連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第93回:「プロレスラーとしての進退を真面目に考える」
今回はね,趣向を変えてちょいと私の進退について語らせてもらうわ。
ゲイムの話は後々出てくるから,それまではしばし我慢してちょうだい。……あ,それが耐えられないなら,あんたが使ってるブラウザの左上に左向きの矢印があるから,そこをクリックすれば前のページに戻れるわよ。クリックって分かる? あんたが手に持っているマウスの左側のボタンをカチっと押すことをクリックっていうの。今後きっと役に立つから,覚えておいたほうがいいわね。
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今週はここまでにしとくけど,来週はダブルクリックについて踏み込んで教えるわ。徐々に慣れていこうね。
著者近影
で,私の進退についてなんだけど,最近プロレスを辞めるプロレスラーが増えてきてるのね。そこで,私も自分の進む道について色々と考えてしまったの。まず,人間は何のために生まれてくるのかについて。もちろん,ケツ論は出なかったわ。
そしてディーノさん,次は日本について考えた。意外と真面目に。すると,日本は民主主義……そして多数決の国だってことに気付いたの。要は,多くの人が共有している価値観こそが正しいとされるってことね。視聴率が高い番組が勝利。より多く売れた物,もしくはそれを生み出した者が勝利。アクセス数が多いサイトが勝利。
そう,今の日本は,人を多く集めた者が勝者となる世界なのよ。そして,多くの人を集めた者のところにお金は集まってくる。そうやって世の中は動いている。
おっと勘違いしないでよ。私はそんな日本が間違っている,なんていう気は全くないわ。むしろ逆。この日本に住む以上,こうした原則がある日突然ひっくり返ることはまあないでしょうよ。となると,この日本でお金を手に入れるには,人を集めればいい。そういうケツ論にたどり着いたのね。
ご存じかどうか定かではないけれども,なんと私はプロレスをやってるわ。でも,上記のような日本の現状を再確認したとき,ふと思ったのよ。プロレスファンにだけ向けてパフォーマンスをしていていいものか? と。
ただでさえプロレス業界は厳しいといわれていて,会場に来るファンの数が減ってるの。そんな減りゆくファンに向けてヤってたって,数が増えることなんてないんじゃないか? 日本は数の国なのに,減るようなことを続けていてはいけないんじゃないか?
じゃあ,世の中の流行っているものに向けて発信すればいい! ということには気付いたんだけれども,じゃあ私に流行りに対する引き出しがあるかっていったら……無いのよ残念ながら。私にあるのは,ゲイム好きの心。ハイお待たせしました! ここでゲイムの登場です!
先日,私の所属するDDTという団体が両国国技館を埋めたわけだけれども,それでも8800人ですよ。一方のゲイムはどう? 売れるタイトルなんて,100万本を超えるわけ。8800本しか売れなかったら,そらもうやってられないわ。いくつの首が飛んでしまうのか,想像するだに恐ろしい。
だとすれば! 8800人に向けてやるよりも,100万人に向けてやったほうが数の上では有利なわけですよ。だから私は,もっとゲイムファンに向けてアプローチするようなプロレスを目指さなきゃいかん,と。
ゲイム業界も不況で厳しいという話を聞くとはいえ,それでもまあ文化として根付いているわけであって,プロレスだけで勝負するよりは分がある,と。そう判断したわけね。
そのことを踏まえたうえで,ここからが本題。私,男色ディーノにゲイムのエッセンスを加えて改造してしまおうではないか,と。今週はそういう考察でございます。ぶっちゃけお盆進行でゲイム遊んでないしな。
まず! 私は根本的に思い違いをしていたわ。今まで良かれと思ってゲイレスリングを展開してきたんだけど,どうやら間違ってたようね。具体的にいうと,私,リング上で男と男がくんずほぐれつするのは,恋愛コミュニケーションゲームの要素を入れている,と思ってやっていた部分があるんだけど,そう思ってたのはどうやら私だけみたい。あれ「ラブプラス」じゃなくて,ただの趣味だわ。
この間,動画で自分のレスリングを見てちょっと引いた自分がいるの。正直,ヤってる側としての私はもの凄く楽しいんだけど,一歩引いて見るとおっさんがおっさんを襲っているだけで,極めて醜かったわ。おっさんがおっさんにキスする全年齢向けゲイムなんて,少なくともこの世にはないんだもん(編注:全年齢向けでなければ……)。
伝説のリングの下でバックドロップをやった二人は幸せになれるとか,キスするときには私のタッチペンでいじくり倒すとか,どうせやるならそういう恋愛コミュニケーションレスリングを目指さなきゃいけないのかもしれないわね。
あと,もう一つ改善点があるわ。それは私の入場シーン。
説明すると,私は入場曲が鳴ったら客席になだれ込んで好みの男性客にキスを迫るんだけど,これ,私の中で「モンスターハンター」っぽいと思っていたのよ。残念ながら違うわねこれも。私の入場は,ただ狩ってるだけ。それじゃあいけないのよ。もっと見ている人にモンハンを意識させなきゃ。
例えば,狩ったお客さんの履いてた衣類を自分の装備品にするとか,お客さんの持ち物を凶器にするとか。モンハンの面白いポイントって,結局狩った相手から自分にとって有利になるものを得ていくことだと思うの。だから,そういう要素を入れれば,私も全国の中高生から絶大な人気が得られると思うのね。
そして! ここからが重要。
コスチュームよコスチューム。これをどう変化させればゲイマー達の心をつかむことができるのか。私,考えました。考えて考えて考え抜きました。そして,答えが出ました!
これは凄いわよ。今までのプロレスのコスチュームの概念を打ち破る新コスチューム。かつ,ゲイマー魂をくすぐる魅惑のコスチューム。そのコスチュームとは!? 果たして男色ディーノはゲイマー達のアイドルとなれるのか!? ゲイムとプロレスの融合は性……もとい成功するのか!? 続報を待て!
<たぶん続かない>
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