EA CAMP 2003

Text by 奥谷海人

「Need for Speed:Underground」

 E3では表に出て来なかった「Need for Speed」の最新作,「Need for Speed:Underground」が,EA CAMP会場ではプレイヤブルな状態で公開されていた。

 評判の良かった前作「Need for Speed:Hot Pursuit 2」のBlack Box社が開発したものだが,ハリウッドのCGエキスパートから力を借りたというグラフィックスは,日本の誇る「Grand Tourismo」シリーズに真っ向から対抗できる能力を備えている。

 これまでのシリーズでフィーチャーされてきたフェラーリ,ジャガー,アストンマーティン,メルセデスなどは削られ,本作ではトヨタ,日産,ホンダ,三菱,マツダ,スバル,ドッジ,フォード,ヒュンダイといったラインナップ。レースを勝ち抜くことによって賞金が得られ,それでスポイラーからキャブレーターまでチューニングできるようになった。つまり個々のパーツがモデリングされているのだが,これらのパーツも,MOMO,HKS,NOS,AEM,NX,Greddyなどの有名メーカーのライセンスを受けているのだ。
 Hot Pursuitで人気だったパトカーのチェイスモードはなくなっているが,代わりにドラッグレースモードが用意されており,これは短距離を出せるだけのスピードで走り抜けるというもの。オートマではプレイできなくなっており,エンジンの回転数との睨めっこに重点を置いてプレイしなければならない。また,コースは一般車が行き交う公道なので,突然タクシーが横槍を入れてくることもある。案外簡単に思えるが,かなり興奮できるゲームモードで,最近公開された映画「ワイルドスピードX2」を実体験しているような気分になる。
 ニューヨーク,ロサンジェルス,デトロイト,バンクーバーなど,実在のアメリカの都市を模した架空のコースが収録されていて,今回公開されていたものは,雨に濡れたようなテカりが雨夜のあとの路面の雰囲気を出していた。コースはすべて夜のシーンになるようだが,ライトに照らされた部分の明るさが,逆に"視界の狭さ"による緊張感を演出しているようだった
 またUndergroundには,ゲーム中に100種類に及ぶイベントが発生するストーリーモード,4人までの対戦モードも用意されている。
 アメリカでは,今秋の発売予定だ。これまた,日本では「ニード・フォー・スピード アンダーグラウンド」として,2003年中に発売されることが発表されている。

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