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EverQuest:今日からエのつく冒険者!〜とことん楽しむエバークエスト

最終回

神々との戦いの果てに

 さて,EQJEをターゲットとしたこの連載も今回で最終回。今回はプレインズ・オブ・パワー(PoP)のプレインとRaidを中心に紹介していこう。

 

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神々の神殿に乗り込むにはそれなりの軍勢が必要だ

 すでに何度か紹介したこともあるが,プレインとは神々の世界である。PoP以前にもプレインはあった。憎悪の公子Innoruukが支配するプレイン・オブ・ヘイト,無貌なる者Cazic Thuleの支配するプレイン・オブ・フィアーそして,竜の女王Veeshanの支配するプレイン・オブ・スカイが旧世界に加えられ,その後の拡張とともに盗賊王Bristlebaneの支配するプレイン・オブ・ミスチフ,すべてのものの母たるTunareの支配するプレイン・オブ・グロウスが公開されていたものの,神々の世界は依然遠い存在であった。それがPoPの登場により,一気に身近になってくる。新旧のプレインで共通にいえるのは,Raidの必要なMobがいるということである。RaidはEQ1では欠かせない要素なのだ。

 

 さて,PoPなり,Raidなり,どちらについてもいえることだが,この連載を見てEQを始めたような方には,ちょっとまだ早い。こういった話をするには「まずレベルを上げろ」ということになってしまうので,先の楽しみということで参考までに見ておくか,レベルアップに励むかしてほしい。

 

プレインズ・オブ・パワー!

 

 

 PoPのストーリーは,Zebuxorukという亜神の一言に端を発するとされる。曰く,「神々は不死身ではない」。神々はときとしてノーラスの者を「定命の者」と呼ぶが,これは神々自体の不死性に疑いを挟む言葉である。なお,Zebuxoruk自体は不死の者ではないとされている。そもそもZebuxorukは,芸術の神Drazzil Roの弟子で,神々の知識を授けられた者だ。空間を旅し,ノーラスで信奉者を得ていた。神々の知識を人間にもたらすプロメテウス的存在だと思えばいいだろう。

 神々の不死性に関する疑問が事実であるか否かは,結局明らかにされていないが,この結果,Zebuxorukは神々に捕らえられ,プレイン・オブ・ジャスティスに幽閉されることになる。Zebuxorukの信奉者は,彼の行方を追ってあらゆる空間を探り,ついにプレイン・オブ・ナリッジ,そしてプレイン・オブ・トライキリティの領域を探し当てるに至る。彼らはZebuxorukの解放を企て,一度は成功するものの,再び神々に捕らえられたZebuxorukは時の彼方に幽閉されてしまう。神々の圧倒的な力の前になす術もなくなった信者たちは,一つの決断を行う。ノーラスの者たちにプレイン・オブ・ナリッジから神々の世界へ至る道を教える代わりに,彼らに支援を求めたのだ。

 
 かくしてノーラスからプレインへと冒険の場を移しつつ,かつてない戦いが繰り広げられていくことになる。肝心のZebuxoruk氏の運命はというのは置いといて,後日譚となるが,やがて神々の領域の奥深くまで辿り着いたノーラスの者たちの力は,神々自身の化身や一般の神々よりも始原の存在に近い精霊界,すなわちプレイン・オブ・パワーの精霊の化身,さらには精霊の力を結集した存在をも討ち倒すまでになり,神々に与える打撃は看過できぬものとなってきた……。こうして,PoPのストーリーラインはEQ2へと引き継がれることになる。
 

 PoPでのRaidはこういったストーリーに則ったものである。ある程度の予備知識を持っていないと,並々ならぬ苦労をしてラスボスを倒しても「この人誰?」「こっちの人誰?」って,わけの分からないことになってしまうので少しくらいは勉強しておこう。
 
 さて,「神様を倒しちゃったら,次はどうなるの?」っていうのも,もっともな疑問であるが,EQ1でのその後の拡張では,新大陸が発見されたりして,これまでと毛色の違う敵戦うことになる。なんというか殴りの痛さの構造がこれまでとは違うので,Time装備で固めた猛者連中もばったばったと討ち死にすると聞くが,何度も調整されたりさらに拡張されたりと,現在ではどれくらいのバランスで落ち着いているのかいまいちよく分からない。基本的にはレベル70用に設計された大陸なので,レベル65の団体が行っても返り討ちにあうわけだ。EQでは装備も重要だが,レベルが持つ意味は非常に大きいのだ。ストーリー的には,EQの未来に関する重要ななにかがあるらしいのだが,EQ2に絡んでくるのかどうかはよく分からない。

 

プレインの構造

 

 神々の分身と戦うことになるというものの,そんなに構えなくてもPoPは楽しめる。普通にExpキャンプを行う場所もそれなりにあるので,Raidしない人にも楽しめるエリアだ。

 PoP世界の概要を最初にまとめておこう。
 お馴染みのプレイン・オブ・ナリッジ(PoK)からつながるプレイン・オブ・トランキリティ(PoT)からプレインへの冒険は始まる。まず,誰でもお世話になるのがPoKであろう。

 

●プレイン・オブ・ナリッジ(Plane of Knowledge) 

全プレイヤーのポータルとなっているPoK
 プレイン・オブ・ナリッジは誰の管轄かいまいち不明。中立の地Tanaanを中心に広がり,知識の宝庫たる図書館を備え,ノーラス各地へのポータルを有している。プレインと名はついているものの,比較的普通の世界である(太陽あるし)。おそらくノーラス上ないし近くのどこかに位置するものと思われる。

 PoKでしておくべきことは,Gram Dunnarさんにチャームをもらうことだが,これはどこかのプレインのフラグを取ってからの話となる。多くのプレインに行けるようになるたびに,最大10段階で成長していくチャームは,高レベルプレイヤーの必須アイテムとなっている。

 

●プレイン・オブ・トランキリティ(Plane of Tranquility)

どこまでも平和なPoT

  「穏やかなるもの」Quelliousの支配する世界だけあって,風景から音楽まで平穏そのもの。ほとんどのプレインへのポータルが存在することが特徴である。EQ2のイントロでは,少女神ながら正邪を問わずあらゆる神々の中心的な存在として世界を導いていたQuelliousを象徴しているようなプレインである。

 このプレインに入るには,レベル46以上が必要だ。一見,かなり普通の世界なのだが,夜明けや日暮れはあっても太陽や月は存在しない。これは通常空間とはかけ離れたプレインの特徴でもある。

 

 これら二つのプレインは,PoPのプレインではあっても戦闘エリアではない。主戦場となるPoPのプレインは5層に分類され,Tier1〜5までの構成となっている。本来,上位プレインに行くにはそれぞれのフラグを取る必要があったのだが,一部緩和されて,レベルが上がれば入れるところもある。現状では,Tier4以上に行こうという人でもない限り,あまり積極的にフラグを取ってはいないようだ。プレイン・オブ・タクティクスが唯一の例外で,ここはExpキャンプ(アイテムキャンプ?)でもよく利用されている。

 

 大まかなTier構造を以下に示しておこう。 赤字のものが,そのプレインでの代表的なRaid Mobとなる。

 

●Tier1(制限なし)

Manaetic BehemothはPoTacへの鍵ともなる

プレイン・オブ・ディジーズ(Plane of Disease) Grummus
プレイン・オブ・イノベーション(Plane of Innovation)
Manaetic Behemoth
プレイン・オブ・ジャスティス(Plane of Justice)
The Seventh Hammer
プレイン・オブ・ナイトメア(Plane of Nightmare)−テリス・シュールの寝殿(Lair of Terris Thule) Terris Thule

 


●Tier2(レベル55で開放) 

Saryrnは拷問の女王だ

プレイン・オブ・トーメント(Plane of Torment) Saryrn
プレイン・オブ・ヴァラー(Plane of Valor) Aerin`Dar
穢れの地下聖堂(Ruins of Lxanvom (Crypt of Decay) Bert oxxulous
プレイン・オブ・ストーム(Plane of Storms)
Jeplak


 

●Tier3(レベル62で一部開放) 

Agnarr the Storm Lordは善神Karanaの悪の側面

栄誉の殿堂(Halls of Honor) Rydda`Dar −マーの神殿(Temple of Marr) Mithaniel Marr
いかづちの要塞(Torden, the Bastion of Thunder) Agnarr the Storm Lord
プレイン・オブ・タクティクス(Drunder, Fortress of Zek) Rallos Zek the Warlord
ソルセック・ローの塔(Tower of Solusek Ro) Solusek Ro

 


●Tier4 

Xegony the Queen of Air様

プレイン・オブ・ファイア(Doomfire, the Burning Lands) Fennin Ro
プレイン・オブ・エアー(Eryslai, the Kingdom of Wind)
Xegony the Queen of Air
プレイン・オブ・ウォーター(Reef of Coirnav) Coirnav
プレイン・オブ・アース(Vegarlson, the Earthen Badlands)−(Ragrax, Stronghold of the Twelve
Avatar of Earth

 


●Tier5
プレイン・オブ・タイム(Plane of Time ) Quarm

 

 PoPのプレインでは,一定時間後にグレイブヤードと呼ばれるゾーン入り口のエリアに死体が飛んでくるので,CRで苦労することはない(PoKとPoTは除く。まあ,わざわざ墜落死したり溺死したりしなければこれらのプレインで死ぬことはありえないのだが)。Raid壊滅などで大量の死者が出ても安心だ(?)。死体が自動回収される時間はプレインによって異なっている。だいたい10分から15分くらいだと思っておけばよいだろう。

 

Expキャンプで見る各Tierの基本

 

プレーンへの入り口の集まった5stone
 Tier1には,レベル46から入ることができる(らしい)。だからといって,興味本位で行くと痛い目にあうのがオチだ。なにしろMobの最低レベルが46である。しかも,それはどっちかといえば,DC(EncのAAによる解けないCharm)用にわざわざ置いてあるようなザコで,それ以外はMobは真っ赤なのばかり。心して行かないと,とんでもないことになる。

 プレイン・オブ・ジャスティス(PoJ)あたりでは,かなりお金も稼げるので,それなりのメンバーが揃ったら挑戦してみるのも悪くない。いずれレベルが上がって,DPSにも自信がついたら,PoJのトライアルを受けることになるだろう。最低一人は経験者がいないと,まずクエストの進め方自体が分からないと思われるので,経験者を募ろう。事前にレクチャーしてもらうなりでもよいのだが。うまくいかないときはメンバー構成をいろいろ変えてみよう。DPS勝負なので,高レベルのWizがいれば楽勝という話はある。

 プレイン・オブ・イノベーションあたりは,効率が悪いのでExpキャンプはほとんどされることがない。

 

 Tier1に入れるのが46からとはいえ,フラグなしでTier2に入れるレベル55くらいからPoPプレインで冒険し始めるというのが基本的なパターンではないだろうか。それとてもかなり危険なことには変わりない。経験値のよいキャンプ地として知られるプレイン・オブ・ヴァラー(PoV)あたりに行くと,これまでのキャンプ地とは,痛さが段違いなのを実感できるはずだ。Tier2では,PoVあたりにしか行かない人も割といるみたいだが,先週紹介した穢れの大聖堂(CoD)とともに,経験値,お金ともにプレイン・オブ・トーメントあたりは優れた狩り場でもある。ただ,Mobがちょっとやっかいなのでそのボーナス分の経験値があるという感じではあるが。

 

 Tier3では,栄誉の殿堂(HoH),いかづちの要塞(BoT)あたりが経験値キャンプの定番となっている。というか,Raidをしない場合,PoPではTier3より奥に進むことはできず,このあたりかLDoNかという選択肢しかなくなってしまうのだが。高レベルスペルや装備が揃わない場合は,HoHで地道にレベルを上げて,BoTでアイテム集めというのがお決まりっぽい感じだ。レベルが上がりきってしまうとLDoNのほうが多くなる傾向にある。

 

●栄誉の殿堂 

 Mithaniel Marrの支配するPalの総本山的なプレイン。Palが殺し回っていいのか? という疑問はあるが,あまり気にしてる人はいないようだ。ファクションKoSだし。HoHではいくつか通常キャンプ地はあるものの,奥か入り口か通路の途中という感じで,あまり代わり映えはしない。効率でいえば,「通路>入り口>奥」らしいのだが,どっちにしてもKill Speedがなければ話にならない。

 ある程度以上のDPSで回していくとMobが枯れてくるので,いかにPullを継続的に早くできるかが勝負になる。Pullの移動距離で効率が決まるようだ。とはいうものの,それだけ回せるならPoVの洞窟丸ごと回すほうが時間あたりの経験値はよかったり,ちょっと頑張ってBoTのCYで回すほうがよかったりもするのだが。

 全体に大理石造りで綺麗なゾーンだが,Puller以外にはかなり退屈なゾーンでもある。

 

●いかづちの要塞   

  BoTは,Karanaの支配するプレイン・オブ・ストーム(PoSt)の中にあるエリアとされているが,PoTから直行のポータルを持つゾーンだ。Raidゾーンである塔を除くと四つのエリアと中庭に分かれている。風,雷,土,水の4種類の性質のMobがいるエリアのそれぞれがExp(アイテム)キャンプのメッカだ。

 それぞれのエリアには,Named Mobが2〜4匹と中ボスが1匹セットになっている。Named4が出現する土エリアだけは二つに分割されたキャンプ地となり,通常キャンプ地は6か所となる。さらに,Namedなどはいないが,入り口あたりでキャンプすることもできなくはない。
 PoPアーマーのコアや高位スペルの素を多く出すので,どのクラスも通わざるをえない場所といっても過言ではない(ほかのゾーンでも出るのだが)。Mobの打撃,硬さともにHoH以上であり,とくにNamedのPHが無意味に硬いので,DPSがないと回しきれないかもしれない。たまにNamedが出たり,移動しながらのキャンプになるので,HoHよりは飽きが少ないのも美点か。アイテム,経験値などから見て,レベル60台のキャンプ地としてはもっともポピュラーといえる場所だ。NamedはランダムPop,中ボスは3時間くらいのRePopである。4つのエリアにはそれぞれDC可能MobもPopするので,EncがいればDPSを上げられる場合もある。ただし,その場合はキャンプ地の移動が面倒になる。キャンパーが少ない場合は,Trackerが全域を見張り,空いている場所のNamedなども狙っていくのが普通だ。
 中ボスの難度は,「
土>風>水=雷」といった感じで,ある程度,MTの硬さとDPSがないと土は厳しい場合もある。風はSlowがまったく入らないので,MTとDPS次第だが2ヒーラーが望ましい。また,M系列のSlowはどの中ボスに対しても入れるのは難しいので,D系列のSlowがない場合にはヒーラーの負担が大きくなる。
 単純に経験値だけであれば,中庭(Center Yard:CY)は非常に稼げる場所である。Namedなどとは無縁となってしまうが,かなりの数のMobを回すことができる。基本的に相手をするのは赤い虫タイプ(ハエ)だけで,彫像風のガーゴイルは無駄に硬いので放置しておく。基本的にガーゴイルは襲ってこないのだが,近くで戦闘をするとAggroするのて注意が必要だ。Kill Speedが十分速ければ4エリアを順々に回ってRepopに追いつくくらいになってくる。Repopに追いつくと待ち時間ができたり,RepopがAddしてくることもあるので,追いつかない程度に調整するためにガーゴイルを交ぜるとよい。キャスタータイプのハエはときどきCHしてくるので,Enc,Brdなどを交えたグループが望ましい。

 

●プレイン・オブ・タクティクス

  プレイン・オブ・タクティクス(PoTac)に至るには,どうしてもフラグを取らなければならない。Raidしないならば,PoStで,アイテムキャンプが必要になる。四つのアイテムを集めるクエストだが,早い人で数時間,遅い人で数週間キャンプを続けることになる。1セット揃えばグループ全員のフラグが取れるので,フラグを持っていない人を集めて集中的にキャンプしよう。
 PoTacのメジャーなキャンプ場所は3か所しかない。レベル65スペルの素が比較的出やすいといわれているが,Namedの出現率はそう高くはない。NamedはBoTの中ボスクラスの位置付けで,BoTでは出るまで3時間ほど待つしかないものが,ランダムで出てくるので,運がよければチャンスも広がってくる。Namedはレベル65から見て黄色のMobだが,BoTの中ボスと違って並のMobという扱いなのかMezが入るので,MezzerがいたらMezしてからDebuffを入れまくってMBしたのちに戦闘開始というのが比較的安全である。

 

エレメンタルプレーンへの道

 

プレイン・オブ・ファイアー
 普通のExpキャンプでは,このような場所に行くのがせいぜいというところだが,Raid前提となると,HoHからマーの神殿へ,CoDの奥のエリア,BoTの塔など行くべきところも増えてくる。たいてい各プレインには,Raid Mobがいるものである。そういう各地のMobを順にクリアして,フラグを揃え,さらに上位のプレインに行くことになる。
 Tier4はエレメンタルプレイン(EP)と呼ばれており,そこに進むことがとりあえずの目安となる。本来のプレインズ・オブ・パワーとは,力の源,いわゆるエレメンタルプレインの総称である。

 
 EPに行くためには,最低限,

Bertoxxolous(CoD)
Mithaniel Marr(HoH→マーの神殿)
Agnarr(BoT)
Saryn(PoTo)
Rallos Zek(PoTac)

を倒し,さらに,

Solusek Ro(ソルセック・ローの塔)

を倒さなければならない。簡単に書くと以上のとおりだが,実際に進めるにあたっては,ゾーンへの鍵やさらにゾーン内の鍵や隣接ゾーンの鍵が必要になったり,フラグを取る順番も問題になってくる。さらにいえば,これらのボスは神様(の化身)なので,当然ながら一筋縄ではいかない。

そしてたどり着いたPoTimeではなにが起こるのか? 

  そうして,たどり着いたEPではさらに困難な道が示される。すべての精霊を倒してはじめて,Tier5であるプレーン・オブ・タイムへと至ることになる。以前作成したRaidムービーのリンクをもう一度示しておこう。EPではこういった戦いが行われるわけである。

 

EQ Raidムービー (MPEG1:103MB)

 

 きわめて当然のことながら,Tier5での戦闘が楽であろうはずもなく,厳しい時間制限の中,これまでの苦労をまとめて束にしたようなのをPhase1から6段重ねでいただくことになる。 

 

 

Raidの世界

 

 ちょっと話を戻そう。
 複数のグループをまとめたものがRaidである。PoK以外のPoPプレインはレベル46から入れるようになり,たくさんのRaid Mobがいるわけだが,Raidについては,Nagafen,Vox Raidを除いては(それでもレベル40台後半〜52),できるだけレベルを上げておくことが望ましい。
 ひと口にRaidといっても,いくつかタイプがある。

 
1) 最高装備を目指すもの
2) クエスト関連のもの
3) お祭り的なもの
4) アイテム狙いのもの

 
  1)については,Raidギルドがもっぱら行っているもので,大人数を集め,非常に強力なMobに挑戦していくタイプのものだ。

グレートディバイドを血で染める10th Ring Raidの模様

  2)については,一般的なギルドであればEpicクエストなどでHelpを行うことも多いだろう。クラスにもよるのだが,神様,ドラゴン系を倒さなければならない,ある程度の規模が必要なクエストがEQにはいっぱい揃っている。Epic以外にも,8th Shawlや10th Ringなど,大規模な戦闘が必要なクエストはほかにもいろいろある。
 
3)は,Nagafen,Voxなどに代表されるようなものや(クエスト関連でもあるが),非Raidギルドがギルドイベントとして行うようなRaidである。 2) 4)とかぶったものもあるだろうし,特定のRaid Encounterを狙わず,CoMやミストムーア,カール・ドラッケルなどを殲滅するようなイベントを行うこともあれば,複数のクエストをまとめてやってしまうためのRaidなどもある。
 この連載を見てEQを始めた人にはまだRaidは早いと思うが,Nagafen Raidあたりなら,50近辺のキャラクターが一定数いれば比較的手軽なイベントでもある。

 

 EQ(とくにLDoN以前)は,最終的にRaidしかやることがないゲームデザインであった。このことがEQを特異なゲームとして進化させてきたといえるだろう。当初は通常キャンプゾーンのボーナス的な存在であったRaidゾーンが次第に比重を増し,とくに前述のPoPなどはテーマが神々への挑戦であり,そんなものは1グループくらいではどうすることもできないというデザインであった。Raid偏重の傾向はバランス的には紙一重というか,ちょっと先鋭化しすぎていてとても一般人向きとは言い難いものであった。

大人数で攻め込むEPのRaid
 EQのRaidというのは,まさに廃人仕様であり,簡単にクリアできるようなものは用意されていない。むしろ,ほとんど倒せない仕様のMobが達成困難な障壁の向こうに配置されており,多大な苦難の末に乗り越えるといった感じだ。
 
 前章で書いたようにPoPにはレベル46から挑戦できる。レベル制限はフラグを取ることで解決されるので,理論的にはレベル40台でもEPまでをクリアできることになる(のかな?)。だからといって,ちょっとレベルが上がったから神様に挑戦だと頑張っても,それではまったく話にならない。神々に立ち向かうにはそれなりの装備が必要である。
 
 とにかく苛烈な攻撃を防ぐことが必要で,そのためには最低でもLDoNアーマーフルセットないし,VT(ベックス・サル)装備程度のものが必要となる。VTはSoL屈指のボーナスゾーンだった。プレート装備だとAC80,耳装備でAC25,FT7のローブなどというアイテムはそれまでの装備とは桁の違う世界であり,日本語版ではいまだにトップクラスといってよい性能を持つ。
 そのVTに挑むには……もちろん,これだけのボーナスエリアであれば,すんなりと通してくれるはずもない。VTに行くには,非常に面倒なキー集めをして,それなりの人数を集め,それなりの装備を整えて,さらに統制が取れた動きができなければならない。まともに侵攻すると四半日がかりの大事業だ。

 Pearl1個でプレイヤーを召喚できるMagを育ててダンジョンの奥深くに埋め込み,それでもなお単調で苛烈なダンジョンと長期間に渡って格闘しなければならない。人数がいないと大量のMobを捌くことは不可能であり,その人数分の装備をファームするのは,それはそれでまた忍耐の必要な一大事業となる。VTを越えた団体は,装備はもちろん精神的にも極限まで鍛えられることになる。もっとも,道半ばで崩壊する団体も少なくないのだが。
 そういった,VTで十分戦力を整えた団体ですら苦渋をなめるのがEPである。
 
 残念ながら,かなり時間を取れる人でないと本格的なRaidは楽しめない。時間の取れる人であれば,いずれかのRaid団体に入ってみるとよい(というかほかに道はない)。Raid専門といってよいギルドもあれば,オープンRaid団体もある。そういった団体に入ったら,あとはRaid Leaderの指示に従おう。ということで,これ以上の詳細はそちらで聞いてみよう。

 

Raidの超基本

 

それでも侮れないLady Vox
 どうも順番がとことん逆になっている気もしないではないが,Raidで一番基本になる部分について解説しておこう。
 まず最初に,Raidはあくまでも集団戦闘であり,個人個人は小さな歯車にすぎないことを認識しなければならない。最初から最後までずっとザコMobと格闘しててボスを見たことがないとか,Pullに行って3人くらい死にながら引いてきても,Raidが終わるまで放置されることもあるかもしれない。Raid Mobの見えないところからずっとBuffだけ入れ続けるとか,ぶっ飛ばされてしまったキャラを呼び戻すために待機しておくとか,死体をRezzerの場所まで引っ張り続けるとか,ひたすらRezするとか,それぞれ各人の役目をきっちりとこなすことが求められる。必ずしも楽しい役目ばかりではないことも認識しておく必要があるだろう。
 
 Raidでは,Mobによって攻撃方法や特徴などが違うので,基本的にそのMobにあった倒し方を研究する必要があるのだが,大雑把にどのような攻撃をされるかというのはだいたい似ており,まとめると次の通りである。
 
・殴る/魔法攻撃
 当然ながら痛い。EPだとザコが一撃1000Overのダメージをばらまくわけだからボスは推して然るべし。左右トリプルアタック,バッシュ,Procなどと考えていくとMTを生かしておくのは至難の業だと分かるだろう。
・AE攻撃
 とにかく周り中にダメージをばらまく。
・Death Touch
 回避不可能。名前を呼ばれると死ぬ。
・Rampage
 暴れる。Hateリストとは別に,目に入ったプレイヤーを順に覚えておいて,「暴れる」とRampリストトップにあるキャラクターが攻撃を受ける。
・Debuff/CM
 Debuffは防げるが,CMは防ぎようがない。有効なBuffが消えると戦力は大幅ダウンしてしまうので,CMされてもよい捨てBuffを入れておき,消されるたびに補充していく必要がある。それでも消されるときは,速やかな再Buffが望まれる。
 

 

■サクサクBuff! 目標2分?
 Buff Upの時間をいかに短くするかでRaidの効率はかなり変わってくる。MobによってはCancel MagicでBuff消しを行ってくるので,まず必要個数の捨てBuffを入れる。必須Buffを消されにくい位置にしつつ適切な順番で素早くBuffを完了する必要がある。AAで取れるMass Group Buff(一定範囲内の全員に一斉にBuff可能なAA)やBuff効果延長AAなど,BufferにはAAがかなり重要になってくる。Buffスロットには15個までしかBuffが入らないので,どのBuffが必要であるかは各人がしっかり把握しておく必要がある。

 

 

 RaidでもEQの戦闘であるから,MTで支え,ヒーラーが回復し,アタッカーが削るという構図はやはり不変である。
 
 Raidの場合は,
・Sv装備
・CCHライン
・Add対策
・Ramp対策

などが少し特徴的となる。

遠目だとちょっとかわいいLord Nagafen
 もっとも簡単(Voxよりちょっと簡単)な,Nagafen戦にしても,強烈なブレスによる熱攻撃とAE Fearをかましてくるので,それへの対策が必要であった。MTに防御とヒールを集中し,残りのメンバーはAttackerに徹するというのは,EQの一般的な戦術そのままなのだが,Raid Mobでは,強力なAE攻撃がつきものともいえる。MT以外の人員がダメージを食らいまくっていては戦闘は破綻してしまう。Fearを食らって駆け出しても行き着く先は溶岩の海。結局は,SvMとSvFを上げまくることでAE攻撃をレジストしきらないといけない。MTへの物理攻撃だけであればなんとかしのげる。それとても,CCHラインを組まなければ耐えきれるものではないのだが。
 ということで,おそらく大半の人が初めて経験するであろうRaidである,Nagafen,Voxなどとの対戦により,Raidの基本文法は理解していくことになる。

 

●適切なSvを
 対ドラゴンでいえば,火の属性を持つNagafenではSvF,氷竜のVoxではSvC,「大いなる青」毒竜TrakanonではSvP,4大元素のうち,この3匹は有名なのだが,SvDの病気竜Severilousはちょっとマイナーだ(ザコ?)。SvMはいずれの場合も全体に上げておこう。
 装備,ポーション,Buff,歌,戦闘奥義,AAといったものでSvは強化できる。装備以外でも軽く+200くらいは上がるだろうが,それくらいでも追いつかないので,装備でのSv対策が切実に求められることになる。優秀なSv装備は主にRaidで入手できるので,Raid団体は順にRaidを積み重ねていくことになる。通常キャンプでSv装備が必要とされることはほとんどないのだが,Raidに関しては,ある程度以上のSv装備が必須となってくる。
 
●MTを殺すな
 Raidの主役はMTそしてCCHラインである。CCHすなわち,複数のヒーラーがComplete Healを連鎖状態でかけっぱなしにしてMTの体力を維持する手法は,Raidでは生命線になるものである。
 Clrのマナを補給する必要があればNec,Shd,Mag,Bstが補助を行い,それでも追いつかない緊急時にはPalがLoHを入れるなど,あらゆる手段でMTを支えることが必要になる。
 
●ボスだけではない
 Raidは,ボス戦に限ったものではなく,かなり強いMobが山ほどというパターンもある。サブタンククラスが各個に押さえたり,Mezzerがキープしたり,カイトで回したりという対応を取る必要がある。さらに,ボス級と護衛,ないしザコ(かなり強い)が複数という状況もあり,それぞれで対応できるようにしなければならない。結局のところ,人数が必要になる。それも装備の整った人員,かつ統制の取れた指揮系統。これらを完備してこそ倒せるMobが存在する。
 Raidは基本的に力押しではあるが,Aggro範囲などには経験が必要で,最小限の敵に最大限の戦力をぶつけることを学ばなければ人数がいくらいても足りることはない。
 
●見られたらやられる
 すでに少し解説したが,Raid MobのRampageというのは,理屈が解明されるまでは非常にやっかいなものであった。Mobが目にした順番にRampリストに載るということが解明されて以来,Hateリスト以外にRampリストも管理することで適切な対応が可能になる。STクラスが人柱となることで,全体的な混乱は抑えられるのだ。
 

■登竜門


 いまや「一番弱いRaid Mob」となりはてているが,かつて,Lord Nagafenが倒されるまでには恐ろしく長い道のりがあったようだ。最初はドラゴンの習性として宝物を集めるということで,返り討ちにしたキャラのアイテムは全没収だったらしい。初めて倒されたときには夥しいアイテムが発見されたという。 
 当初は1グループでは倒せないMobとして設計されていたRaid Mobだが,最近は拡張によるプレイヤー側の強化が目覚ましく,1グループでKillできたり,場合によってはソロで倒せるような事態まで起きてきている。最初のRaid EncounterであったLoad NagafenとLady Voxについては,現在はレベル52以下でしか対峙できないように調整されている。高レベルのキャラクターにHateが乗った瞬間にゾーンから弾き出されてしまうのだ。これはEQを代表していた2頭の矜持に対する破格の配慮といってよいだろう。
 いまもNagafenとVoxは,Raidの文字通り登竜門としてEQに君臨しているのだ。彼らを通して,ドラゴンには脚の真下あたりからしか魔法攻撃は入らないとか,呼ばれて焼かれてしまうとか,それまでのMobとは勝手の違う事態を学ぶことになるだろう。

 

終わりなきRaidの流れに

 

 最終目標に向かうためには,いろいろ準備が必要である。
 ST(眠りしものの墓)はRaidでの基本武器となるPrimalシリーズをMelee戦闘員の人数分確保する。この武器のProcで発動されるBuffであるAvatarは,各種基本パラメータを大幅に改善するので,まだAAや装備が十分でない場合のMeleeの攻撃力を強化することができる。
 前述のVTでは,Meleeを中心とした防具の強化を行う。キャスター用装備もいろいろあるが,基本的にはACとSvの強化が主眼となる。
 PoPからEPでは,全クラスで各種装備のアップグレードを図る。
 PoTimeでは,さらに最終的なアップグレードに至る。さらにいえば,LDoNでその装備をさらに完成させていく。
 
 こうして,PoTimeへと進み制覇することが,現状では最終目的となっている。では,PoTimeファームを終えてしまったら……一応LDoN Raidなど,Timeクリア組のためのコンテンツも用意はされているものの,報酬などを見てもいま一つ魅力は薄いのかもしれない。
 Raidの道は決して安楽なものではない。多くの労力と犠牲を積み重ねてのみ成し遂げられる勝利は,EQを最も特徴づけるものとなっている。その達成感ゆえに日々Raidに励む人々も大勢いる。
 前回解説したLDoNでのカジュアル路線とは真っ向反対の方向性だが,RaidとLDoNという二つの軸は,「全体的には」現在のEQをバランスよくまとめているようにも思われる。とはいえ,Raidを主軸としている人たちにはRaidゾーンの拡張以外に選択肢はないだろう。ゲームとして同程度のやり甲斐のあるものは希有といってよい。これまでの展開から,より強い敵を倒すことが身上のゲームとなってしまったゆえに,新拡張が切実に求められているのも事実である。
 MMORPGという分野が登場し,MMOである必然性を最大限に生かしたと言えるのが,EQでのRaidであった。EQはもっとシンプルに遊んでも相当面白いゲームである。それは間違いない。いまだ最高峰だと言ってよいくらいデキはよい。しかしRaidという麻薬は毒に一転する危険性も秘めていた。禁断症状は禁物なのだ。
 
 MMORPGは現在一つの岐路を迎えている。成功すれば非常に大きな収益をもたらすことから,昨今は数多くのMMORPGが作成され,公開され続けてきた。しかしながら,運営には多大なコストを要し,成功しないもののほうが圧倒的に多いのが現実だ。UO,EQという最初の二つの成功作と,その後の成功作では内容的にかなり大きな違いがある。はっきりいえば,グラフィックやライトユーザー向けの要素を強くすれば受けるという風潮にはかなり危機感を感じざるをえない。いまだからこそ,EQの持っていたゲームの本質を知ることが重要ではないだろうか。「EQを知らずにMMOを語るなかれ」というのは第1回のときに書いた言葉だが,真に冒険の楽しめるゲームを求めるならば,これは外せないポイントだという思いはいまも変わらない。
 
 さて,6回に渡って意外とたくさん書いた割には中途半端な部分も目だって,書き忘れているものも実はたくさんある連載だったが,少しは冒険のお役に立てただろうか。今度はノーラスの大地でまたお会いしたい。
 
 
 
P.S. コンバイン帝国をトカゲの帝国と紹介したのを掲示板で間違っていると指摘してくれた方,ずいぶん遅くなったがありがとう。完全にセビリスと混同していたようだ。コンバイン帝国は,バーバリアンから分化した最初のヒューマンの文明であり,世界各地にWiz Spireなどを遺している古代文明である。勢力争いからラクリンへ移住し,地上からは姿を消した文明だ。ほかにも,しれっと変なことを書いている箇所がありそうな気もするが(とくに今回のは),適当に流して読んでいただきたい。
P.S.2 連載のための情報提供や資料提供で協力していただいたプレイヤーの方々にもお礼を言いたい。どうもありがとう。


 

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