連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第85回:「アンプラグドゲイム」
著者近影
勝った! 勝ったよ日本代表! カメルーン相手に1-0勝利。
サッカー好きの私としては,純粋に嬉しいと同時に以前の記事で日本代表を応援しようって言っといて良かったと,心からホッとしているわ。そしてゲイム好きでもある私は,これでサッカーゲイムが売れてくれれば……とも思っちゃうわね。
ホラ,関連商品が出たはいいけど売れなかったってなると,今後のサッカーゲイムの進歩も止まっちゃうじゃない。それだけは避けてもらわねば。サッカーゲイムをはじめとしたスポーツゲイムは,現実の競技が盛り上がっていないと,なかなか市場としては育ちにくいのよね。
売る側からの視点で見れば,顧客のターゲットとしてサッカー好きが多ければ,開発中のサッカーゲイムに割り当てられる予算も増えていくわけじゃない。なぜなら売り上げの見込みが立つわけだから。で,予算が多ければ多いほど,基本的にはいいゲイムが作れる。結果,我々サッカーゲイムファンは,より素晴らしいサッカーゲイムがプレイできる。と,このような素敵スパイラルが起こるわけ。ま,あくまで単純計算の話よ。
でもまあ,少なくとも日本代表が勝って日本中が盛り上がれば,サッカーゲイムをプレイする側のテンションも上がるってのも間違いないから,2戦め3戦めも日本代表には頑張ってほしいわ。
ただ! ちょっと真面目なことを書くと,今回勝っちゃったことで日本サッカーの問題点が忘れられてしまう心配があるのよね。今大会が始まる前には,日本サッカーの問題点がいろいろと指摘されてたじゃない? その点が,今回勝利したことで忘れ去られる可能性ってけっこうあるのよ。
きっとマスコミも,今後の結果がどうあれ「よく頑張った!」的な論調になるだろうけど,そんな風潮でなおその問題にメスを入れられるかどうか。今後の日本サッカー界の浮沈は,これに左右されると私は考えているの。
今回の勝利で結果的に日本サッカーの成長が止まった,なんてことになったら,元の木阿弥。今後も勝利してほしいとは思うけど,同時に問題点から目をそらさないでほしいものね。いちサッカーファンとしてだけでなく,いちサッカーゲイムファンとしても,心からそう願うわ。
そして,いち連載持ちとしての私も,この連載がゲイムについて語る場だということから目をそらさず,とりあえずこれ以上サッカーについて語るのを控えようと思うわ。今日のところはな!
というわけで,今週のおススメゲイム……なんだけど。今週は,エコでイってみようと思うのよ。つまり,アンプラグドゲイム。アンプラグドゲイムっていうのは,電気を使わないゲイムのこと。簡単に言えば,ボードゲイムやカードゲイムね。ホラ,エコでしょ?
ただ,一つ注意が。最近ってわけでもないけど,カードゲイムって流行ってるじゃない? ドラクエもそうだし,サッカーでもそうだし,三国志でもそうだし。でも,流行ってるカードゲイムって,カードを筺体に置いたり,ゲイム終了後に筺体から新たなカードを入手できるってことで成立してるものなの。それって,本来のカードゲイムの面白さの質とは若干違う気がするのよね。
一時期ゲイムセンターが下火になった際に考え出された文化で,一言でいえばコレクション要素を追及した遊び,と言えるでしょうね。それはそれで面白いのよ。今も昔も,男には根本的にコレクション魂が潜んでいるものだから。
まあ,その話は別の機会にするとして,今回紹介する「Catan」(カタンの開拓者たち)に代表されるボードゲイムやカードゲイムとは,面白さの質が違うのよ。
……ということを踏まえたうえで,カタンの紹介をするんだけども,ルールは説明しない。どうせ文字で読んでも分かんないんだもん。じゃあなんで紹介するんだ! という声があるでしょうよ,せっかちボーイズからは。でもね,私がここでなぜルールも説明しないで,ボードゲイムを紹介するのかというと! 単純に面白いから。
面白さの質を説明できれば,興味がわくかなと思って。分かりやすくいうと,オンラインゲイムって面白いでしょ? それは何故かというと,結局対人戦だからだと思うのよ。友達が家に遊びに来てゲイムすると,基本的には楽しいじゃない。
ただ,その場合だとディスプレイが一つしかないのに友達とプレイを分け合うから,少なからず友達に気を遣うわけね。古くは「アイスクライマー」とかがそうだったように。
それがオンラインだと,あくまで自分視点でモニタを使えて,それでいて遠く離れた場所から人間が話しかけてきたり協力したり対戦したりするわけだから,過剰に気を遣わなくていいのよ。自分のペースで同じ世界を共有できるの。
それがオンラインの魅力なんだけど,実はボードゲイムの面白味も,限りなくオンラインゲイムに近い気がするのね。ボードという世界を共有して協力したり対戦したり。モニターも何も,自分の目がモニターなわけだから直接的な気も使わない。チャットしなくても,その場でしゃべればこと足りる。
実際にやってみれば分かると思うんだけど,本当にオンラインゲイムのプレイ感覚と近いことに驚くはずよ。で,数あるボードゲイムの中で,なぜカタンを紹介したかというと,これまた単純に一番有名だから。
かつて日本語版をカプコンが出していた,っていう点もゲイムファンに通りがいいしね。ゲイム好きならば嫌う要素がないから,是非一度ヤってほしいわね。難点は人数を揃えづらい(2〜4人,でも4人プレイ推奨)ことと,ある程度まとまった時間が必要(1プレイ2〜3時間)だってことくらい。
逆にそれらの条件さえクリアすれば,間違いなく面白いと言い切れるわよ。で,カタンをプレイしたらほかのマイナーなゲイムも気になってくることでしょう。
想像以上に多くのゲイムが世に出てるから,気になったら色々と調査しても面白いかも。なんかマニア向けっぽいという理由だけで敬遠してるなら,人生損してるわよ。本気でおススメするわ。凄く奥が深い世界。
どれくらい深いかというと,実は,私はプロレスラーという比較的世の中に名前が通っていなくもない立場を利用して,月に一回ゲイムイベントをヤってるくらい。都内で平日で深夜という,まったくもってアンダーグラウンドなシチュエーションではあるけども,興味があれば参加しちゃって。
では,頑張れニッポンまた来週!
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