「北斗の拳 ONLINE」，12月にクローズドβテストを実施

　ガンホー・オンライン・エンターテイメント（以下，ガンホー）は本日（10月1日），「北斗の拳 ONLINE」のクローズドβテストを2007年12月に実施予定であることを発表した。
　同作品については2007年6月にサービス時期の延期が発表されたあと，同年7月4日の事業発表会で，カードバトルの作品からリアルタイムアクションバトルの作品へと，変更が進められいることが，さりげなく報告された。そして，先ごろ開催された東京ゲームショウ 2007のフォーラムで，現時点での概要が明かされたという経緯がある。

　TGSフォーラムでの講演内容と一部重複するが，今回の発表によれば，そうした変更のポイントは以下の三つである。

■多人数接続型オンラインゲーム統合開発ミドルウェアとして世界的に認知された「BigWorldエンジン」を採用。昼夜の時間帯や，天候なども考慮したグラフィックスの向上

■戦闘システムをカードバトルからマウスジェスチャーによる「直感マウスバトルシステム」へと変更することで実現した，オンラインゲーム初心者でも手軽に遊べるアクション性

■原作コミックの持つ独特の雰囲気を生かしたキャラクター表現「劇画シェーディング」による，新たなビジュアルの実現

　BigWorldエンジンは，オーストラリアのBigWorld PTYが開発した，3D MMOタイトル用の総合ミドルウェアである。「北斗の拳ONLINE」においては，時刻によって変動する太陽や月，流れる砂塵，風にたなびく草のほか，すべてのグラフィックスのクオリティ向上に寄与しているという。クローズドβテストが開始された段階で，「北斗の拳ONLINE」がおそらくBigWorldエンジンの最初の実用化例になるのだそうだ。

サザンクロスの街やミスミの村など，原作コミックで見覚えのある景色にも出会えるはず

　また「直感マウスバトルシステム」とは，マウス操作でパンチ/キックなどの打撃攻撃や武器攻撃，さらには原作でもおなじみの「北斗百裂拳」といった奥義を繰り出したり，敵の急所である“秘孔”を突いたりできるシステムのこと。これにより，手に汗握る戦闘が誰にでも味わえるようになったとのこと。


　そして劇画シェーディングとは，原作コミックの独特な劇画タッチをゲーム内のキャラクターにも反映させるため，新開発された描画方法だ。力強い輪郭線や影の表現という平面的な演出を，あえて3Dキャラクターに持たせることで，原哲夫氏が描き出すところの迫力を，可能な限り再現するというものである。


　こうした要素を盛り込むことで，従来のオンラインゲームには類例なく，「北斗の拳」ならではというべき「世紀末」の特殊な世界を舞台に，「ケンシロウ」や「ラオウ」といった有名登場キャラクター達のドラマを感じながら，斬新な世紀末ライフが楽しめる作品になったという。ガンホーは本作について，

原作ファンやオンラインゲームファンはもちろん，格闘アクションゲームファンやオンラインゲーム未経験のインターネット潜在ユーザー層にも強く訴求できるもの

と捉え，さらに

世界戦略的にも共感可能なわかりやすいゲーム性

を実現したとも述べている。

　なお今回の発表に伴って公式サイト（※3：00PM更新予定）もリニューアルオープンする。詳細な日程およびクローズドβテスターの募集方法は，後日あらためて告知される。2007年3月に募集したクローズドβテスト応募者に関しては，今回のクローズドβテストに優先的に参加できるよう調整中とのこと。こちらも詳細が決まり次第，アナウンスないし連絡があるはずだ。

　2007年内という直近の公約どおり，ついに動き出す「北斗の拳 Online」。TGSフォーラムで披露されたムービーも同時に公開されたので，ぜひ確認してほしい。