EA CAMP 2003

Text by 奥谷海人

 アメリカ時間の7月10日,カリフォルニア州レッドウッドシティ市のElectronic Arts(エレクトロニック・アーツ)本社にて,「EA CAMP 2003」と題されたプレスイベントが行われた。
 このイベントは,過去5年間に渡って開催されているものだが,海外メディアにも門戸が開放されるのは初めてとなる。競技場,体育館,育児施設までを備えた,まさに"キャンパス"と呼ばれるに相応しい広大な社内の一角で,同社が今後1年あまりのうちに発表するすべての作品が一挙に公開されたのである。

 Electronic Art社は,のちに独立して3DO社を設立したトリップ・ホーキンス(Trip Hawkins)氏ら,スタンフォード大学卒業生7人によって1982年にAmazin' Software社という名で設立された,業界でも古参のゲームソフト開発/販売会社である。古くは「M.U.L.E」や「Marble Madness」などの作品で知られ,LucasArts Entertainment社やInterplay社の起業の際には大きな支えとなるなど,業界で確固たる地位を築いてきた。
 しかし,その名声が不動のものになったのは,1989年にリリースされた「John Madden American Football」あたりからだろう。この作品が,やがて毎年250万本のセールスを計上する「Madden NFL」シリーズへと成長し,同社のバックボーンとなっている。
 1991年に,現在のCEOでもあるラリー・プロスト(Larry Probst)氏が就任してからは,海外市場へも積極的な展開を始め,ハードウェア市場の交代の波を見事に乗り切って,今では同社の参加なくしてゲームのハードウェアは成功しないといわれるほど。スポーツゲーム以外にもハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リングなどの手堅いライセンス作品を保有し,バブルのはじけた現在のアメリカ市場においても,株価は順調で天井知らずの上り調子だ。
 4年前には,ちょうどサンフランシスコとシリコンバレーの中心に位置するレッドウッドシティ市に,今回の会場にもなった本社キャンパスを建設し,ここにある三つのビルだけでも1300人の社員を擁するまでに至っている。行政公認の道路の名称も,Electronic Arts Driveと名付けられているほどだ

 PC市場では,EA.comなどのブロードバンド戦略が必ずしも成功しているとはいえないものの,「The Sims」シリーズや「Medal of Honor」シリーズなど,定番になった作品は数多い。E3 2003でもかなりの作品が出展され,本サイトでも多くのNewsをお伝えしたが,今回はそのフォローアップとなるべきものだ。
 それでは,初公開された作品を中心に,Electronic Arts社の最新PCゲームを紹介していこう。

 

Electronic Artsの最新PCゲーム

1.「Command & Conquer Generals:Zero Hour」

2.「Need for Speed:Underground」

3.「Battlefield 1942:Secret Weapons of WWII」

4.「The Lord of the Rings:Return of the King」

5.「Battlefield Vietnam」

6.「Freedom Fighters」

7.「Medal of Honor Allied Assault:Breakthrough」

8.「SimCity 4:Rush Hour」

9.「Harry Potter Quidditch World Cup」

10.「NASCAR Thunder 2004」

11.「The Sims 2」