インディーズゲームの小部屋：Room＃373「Shelter 2」

　暖かくなってきたかと思えば，急にまた寒くなったりと大自然の驚異に振り回されっぱなしな筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第373回は，Might and Delightの「Shelter 2」を紹介する。本作は，オオヤマネコとなって大自然の中で厳しい生存競争を繰り広げるという，愛と勇気とひげと尻尾のサバイバルゲームだ。このネタ，2回めかもしれないけど，たぶん気のせいです。


　タイトルに“2”とあることからお分かりのとおり，本作はアナグマ親子の生活を描いた異色のサバイバルゲーム「Shelter」の続編にあたる作品だ。今回プレイヤーが操作することになるのは，オオヤマネコの母親。ゲームは，この母ネコが暗い森の中で狼の群れに追われているところから始まる。このシーンは操作方法のチュートリアルになっており，母ネコはW/A/S/Dで移動，Shiftキーを押しながらの移動でダッシュ，Spaceバーでジャンプできる。


　何とか無事に狼を振り切った母ネコは，安全な巣穴を見つけて可愛らしい4匹の子ネコを出産する。このとき，母親と子供には好きな名前を付けられるが，うっかり自分のペットの名前を付けてしまうと，あとあと悲しいことになるかもしれないので注意してほしい。さあ，ここからがサバイバルの始まりだ！


　とは言うものの，このゲームは全体的に説明不足で，一体何をしたら正解なのかがよく分からない。しかし，とりあえず何かを食べないと子供達が餓死してしまうことは確実。巣穴でお腹を空かせてミャーミャー鳴いている子供達のために，そこらにいるウサギやネズミを捕まえてこよう。獲物の位置は，マウスの右クリックで知覚できる。
　狩りは獲物に飛びかかれば自動的に行われるが，向こうもじっと狩られるのを待ってくれているわけもなく，猛スピードで逃げ回るので結構大変だ。


　ネズミは1匹で子ネコ1匹分，ウサギなら子ネコ2匹分の食糧になるので，できればウサギを狙っていきたいところだが，ウサギは俊足で捕まえるのがちょっと難しい。相手に気づかれないようにそっと近づき，十分に接近してからダッシュで飛びかかるのがいいかもしれない。ほかにも，沼地にいるカエルや，鳥の卵なども食糧になる。
　何度かエサを運んであげると，子供達は巣穴から出て，母親のあとに付いてくるように。うーん，可愛すぎる！


　その後も，せっせと小動物を捕まえては子供達に食べさせてを繰り返しているうち，気づけば最初は4匹いた子ネコが3匹に……。あれっ，もしかして筆者が知らないうちに死んじゃったの？　はぐれて迷子になっているうちに行き倒れてしまったか，どこかで外敵に襲われたのかもしれない。軽くショックを受けたが，これも大自然の掟。別に筆者が不甲斐ないわけじゃないのだ。たぶん。


　ゲームの舞台となるマップはいくつかのエリアに分かれており，それなりに広大で，季節や天候の変化なども取り入れられている。何度めかの季節がめぐって子ネコ達が大きくなり，一緒に狩りができるようになると感慨もひとしお。うう，お前達，ずいぶん立派になりやがって。気づいたら3匹が2匹になっていたけど……。本当にごめんよ。


　さて，そんなこんなで子供を立派に育て上げると，やがて彼ら（彼女ら？）も巣立ちのときを迎える。子供達が自分のもとを離れていき，母ネコはまた別のオスと出会って……というところで，ゲームは一通りのエンディングを迎える。ここまで，約2時間もあれば終わるだろう。
　その後は，生き残った子供のうち誰かを選んで，新たにゲームを始めることができ，その血統図が作成されていく。前回の反省を生かして，今度はもっとうまく子育てするぞ。


　木彫り細工のような，ざくざくとした荒い感じのモデリングを，水彩画のような色彩で彩ったグラフィックスが特徴で，オオヤマネコの子供達の可愛らしい仕草に思わず顔がにやけてしまう本作。気を抜くと，子供達が大変な目にあってしまうこともあるが，それも含めてオオヤマネコとしての日々の暮らし，略して猫日々を体験できる一本なので，興味を持った人はぜひどうぞ。そんな本作はSteamにて1480円で発売中だ。

■「Shelter 2」公式サイト

http://mightanddelight.com/index.php?page=shelter2