インディーズゲームの小部屋：Room＃201「Asteraiser」

　連載200回を突破しながら，なんら記念めいたイベントもなく平常運転でお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第201回は，OBLIQUEGLASSの「Asteraiser」を紹介する。本作はブレードによる近接攻撃に特化した，一風変わったゲームシステムが特徴の縦スクロールアクションシューティング。主人公の武器は剣のみで，タメ斬りやダッシュ斬りなどを駆使して敵を一刀両断にしていくのだ。

　本作の舞台となるのは，すべてが終わってしまった世界。プレイヤーは時を司る神によって作られた一振りの剣に宿った意思となり，星の命から切り取られ，永遠に虚空を漂い続ける無数のガラクタ達を星の命へと還していくことになる。


　自機の基本操作は，方向キーでの移動に加え，ブレード，ダッシュ，リロードの3ボタンで行う。ブレードとダッシュはその名のとおり，剣を振ったり，高速で移動したりするというもの。ダッシュに使用制限はなく，ダッシュ中は敵の攻撃を受けないという優れものなので，移動や緊急回避に積極的に使っていきたい。リロードは後述するブレードの耐久度を回復させる操作だ。そして本作では，このリロードを含めたブレードの使いこなしが肝となっている。

　ブレードは方向キーを入れながら振ることで斬る向きが変わり，敵や障害物だけでなく，敵弾を斬ることもできる。また，ボタンを押し続けることでタメ斬りを繰り出せるほか，溜め中にダッシュボタンを押すことでダッシュ斬りも可能。このように，ブレードはかなり強力な武器ではあるのだが，空振りすると隙ができてしまううえ，敵を斬るたびに耐久度が落ちていくという弱点もある。耐久度がゼロになるとブレードが折れてしばらく使えなくなってしまうので，そうなる前にリロードで耐久度を回復させることが重要だ。


　さらに，時間の経過やアイテムを取得することで溜まるゲージを消費することで，オーヴァドライヴと呼ばれる必殺技を繰り出せるのも特徴の一つ。オーヴァドライヴには，ゲージを一つ消費して繰り出す「スピア」と，ゲージを二つ消費して繰り出す「ルーラー」の2種類があり，それぞれ，ダッシュ＋ブレードの同時押し，ダッシュ＋リロードの同時押しで発動できる。スピアは強力な光の槍を飛ばす攻撃で，ルーラーは一定時間周囲の敵の動きを止め，高速で連続攻撃を叩き込めるというものだ。オーヴァドライヴはそれぞれ個別のボタンに割り当てることもできるので，とっさにボタンを同時押しするのが苦手という人はそちらを使おう。


　本作の敵や障害物にはかなり硬いものが多く，普通に飛び道具まで使ってくるのに対し，こちらの攻撃手段のほとんどが近接攻撃となるため，いかに相手の懐に飛び込んで攻撃するかが攻略のポイント。硬い敵にはタメ斬りが有効だが，溜め動作中は移動力が大幅に落ちてしまうのでダッシュを有効に使いたいところだ。独特なゲームシステムと相まって難度の高いゲームだが，操作に慣れてくるとザックザックと敵を斬り伏せていく本作ならではの爽快感が楽しめる……と思う。うん，まあ，アレだ。筆者にはちょっと難しすぎでした……。

　公式サイトでは，そんな本作の序盤を遊べる体験版が公開されているほか，製品版が1500円（税込）で発売中。ちょっと変わったアクションシューティングをお探しの人は，まずは体験版をプレイしてから，製品版の購入を検討してみよう。

■「Asteraiser」公式サイト

http://d.hatena.ne.jp/sorcery/