連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第139回「サップ戦に向けたゲイム断ち宣言?」
そこで今回,私はボブ・サップとシングルマッチで戦うの。ここはゲイムサイトの連載で,プロレスに興味はない人がほとんどだろうからあえて弱音を吐いてみるけども,ハッキリ言って恐ろしくて仕方がないわ。
プロレス記者の前だと,いちプロレスラーとして「あ? ボブ・サップ? ブッ殺してやるよオラ! この俺様の手にかかれば,てめえを倒すのに3分で十分だ! ママのおっぱいでも吸って待ってなボーイ!」って凄むところなんだけど,ホラここでは私,いちゲイマーだから。
実際問題,あらゆる意味で恐ろしいわよ,ボブ・サップは。テレビとかでしか見てない人からは,「ボブ・サップって弱いよね」的な見方をされていると思うのよ。でも,実際にあのデカさを見ると,そんな感想はふっとんじゃうはずよ。2mで160kgの筋骨隆々とした黒人が目の前にいると,さすがに恐怖を感じずにはいられないわ。
というわけで,ただいま私,今週末の大一番に集中するためにゲイム断ちをしようかなと思っておるのです。今,簡単にゲイム断ちって言ったはいいものの,ゲイマーにとって,ゲイム断ちをするっていうのがどういう意味を持っているか分かる? それはね,自分の存在意義すら問われる行為ってことなのよ。
どういうことかというと,ゲイムをする人だからゲイマーって呼ばれてるわけでしょ? それがゲイムをしなくなったら,呼び方すら分かんないという,あやふやな存在になっちゃう。
「キャプテン翼」がキャプテンじゃなくなったら,ただの「翼」。「ろくでなしBLUES」がろくでもなくなかったら,ただの「BLUES」になって,どこか音楽の漫画みたいになっちゃう。「キン肉マン」にいたっては,筋肉がなくなったら「マン」になって,ちょっともう少年誌で掲載するのが危ういレベルにまで到達してしまう。そういうことなのよ,ゲイマーにとってのゲイム断ちというのは。
ともかく! 毎日「ワールドサッカー ウイニングイレブン2011」で1勝するまではプレイし続けるっていうノルマを自らに課しているこの私が,ゲイム断ちですよ。せっかくマスターリーグオンラインでは初期メンバーでDivision 2をキープしているのに! 「龍が如く OF THE END」もようやく最終章まで行って,サブストーリーとアンダーグラウンドを全部クリアして,あんな武器を手に入れてしまったというのに! もっと言うと,たぶんあともうちょい進めたらクリアできるのに! 「実況パワフルプロ野球2011」のサクセスで,一日3選手作らなきゃ寝ない生活を送っていたのに! それもこれも,すべてはボブ・サップ戦のため!
あ,でも,今回,私がボブ・サップと試合するにあたって,試合をする側と見る側では意識に違いがあるなぁって感じたの。さっきも書いたけど,やっぱり文字で見たり今までの情報だけでいうと,どうもボブ・サップって「強そうに見えて意外と弱い」的なイメージを世間から持たれているのよ。実物を間近で見たら,絶対にそんなことを言えないぐらいの迫力があるんだけども。
でも,実際に戦うことのないファンや,ファンじゃなくてもメディアなどを通じて情報だけを知っている一般の人はそうは思わない。実際に間近で見るわけでもなく,事情を知ってるわけでもないのに,各々で思う思う勝手な意見を述べるわけね。
おっと勘違いしないで。何も私は,自分の意見を言うことが悪いって言ってるんじゃないの。消費者である以上,自分が商品に対して払ったお金に見合うだけの対価を求めるのは,まったくもって正しいわ。「いい買い物だった」「悪い買い物だった」「金額相応だった」っていう評価は,売る側に立てばされて当然のこと。だからこそ,少しでも消費者を満足させられるような商品を開発していかなきゃいけないわ。基本的にはね。
ただ,私が問題にしたいのは,買ってもいないのにあたかも買って使ったかのような意見を言うこと。例えば「このゲイムはストーリーが悪いし面白くないからやらない」って,買ってもなければプレイしてるわけでもない人が言うのって,ちょっとヘンだと私は思うのよ。
それ,ただの噂でしょ? 噂を自分の意見のように言うのは間違ってるとまでは言わないけども,あまり美しいものではないと思うのよ。少なくとも私は。もちろん,噂レベルの情報で買う,買わないを選択するのは,基本的に間違いじゃないと思う。でも,噂を聞いて買わなかったんだったら,それ以上,内容に踏み込んで評価しようとしなくてもいいじゃない,ってのが大事なとこ。
こういうのって,つまるところ“合う”か“合わない”かなの。作り手としては,何もク○ゲーを作ろうとしているわけではない。ただ,開発期間やコストやその他諸々の事情で,諦めなければならないこともある。でも,出来上がった商品に対しては,責任を負わなきゃいけないし,そこでの言い訳は通用しない。
ただ,これもエンターテイメント商売の難しいところで,100%の顧客満足度なんて,どんなに必死にそれを目指したところで達成できっこないわけ。なので,商品に対する不満は大なり小なり必ずどこかで発生するのよ。
これが例えば,洗剤であったならば,そういう目的を持って買うでしょ? 満足不満足はあるにしろ,そこまで大きくはない。でも,エンターテイメントには合うか,合わないかが存在する。だから,自分に合わなきゃ文句も出る。ま,そこら辺の顧客との戦いも,エンターテイメント産業に従事する者としては,やり甲斐の一つではあるんだけどね。逆に,誰も何一つ文句を言わないエンターテイメントなんて,終わってるとしか思えないわけで。
別に作り手の事情を理解してくれって言ってるんじゃないわ。正々堂々と戦いましょうって言ってるの。商品に対して,買って,体感してみて,そのうえで評価を下してくれって,そういうことが言いたいの。提供する側と消費する側の関係って,そういうもんだと思うの。
「お客様は神様だ」というのは売る側の心構えの問題であって,消費する側が力関係を優位にするために使う言葉ではないし,ましてや消費すらしない人が振りかざす言葉ではない,と私は考えているのね。
まあ長々と書いてきてしまったけど,ケツ論としては,ゲイム断ちしてまで臨むボブ・サップ戦は,今まで誰も見たことがないような試合にしますよっていうケツ意の表明でいかがでしょうか。
あーでも,ゲイム断ちに入る前に,とりあえずウイイレ2010をやって,龍が如くOTEもクリアして,サクセスも1チーム作るくらいは選手育てないとな。ゲイム断ちが解けてるであろう来週は,たぶんもの凄く開放的な気分になってるよ! では,そんなこんなで今週はピリついた感じで!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「L.A.ノワール」
ニンテンドー3DS:「Fish Eyes 3D」
PSP:「実況パワフルプロ野球2011」
Wii:「Wii Fit」
Xbox 360:サップに勝ったら
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