リニューアル版の4Gamerを公開しました

　1年以上に及ぶ長い長い潜伏期間を終え，無事にリニューアル版4Gamerをみなさんにお届けすることができました。
　デザインだけではなくシステム全体に渡って手を入れた今回のリニューアルは，7年間の4Gamerの歴史の中でも，かつてない規模でツラい作業となりました。4Gamerスタッフ達――とりわけ，このプロジェクトの最初から終わりまでを支えた3名のスタッフ――に「お疲れ様でした」とこの場で伝えることを，なにとぞご容赦ください。
　記事執筆ばかりを優先してほとんど協力せず，それでいて「あれがおかしい」「これが足りない」と要望ばかり言い続けた，私を含めた編集スタッフ達に対し，驚くほど辛抱強く，柔軟に応えてくれました。彼ら3名の努力なくしては，この新しいサイトは絶対に陽の目を見なかったと思います。

　さて，長くこのサイトを見ていただいている読者のみなさんにとっては，2004年末に，手作り感満載の「背景真っ黒」の4Gamerが，オンラインゲームの勃興と共に「真っ白」に変わったときほどのインパクトはないかもしれません。しかし，外見のリニューアルは控えめにした反面，サイト内部はデータベース構造やその内容にまで変更を施し，今後数年間は使えるサイトの基礎構造を目指して作ったつもりです。

　Webメディアが登場してまだ日が浅いと評される程度の時間しか経っていませんが，私がここで語るまでもなく，Webテクノロジーは日々進化しています。にも関わらず，巨大かつ著名なごく一部の“メディア”以外，古くからあるようなニュースサイトは，圧倒的にテクノロジーの進化から取り残されてしまっています。むろん4Gamerも，その例外ではありませんでした。
　むろん，ここで言う「テクノロジー」は，純粋な意味でのテクノロジーだけではありませんし，テクノロジーがすべてであると言うつもりも毛頭ありません。ゲームメディアの仕事は「ゲームの面白さ」を伝えることであって，その能力が，テクノロジーそのものによって左右されることは――あるにはありますが――まだそう大きなものではないでしょう。

　しかし，「便利」であるということは，昨今のWebメディアにとっては非常に重要なファクターになっていると我々は信じています。情報が多いこと，情報が蓄積されていること，情報を探しやすいこと。これらがすべて4年前の設計当時のままだった4Gamerを改善しようとし，それらを念頭に置いて設計したのが，今回の新しい4Gamerです。
　最新のテクノロジーを使っていたり，まだ誰も見たことがないような概念を導入しているわけではありません。とはいえ，「ゲーム」というジャンルにおいて，プレイヤーのみなさんが情報を探すうえで，きっと今まで以上に役に立つと信じています。この原稿を書いている現時点で既に何通もいただいていますが，読者のみなさまの，叱咤激励の言葉をお待ちしています。

　……などと感慨にふけりつつ偉そうなことを書いていますが，現実的に，4万件近くある記事をすべてインポートすることは間に合いませんでした。また，今回のリニューアルの最大の特徴である「タグ検索」も，まだ100％の完成度とは言えませんし，正直なところ，ミスもあるかと思います。
　この規模の情報を保持するサイトですので，不本意ながら，おそらくは抜け落ちてるところもあるかと思いますし，しばらくの間，問題や不具合が発生することも十分に考えられます。特殊な構造だった以前のサイトから無理矢理リニューアルしているゆがみが，至る所に散見できることも否定できません。アクセスランキングや携帯版，我々が考えるところのコミュニティ系サービス（その一部は「みんどこ」で挑戦中です）など，まだまだ実装が追い付かないものも，たくさんあります。

　もちろん，読者のみなさんが我々の苦労を慮る必要などこれっぽっちもありませんが，もしお気づきの点がありましたら，なにとぞご指摘いただけますよう，お願いいたします。みなさまのご指摘の一通一通に返信は出せないかもしれませんが，必ず目を通し，今後の参考にさせていただきたいと思っています。

　読者のみなさまのおかげで，4Gamer.netは8月18日を持って8年目の運営に突入しました。今後も，読者のみなさんへの貢献，業界全体への貢献を課題として，よりよいものにしていく所存です。なにとぞよろしくお願いいたします。