インディーズゲームの小部屋：Room＃398「ゆりかごのそら」

　東京ゲームショウが楽しみなような，そうでもないような筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第398回は，ノンリニアの「ゆりかごのそら」を紹介する。本作は，置き手紙を残していなくなってしまった母親を探すため，主人公の女の子が友達と一緒に冒険の旅に出るという，横スクロールアクションRPGだ。ただ一つ言えることは，ゲームショウが終わったらしばらく休ませていただきます……。


　絵本の中の夢物語に登場する，青くて無限に広い「そら」に憧れている少女・クーニャ。あるとき，クーニャが朝のおつかいから家に戻ると，そこに母親の姿はなく，作りかけの朝ごはんと，「そらを見に行ってきます」と書かれた置き手紙が残されていた。そして，クーニャは母親の行方を求めて，友達のナツメと一緒に，母親が見に行ったという「そら」の世界を目指して家を飛び出したのであった……。

クーニャ

ナツメ

トト

　本作は横スクロールタイプのアクションRPGで，クーニャはさまざまなスキルを使った攻撃とジャンプを駆使して，モンスターだらけのフィールドを冒険していく。スキルは最初に覚えているもののほかに，敵を倒して経験値を獲得し，レベルアップすることで新たなものを習得できる。覚えたスキルは自由にスキルパレットに設定でき，方向キーと攻撃ボタンの組み合わせによって異なるスキルを繰り出せるという仕組みだ。


　スキルは連続して敵にヒットさせることでコンボが発生し，敵に与えるダメージが上昇していく。また，スキルをヒットさせるとテンションゲージが溜まっていき，テンションが100％になると強力なスペシャルスキルが発動できる。積極的に攻撃を仕掛けてコンボをつなぎ，スペシャルスキルで敵を蹴散らしていこう。各スキルはスキルポイントを使って強化することができるので，自分が使いやすいものを強化していくといいだろう。


　冒険の舞台となるフィールドは，平原あり，鉱山あり，森林ありとバラエティに富んでおり，鍵のかかった扉や，動かして足場にできる岩といった，ちょっとしたギミックもある。また，ゲームを進めるとナツメがクーニャをおんぶできるようになり，移動速度がアップしてクーニャでは登れないような急な斜面も登れるように。さらにゲームを進めると，新たにもう1人，トトというキャラクターが仲間になり，ナツメとは違った移動スキルが使えるようになる。


　ドット絵で細かく描かれたキャラクターが動き回る様子が非常に可愛らしく，ほのぼのとした世界観とは裏腹に何か大きな秘密が隠されていそうなストーリーからも目が離せない本作。要所でボス戦があるものの，アクションゲームとしては簡単な部類に入るので，アクションがそれほど得意ではない人でも楽しめるだろう。興味を持った人は，ぜひクーニャと一緒に「そら」と母親を探す冒険に旅立ってほしい。
　そんな本作の製品版は，パッケージ版/ダウンロード版とも1000円（税込）にて発売中だ。

■「ゆりかごのそら」公式サイト

https://n-linear.org/yrsr/