連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第316回「別れはつらいもの」
別れは人を強くする,という。私は,半分正解で半分間違っていると思う。別れを迎えたからといって,人は無条件に強くなんてなれない。強くなるときがあるとするなら,それはきっと答えを出した時なんじゃないだろうか。別れてしまったその深い悲しみとどのように向き合うか,という。
その向き合い方で人は強くも弱くもなれるのだ。しかも,向き合い方に正解などない。別れという目の前にある現実は動かない。そこに目を背けて逃げるのか,あるいは立ち向かうのか。それは本人にしか答えは出せない。そして,どのような答えを出したにせよ,その悲しい別れを受け入れた時,人は強くなっているのだろう。
別れが人を強くするんじゃなくて,別れたあとに何を思い,どのように行動するのか。それこそが人を成長させるのだ。
先週の金曜日,つらい別れがあった。私はそれを受け入れることにした。考える。思い出す。別れる前のことを。私はどうすれば良かったのか。どう接すれば,君と別れずに済んだんだろう。いつかは別れる。そんなことは分かっている。でも,理屈じゃない。まだまだ,もっと,君と楽しい時間を過ごしたいのだ。私は別れたくない。できることはすべてやりたいんだ。君が私に与えてくれた光。まだ,その光を浴びていたい。
冷静に考えれば,君の代わりなどたくさんいる。分かってはいるよ。私は運命論者ではない。だから,運命だとは言わない。出会ったことも,今迎えつつある別れのことも。運命ではないんだけど,現にこうやって君と出会ってしまった。そして,私は君とまだ一緒にいたい。この確かな気持ちの前に,運命だとかそういう不確かなものが入る余地はない。
これを未練と呼ぶのだろう。女々しいのかもしれない。でも,ここであがかないと,きっと後悔する。私にできることは,すべてする。いや,した。でも,私の想いは君には届かない。何をやっても。何を語りかけても。君は私の呼びかけを無視する。これも現実。そうやって,あの楽しかった記憶がすべて過去のものになってしまったことを思い知る。
ここで私に選択肢が生まれる。君が無視をしているのは分かった。私と距離を置きたいのも分かった。じゃあ,その現実を突き付けられた私は,何を思い,どう行動するべきなのか。
私は,受け入れることにした。そりゃね,つらいよ。自分にとってつらい現実を受け入れるのは,そう簡単なことじゃない。でも,そうしなきゃいけないんだ。私は,自分が立ち直れることを知っている。つらい自分を,君でない誰かに慰めてもらおうとも思わない。
いずれ私は,また君ではない別の誰かと新しく楽しい記憶を作るだろう。でもね。君との思い出は,君とじゃなきゃダメだったんだ。それが私の人生なのだから。君に何があって私に別れを突き付けてきたのかは知らない。ひょっとしたら,私が原因ではないのかもしれない。だからこそ。無視はしないでほしい。いや,ほしかった,と言うべきか。
無視が優しさのつもりなら大間違いだ。私は,納得したいのだ。君との記憶を。私の人生を一本の線とするならば。私の人生にちょっとでも交わったほかの線を大切にしたい。君がいない世界を受け入れる,そのために君から,何があったかを私に教えてほしかった。ただそれだけなんだ。
知りたい。急になぜ別れを告げられなければならなかったのか。なぜ,君は私の呼びかけに応じてくれないのか。それでも,君には届かない。こんなに近くにいるのに。私の気持ちはもう届かない。光ることすらない。何がからまっていたのか。
金曜日の夜。いつものように君を見る。何かがおかしい。話しかける。返事がない。君から,光が失われている。触れる。強めに触れてみる。それでも返事がない。まさか。息を吹きかける。当然のように,何も起こらない。ここで,私はことの重大さに気付く。
動かない。電源を見る。ちゃんとつながっている。念のため,別の電源で試す。やはり,光が点灯していない。ケーブルを変えても同じ。そして私は絶望する。昨日の夜まではあんなに元気に動いていたのに。寿命……なのだろうか。しかし,今までとはショックの量が違う。なぜなら,互換性がないから。
PlayStation 4のソフトはPlayStation 4でしか遊べないが,PlayStation 3のソフトもまた,PlayStation 3でしか遊べない。つまり,PlayStation 4が生きていたところで,息の根が止まってしまったPlayStation 3のソフトは遊べないのだ。ダウンロードしたタイトルがけっこうあったのに……。
修理に出せばいいじゃんって思うでしょ? でも,私にはそんなことができない事情があるの。……あ,もうサラッと言っちゃうけど,もちろんPlayStation 3本体の話なんですけどね。ウンともスンとも言わなくなっちゃって。金曜の夜,突然。このショックたるや。このタイミングで新しく買うか否か。
だから,修理には出せないんだって! これがまだPlayStation 4で遊べるタイトルが少ない段階だったら,何の迷いもなく買い直すんだけどねー。もうPlayStation 4のタイトルもボチボチ充実してきているし。さすがに今買うとなると二の足踏むわ。だから修理出せないんだってば!
なぜなら大人向けのDVDが入ってるんだもん! いや違うんですよ! 確かに私,大人向けのDVDはたしなむんですけどね。今回のは違うんです! いただき物で,一応感想を述べなきゃいけなかったから! 木曜に見たんです! そのためにPlayStation 3を使っただけなんです! たまたま! いや,この場合「たまたま」もいかがわしく聞こえちゃうかもしれないけど! そしてまた,これが普通の大人向けDVDだったらまだいいんだけど,今回のはたまたま特殊なやつで! おじいちゃんを外国人が相手するというアレだったから! 修理センターの人の気持ちになってみなさいよ! PlayStation 3の本体を修理していたら,裸の外国人男性が裸のおじいちゃんを介護してるDVDが出てくるのよ! ちょっと生々しいじゃない。
で,修理した後,場合によっては本体とDVDが別々で家に届いちゃったりするのよ。私はどんな気持ちで荷物の配達受領書にサインしなきゃいけないのか。切ないにも程がある。
というわけで,今週は私のPlayStation 3が天寿をまっとうされたわけで,さあどうしましょってお話でした。はぁつらい……。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「ワールドサッカーウイニングイレブン 2015」
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認
PlayStation Vita:「剣の街の異邦人 〜黒の宮殿〜」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「ゼルダ無双」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「喧嘩番長6〜ソウル&ブラッド〜」
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜」
|
- この記事のURL:
キーワード