ゲームキャラクターが描かれた浮世絵の出版プロジェクト「Ukiyo-e Heroes」がKickstarterで話題に

　浮世絵と日本のゲームをこよなく愛するアーティスト，ジェド･ヘンリー（Jed Henry）さんが，ゲームキャラクターの浮世絵を出版するというプロジェクト「Ukiyo-e Heroes」（浮世絵ヒーロー）が話題になっている。クラウドファンディングサイトの「Kickstarter」では，まだ28日間の受付期間を残しながら，目標額を6倍近く上回る規模の一般投資を得るなど，かなりの反響だ。

　浮世絵ヒーローは，まず日本のゲームキャラクター達が描かれた浮世絵風のジクレープリント（デジタル技術を使用した版画）を作成し，さらにそれを本物の木版画としてリリースしようというプロジェクトだ。木陰でオカリナを吹く若武者，土俵上で暴れ回る黄色いネズミ，さまざまな戦士達による格闘など，日本を代表するゲームの1シーンが鮮やかな色合いで描かれたヘンリーさんのアートは，以前から世界中のゲーマーに注目されている。このプロジェクトを紹介する日本語字幕付きムービーも公開されているので，その質の高さを確認してほしい。


　Kickstarterプロジェクトを立ち上げるに当たって，ヘンリーさんは「マリオカート」にインスパイアされた「Rickshaw Cart」という浮世絵を木版画で制作した。東京に30年も在住し，浮世絵木版の道を究めている彫師デービッド･ブル（David Bull）さんの協力により，かなりの出来映えになっているようだ。Kickstarterで得られた投資額次第では，ほかの作品も木版画にしていくとのことで，すでに「スターフォックス」が元ネタと思われる「Fox Moon」の制作も決定している。

ジェド･ヘンリーさん（右）と彫師のデービッド･ブルさん

　ジクレープリントではなく，実際の木版画を入手するには，少なくとも135ドル以上の投資額を選択する必要がある。しかし，かなりゲーマーの心をくすぐるアート画であり，資金集めに協力したいという人も少なくないのではないだろうか。

Ukiyo-e Heroes（Kickstarter）