連載
インディーズゲームの小部屋:Room#15「QUALIA」

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そのセル・オートマトンとは何か? 自慢ではないが,高校時代に微分・積分の試験で赤点(平均点の半分以下)の,さらにその半分以下(筆者の周囲では“青点”と呼んでいた)の点数を取ったことがある筆者では正確に説明することはできないが,ここではプレイヤーの入力に応じてセルが反応し,相互作用を起こすことで,自然界の複雑な現象を簡略に表現しているものだと考えておけばいいだろう。単純な線分が単純な規則で動いているだけで,水の質感を限りなくリアルに感じられるという不思議な感覚が,本作の最大の魅力だ。
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ゲームのルールは,クリオネのような自機を操作し,周囲のセルを吸い寄せる「圧縮トラップ」と,爆発でセルを吹き飛ばす「拡散ボム」の二つを使ってメッシュの海に波を起こし,それをぶつけることで敵を倒すという単純明快なもの。このとき,できるだけ大きな波を起こすことで,ぶつけた相手により大きなダメージを与えられる。あくまで波をぶつけなければいけないというのがポイントで,拡散ボムを直接敵に当ててもダメージは望めない。
圧縮トラップと拡散ボムをうまく使いこなせば,方向をコントロールしつつ大きな波を作り出せるのだが,少々コツが必要で,これがなかなか難しい。大きな波を発生させる基本的な考え方としては,圧縮トラップによって吸い込んだセルを,拡散ボムで一気に吹き飛ばせばよい。圧縮トラップと拡散ボムをずらして設置した場合,波が進む方向は,(拡散ボムを起点に)圧縮トラップ側であるということを覚えておくといいだろう。また,拡散ボムを連続して一列に設置することでも,大きな波を特定の方向に発生させられる。
それと,もう一つ覚えておくと便利なのが,小さな敵であれば,圧縮トラップで吸い寄せられるという点。動きの遅い敵であれば,そのまま吸い込んで倒してしまうこともできるが,個々の圧縮トラップの吸引力は大したことがないので,大抵は倒しきる前に逃げられてしまう。むしろ,固めて設置した圧縮トラップで敵を一か所に集めておき,そこを拡散ボムで吹き飛ばしてしまうという使い方をしたほうが効果的だ。この方法は,大量の敵に囲まれてしまったときなどに有効だ。
逆に注意すべきなのは,自機や敵,設置したトラップなどの動きは,常に波の動きに左右されるという点だ。自機が動き回るだけで小さな波が発生し,せっかく狙いを定めて設置したはずのトラップやボムがユラユラと流されてしまうのが悩ましい。また,大きな波を発生させれば当然,それに巻き込まれた自機や倒しきれなかった敵は同じ方向に押し流されてしまうので,大波で敵を倒したと思った次の瞬間に,流されてきた敵に触れてミスになってしまう,なんてことも起こり得る。自機の移動速度も,波の方向や密度によって変化し,さらに若干の慣性も働くので,波の動きの見極めが肝心だ。
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本作は全8ステージ構成で,雑魚敵を倒し続けていると出現するボスを倒せばステージクリアとなる。ボスは巨大なだけでなく,大量の弾を撃ってきたり,回転しながら突っ込んできたりするので,うまく逃げ回るか波で押し戻すかして,距離を置いて戦いたい。ピンク色の核に波をぶつけることでダメージを与えられるので,ここまでに覚えた知識を駆使してビッグウェーブを叩き込んでしまおう。
神奈川電子技術研究所の公式サイトでは,本作のプレイムービーが公開されているが,現時点では体験版が用意されていないのが残念なところだ。とはいえ,セル・オートマトンを用いた本作ならではの波の表現は,ムービーからもよく分かるだろう。本作の製品版は1575円(税込)で発売されているので,プレイムービーで揺らめく波の表現を見て,自分の手で動かしてみたいと思った人はぜひどうぞ。
そして最後に,神奈川電子技術研究所では現在,分子のシミュレーションを応用し,化学反応を簡単に体験できるゲームを制作中であるとのこと。どんなゲームになるのかまったく想像がつかないが,本作を見る限り,次回作も面白いゲームに仕上げてくることが期待できそうだ。
■神奈川電子技術研究所公式サイト
http://www.shindenken.org/![]() |
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