHERHOOD FFXV」の映像ソフトは，ゲーム付きパッケージを除いて予定通り9月30日に発売される。ファンとしては一安心だろう。


　ここで舞台上には田畑氏と，スピンオフゲーム「ジャスティス モンスターズ ファイブ」のプロデューサーである本橋大佐氏が加わり，情報を公開した。同作はiOS/AndroidとPCでの展開が予定されているが，iOS/Android版については8月30日の配信が決定したとのことだ。

FFXVの疑問に答えるアクティブ・タイム・レポート

　続いては「アクティブ・タイム・レポート gamescom振り返りSP ！」として，田畑氏と大藤氏が，FFXVではお馴染みとなっているネット番組のスペシャル版を生放送した。


　まず田畑氏は「延期の決定により，多数のご迷惑を掛けていることは重々理解しています。この場を借りて，ファンや業界関係者の方々に改めてお詫び申し上げます」と謝罪。マスターを作った際，これをユーザーに見せる訳にはいかないと即断した，いわば「覚悟を決めての延期」である，と改めて理解を求めた。

　Q＆Aコーナーでは，gamescom 2016と同時期に公開されたプレイムービーの内容など，FFXVにまつわるさまざまな疑問に田畑氏が回答した。

Q：動画の冒頭に出てくるのはラスボスなのか？
　動画の冒頭には，炎の中で戦うノクト達4人の姿が見られる。相手はどういった存在なのか，そしてラスボスであるか否かが話題になった。田畑氏によれば，ここで戦っている敵はイフリートであり，ラスボスでは「ない」とのこと。

Q：冒頭に出てくる男性は，大人になったノクトなのか？
　この冒頭シーンでは，「ノクト」の名で呼ばれる，少し年かさの男性が登場している。我々がよく知る20歳のノクトとは年齢に隔たりがあるのだが，これは年を取ったノクト本人とのこと。ノクトの年齢に変化があるということが，物語的にも重要な部分になっていくそうだ。かなりのネタバレであるように見えるのだが，公式からはゲーム体験を損なうような情報は出していないので安心してほしい，とのこと。

Q：オルティシエが出てくるのは中盤なのか，終盤なのか
　E3のステージプレイでは，「オルティシエ」という街が紹介されたが，ネット上では登場の時期が「中盤」か「終盤」なのかが議論となっている。結論としては「中盤」に出てくる街であるという。田畑氏が中盤と発言したところ，通訳が終盤と聞き間違えたことが理由であるとのこと。

Q：後半の展開がリニアなものであるという発言に関して
　FFXVはシリーズ初となるオープンワールドを採用したことで話題となっているのはご存じのとおり。しかし，田畑氏がインタビューで「後半はリニアな展開となる」という主旨の発言をしたことが話題となった。
　田畑氏によると，終盤にはノクト達が列車で旅する展開があるという。これは，怒濤のストーリー展開により，ラストまで緊張感を保ったまま，連続ストーリー的な面白さを描きたいという意図によるものだという。FFXVはオープンワールドの部分だけでも充分なボリュームがあるものの，それだけで終わってしまってはFFの新作としてどうなのかと田畑氏は考え，これまでのFFの良さを加えようということで，こうした展開になっているとのこと。

会場では，FFXVの試遊会も行われた。収録されている範囲はgamescom 2016に出展されたものと同じで，メッセージやボイスは日本語になっていた

試遊台にはセリフをフィーチャーしたシールが貼られていた。それぞれの試遊台で内容が異なっているという凝ったものだった

開発資料として作られた模型も展示されていた

衣装デザインを担当した「Roen」によるレプリカ商品

設定画やイメージボードといった貴重な資料も登場

「Final Fantasy XV VR Experience」（左写真）と，ARアプリ用の撮影スペース（右写真）

「FINAL FANTASY XV」公式サイト