インディーズゲームの小部屋：Room＃94「Spelunky」

　「インディーズゲームの小部屋」の第94回は，無料で遊べる洞窟探検アクション「Spelunky」を紹介しよう。タイトルの響きとテーマから，ゲーム史上にその名を刻む最弱主人公が登場するあのゲームを連想してしまうが，こちらの主人公はそれほどヤワではない。本作の主人公は鞭をメイン武器としており，イメージ的にはむしろ，何かにつけてナチスドイツと秘宝をめぐるトラブルを巻き起こしている，あの考古学者のほうが近い。

　筆者は長らく，本作の完成を心待ちにしていたが，現時点（2009年7月1日）でのバージョンは0.99.9Bと，完成しているのか未完成なのか微妙によく分からないところ。だが，ここしばらくのアップデート状況を見ていると，細かなバグフィックスやバランス調整が主になっているので，すでに限りなく完成していると判断して間違いないだろう。それにしても，もう7月か……。


　ゲームの目的は言わずもがな，洞窟の最奥に眠る財宝を手に入れることだ。プレイヤーは名もなき探検家となり，ステージをクリアしながら洞窟のさらに奥を目指していく。各ステージには1か所だけ出口があり，ここに辿り着けばステージクリアだ。キャラクターの操作は，方向キーでの移動のほか，Zキーでジャンプ，Xキーで攻撃，Cキーで手持ちアイテムの変更を行うというもの。ゲーム開始時，キャラクターはメイン武器の鞭のほか，爆弾とロープを四つずつ持っており，Cキーでこの3種類のアイテムを切り替えられる。

　それぞれの使い方は何となく想像がつくとおり。行く手を邪魔するコウモリや蜘蛛や地底人（？）などを鞭でピシッとしばきつつ，行き止まりに突き当たったら爆弾で道を切り開き，ジャンプで届かないような場所に移動したいときにはロープを使う。また，敵の攻撃を受けたり，高所から落ちたりして，キャラクターの体力をすべて失うとゲームオーバーだ。キャラクターの体力やアイテムの残り数などは，すべて画面上方に表示されている。本作にはチュートリアルが用意されているので，初めてプレイするときはそちらで操作を確認しておこう。


　ステージ中には，あちこちに金塊や宝石などのお宝が落ちており，ときにはなぜか囚われの美女が助けを求めていることがある。これらのお宝は取っても取らなくてもいいし，美女だって助けても助けなくてもいい。なにせ，とにかく出口に辿り着きさえすればクリアなのだ。
　しかし，洞窟内にはときおり，普段は誰を相手に商売しているのかよく分からない店があり，集めた財宝（＝お金）で買い物ができるので，できるかぎりお宝を集めておくに越したことはない。また，美女を助けて出口まで連れて行くと，ステージクリア時にご褒美のキスをもらって体力が1ポイント回復する。


　そして本作の最も大きな特徴は，ゲームを開始するたびにステージがランダムに生成されるということ。このため，ゲームそのものは完全なアクションゲームでありながら，まるでローグ系RPGを遊んでいるかのような感覚で，毎回新鮮な気分でプレイできる。しかも，ただマップが変化するだけではなく，ローグ系RPGで誰もが一度は試してみる（そして大抵泣きを見る）「店主を殺してアイテム全部強奪」プレイさえ可能だ。ただし，本作の店長も結構手ごわく，怒らせるとかなり執念深いので心してかかってほしい。

　そんな本作は，現在下記のフォーラムでフリー公開されている。ゲームの難度はやや高めで，マップ自動生成によるリプレイ性も高いので，アクションゲームファンはぜひ一度お試しあれ。

■「Spelunky」ダウンロード

http://forums.tigsource.com/index.php?topic=4017.0