インディーズゲームの小部屋：Room＃225「Offspring Fling」

　東京の桜も満開だというのに，花見もせずにお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第225回は「Offspring Fling」を紹介する。本作は，大きなヒヨコかピカチュウのような不思議な生き物を操作して，森の中で迷子になってしまった子供達を出口まで運ぶというパズルアクションゲームだ。皆さん，もうお花見はしましたか？

　さて本作の目的は，上述のとおりステージ中にいる子供達を，全員無事に連れ戻すこと。ステージのあちこちで助けを求めてピヨピヨ鳴いてる子供達は，これぞまさにヒヨコといった感じだが，主人公（どうやら母親らしい）は“そのヒヨコ”をそのまま大きくしたような姿をしており，一体何という生き物なのかは定かでない。一瞬，Gu-Guガンモのガンモかなと思ったが，調べてみたらあっちは一応トサカのある成鳥（？）だったので，どうやらそれとも違うようだ。


　主人公一家の素性がどうであれ，やるべきことは変わらない。森の中には危険な生き物もおり，自分では歩けない子供達の代わりに，母親が家まで運んであげなければならないのだ。主人公の基本操作は，方向キーの左右で移動，Xキーでジャンプするというもの。また，ユニークなのは子供達の運び方で，下キーを押すと足元にいる子供を自分の頭に乗せられる。しかも，まるでブレーメンの音楽隊のように，子供の上にさらに子供を積み上げることもできるのだ。


　頭に子供を乗せると，その重みでジャンプ力が低下してしまうものの，すべての子供を頭に乗せて歩くことが可能で，その姿は実にユーモラスでほほえましい。さらに極めつけは，頭に乗せた子供をCキーで勢いよく放り投げられること。子供達を乗せたまま出口まで運んでももちろんオーケーだが，彼らは思いのほか丈夫なようで，遠くにある出口に向かって投げつけても問題なし。さらにスイッチにぶつけて起動したり，敵にぶつけて気絶させたりと，子供達はいろいろな場面で大活躍する。


　また，ステージ中にはピンボールのスリングショット（三角形のキッカーのこと）のようなギミックが置かれている場合があり，子供をぶつけると勢いよく跳ね返って別の方向に飛んでいくというのも面白い。中には，連続して子供を跳ね返してクリアしなければならないステージもあり，なすすべもなく飛ばされていく子供達の姿を見ていると，思わず顔がほころんでしまう。


　本作はパズルアクションということもあり，多少は頭を使わされるステージもあるものの，パズルゲームとしての難度はそれほど高くない。後半のステージではむしろアクション要素が高くなっており，上から落ちてくる子供をジャンプしてキャッチし，そのまま空中で対岸に放り投げるなど，かなりトリッキーな動きを要求される場面もある。ゲームは全100ステージ＋αと遊び応えがあり，何より全体的にほのぼのとした雰囲気が魅力の一本なので，興味を持った人はぜひどうぞ。

　なお，本作の公式サイトではすぐに遊べるWeb体験版が公開されているほか，製品版は公式サイトやインディーズゲーム＆MOD専門のデジタル配信システムDesuraにて，7.99ドルで発売中だ。

■「Offspring Fling」公式サイト

http://retroaffect.com/offspringfling/