CPUの性能を競うカードゲーム「CPU Wars」が発売中。Z80と6809はどちらが強いか，勝負だ

　CPUをテーマにしたカードゲーム「CPU Wars」が局部的に話題になっている。ゲームのリリースは2011年末か2012年初めのことで，ニュースとしてはいささか旧聞に属するのだが，「コンピュータオタク（computer geek）がコンピュータオタクのために作ったゲーム」として現在，コンピュータオタクの間で順調にプレイヤー数を延ばしているらしい。

「CPU Wars」公式サイト

　ものとしてはシンプルなカードゲームであり，それぞれのカードにはCPUの型番と性能，例えば最大スピードやトランジスタ数，アドレス/データバス幅，ダイサイズなどが書かれている。それを使ってほかのプレイヤーと戦うのだが，具体的には，カテゴリーを決めてからカードを引き，その数字を競うことになるようだ。「よし，オレの80286は最大25MHz駆動だぜ」「ちくしょう，8086だから10MHz。負けた」とかいう感じでプレイを進めていくらしく，公式サイトの紹介文には，「すごく面白い」とある。

　今回はVol.1となっており，1976年に発売されたZ80から，2009年のAMD Phenom IIまで，30種類のCPUが収録されている。今のところ，Vol.1しか発売されていないが，今後，新たなセットが発売されていくのだろう。公式サイトを見ると，NECのV30やCyrixの6X86など，懐かしい名前が確認できる。

　このゲームは，ロンドン在住でハイテク産業に務めるHarry Mylonadis氏が，長い会議の休憩中に思いついたアイデアを元に生まれたもので，開発資金はクラウドファンディングで調達されている。Kickstarterの当該ページを見ると，募集後わずか4日で当初の予定額の5000ドルに達し，最終的には746人の支援者から1万7752ドルの資金を集めているから驚きだ。
　最近のCPUは，進歩の方向性や発売時期なんかもカッチリ決まっていてつまらない，昔みたいに，いろいろなCPUが次々に出てきてほしいぜ，という人はぜひプレイしてみよう。