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コーエーテクモホールディングスが2013年3月期第2四半期決算説明会を開催。「DOA5」のヒットなどで増収増益,今後は経常利益率30%が目標に
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印刷2012/11/02 00:00

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コーエーテクモホールディングスが2013年3月期第2四半期決算説明会を開催。「DOA5」のヒットなどで増収増益,今後は経常利益率30%が目標に

画像集#001のサムネイル/コーエーテクモホールディングスが2013年3月期第2四半期決算説明会を開催。「DOA5」のヒットなどで増収増益,今後は経常利益率30%が目標に
 コーエーテクモホールディングスは2012年11月1日,2013年3月期第2四半期決算説明会を開催した。

 この説明会は2012年4月1日から9月30日までの業績に関するもので,専務執行役員CFOの浅野健二郎氏が業績の詳細を解説したほか,代表取締役社長の襟川陽一氏が今後の事業展開方針を明らかにした。本稿ではその概要をお届けしよう。

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コーエーテクモホールディングス 代表取締役社長 襟川陽一氏
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コーエーテクモホールディングス 専務執行役員CFO 浅野健二郎氏

 まずは,浅野氏が2013年3月期第2四半期の連結決算概況を紹介した。
 前年度と比較して,売上高は0.7%増の137億2400万円にとどまったものの,営業利益は26%増の8億9700万円,経常利益は42.1%増の12億2500万円,当期純利益は34.5%増の5億5400万円と,大幅な増益となったとのこと。これは経営統合以来,上半期として最高の利益水準とのことだ。

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 続いて事業別の売上高と営業利益の説明へ。ゲームソフト事業は売上高88億2000万円,営業利益8億6900万円となった。「真・三國無双6 Empires」の発売が下期にずれこんだことで,売上高は前年同期(売上高89億100万円,営業利益5億1400万円)から減少したものの,「DEAD OR ALIVE 5」PlayStation 3 / Xbox 360)や,新たに傘下へ加わったガストの「アーシャのアトリエ〜黄昏の大地の錬金術士〜」などがヒット。それに開発コスト削減の効果も加わり,大幅な増益となった。

 オンライン・モバイル事業は売上高23億6500万円,営業利益2億4700万円と,前年同期(売上高28億3500万円,営業利益5億2400万円)比で減収減益。オンラインゲームでは「大航海時代Online」の「2nd Age」以外に大きなアップデートがなく,9月に投入したソーシャルゲームの売り上げはこれから本格化することなどが要因として挙げられ,浅野氏は下期での巻き返しに期待を示した。

 メディア・ライツ事業は,売上高6億1800万円,営業損失8700万円となったが,前年同期(売上高5億900万円,営業損失1億9100万円)より業績は改善した。
 ネオロマンスシリーズのソーシャルゲーム「100万人の遙かなる時空の中で」の売り上げが順調に推移したほか,「ネオロマンスフェスタ13」「ガスト・ガーラ」という2つのイベントは計3万人の集客になったとのことだ。

 そのほかの主な事業では,SP(スロット・パチンコ)事業が売上高11億2000万円の営業利益3億3500万円,アミューズメント施設運営事業が売上高10億1000万円で営業利益1億2000万円と,どちらも前年同期比で増収増益となっている。

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 次は地域別の売上高とゲーム販売本数のデータが紹介された。
 ここで目立ったのは,海外売上高比率が前年度(13.3%)から7.6ポイントアップして20.9%となったところだが,これには海外で人気の「DEAD OR ALIVE 5」が大きく貢献しているとのこと。ゲームソフト販売本数でも,海外地域は前年度から102万本増の177万本となっている。

 これで第2四半期の業績説明が終わり,続いて2013年3月期の業績予想が示された。
 それによると,売上高は390億円(前年度比9.8%増),営業利益は70億円(前年度比17.9%増),経常利益は83億円(前年度比21.3%増),当期純利益は50億円(前年度比12.8%増)と,増収増益となる見込みだ。

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 浅野氏は業績予想の説明を終えると「全事業で増収増益を目指すとともに,新たなビジネスを取り入れて成長性と収益性を高める」と展望を語った。

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 ここで浅野氏に代わって襟川氏が登壇し,今後の経営方針を明らかにした。
 襟川氏はまず「更なる成長性と収益性の実現」を図ると宣言。それぞれの実現に向けた施策を紹介した。

 まず成長性の実現に向けては「ナンバリングタイトルの伸長と新規タイトルへのチャレンジ」「コラボレーションビジネスの拡充」「新ハードへの取り組み」という3つの取り組みを行うとのことだ。

 襟川氏は,期待のナンバリングタイトルとしてまず9月に発売された「DEAD OR ALIVE 5」を挙げ,クリスマス商戦でさらにセールスを伸ばすとした。
 続いて同日公式サイトがオープンとなった「真・三國無双7」を紹介。累計95万本の販売となった前作に続くヒット作となることに期待を示した。

 新規タイトルでは,ω-Forceの完全新作「討鬼伝」PS Vita / PSP)と,ネオロマンスシリーズのルビーパーティーが手掛ける「下天の華」の名が挙げられた。どちらも2013年に発売予定となっている。

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 コラボレーションビジネスの例として,人気漫画が原作の「真・北斗無双」PlayStation 3 / Xbox 360 / Wii U)とともに紹介されたのが,comceptの稲船敬二氏とTeam NINJAの協業による「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」だ。
 襟川氏は,稲船氏の作品によく登場する「ゾンビ」と,Team NINJAの「忍者」という,海外で人気の要素を含むことに期待感を示し,「今までないタイトルにする」と自信を見せた。

 今後積極的にタイトルを展開する新ハードとして挙げられたのはWii UとPlayStation Vitaだ。
 とくにWii Uについては襟川氏が,サードパーティ最多となる4タイトルを開発中であることを紹介し,「Ninja Gaiden 3: Razor's Edge」や「無双OROCHI2 Hyper」など,Wiiでは提供が難しかったであろうタイトルが投入できていることをアピールした。

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襟川氏はWii Uについて「任天堂さんが勝負をかけてきていると強く感じる」とコメントした

 成長性の実現に続いて,次は収益性を高める施策の紹介。襟川氏は「各事業における選択と集中」「新規ビジネス展開・シナジーの強化」「更なるコストダウン」を施策として挙げた。

 「選択と集中」では,ソーシャルゲームを例に説明が行われた。積極的にソーシャルゲームをリリースした結果,ヒット作が生まれる一方で,赤字のタイトルも出てきてしまっているとのことで,これからは「100万人の信長の野望」「100万人のWinning Post」といった収益性の高いタイトルにリソースを集中する一方,低採算のものはプロジェクトを見直し,一部はサービスを中止していくという。。

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 続いて新規ビジネスとシナジー(相乗効果)強化だが,こちらではダウンロードコンテンツの強化と,ガストとのシナジーが挙げられた。
 今年度の上半期において,ダウンロードコンテンツの売り上げは3億円にもなったとのことで,今後は原則すべてのタイトルでダウンロードコンテンツが導入されるとのことだ。
 ガストとのシナジーとしては,前述したイベント「ガスト・ガーラ」などが挙げられ,今後もコーエー,テクモ,ガストの3ブランドのシナジーを強化する方針が示された。

襟川氏は,ダウンロードコンテンツの細かいデータが手元にないと断ったうえで「昨年の倍くらいの感じで伸びている」と好調ぶりを語った
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 コストダウンについては,売上原価と販売管理費のコスト削減が順調に進んでいることがデータで示された。2010年3月期において,その期の売上高に対する売上原価と販売管理費はそれぞれ68.8%,29.4%だったが,2012年3月期ではそれぞれ62%,21.8%に減少。2013年3月期の売上高に対する売上原価は61.5%,販売管理費は20.5%を目指すとのことだ。

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 これらの施策とは別に,襟川氏が力を入れて紹介したのがソーシャルゲームの展開だ。
 襟川氏は,コンプガチャ問題の収束やスマートフォンの浸透,海外展開の本格化など,めまぐるしく変わる状況に積極的に対応すると表明。
 フィーチャーフォンでは難しかった,アクション要素の強い「真・三國無双 SLASH」「100万人のNINJA GAIDEN」のようなタイトルをスマートフォン向けとしてリリースするほか,北米で「SAMURAI CATS」(邦題:のぶニャがの野望),台湾で「百萬人的三國志 Special」(邦題:100万人の三國志 Special)を展開する。
 襟川氏は「スマートフォンや海外では何が受けるのか,チャレンジしたい」と意気込みを見せた。

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 さらに襟川氏は,来年が「信長の野望」シリーズの30周年,「信長の野望 Online」の10周年に当たることを紹介し,「何か大きな企画をやりたい」とアピールした。
 まずオンラインのほうで先に動きがあり,パッケージ版関連の情報は年明けにも明らかになるとのことだ。

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 最後に襟川氏は,国内の家庭用ゲーム市場が5年ぶりの回復基調にあるデータを紹介し,オンラインやソーシャルを加えれば右肩上がりで拡大を続けているとアピール。その流れにも乗って,早期に経常利益率30%を目指すと明らかにして,経営方針説明を終えた。

 実はコーエーテクモホールディングスの2011年3月期決算説明会では「経常利益率20%を超す収益性」が目標に掲げられていた。その目標を2期連続で達成する見込みとなって,今回はさらに高い目標が設定されたわけだが,このエピソードが同社の好調ぶりを示しているといっていいだろう。
 説明会中で紹介されたタイトルも期待作が目白押しだったので,さらなる成長が期待されるところだ。

コーエーテクモホールディングス 2013年3月期第2四半期 決算説明会資料

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